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広瀬佳一 ·防衛大学校人文社会科学群教授

参議院外交・安全保障に関する調査会(2025-02-19)での発言

第217回国会 ·第第2号号 ·1,909字
○参考人(広瀬佳一君) ありがとうございます。  表一、御覧いただき、ありがとうございます。  私も先ほどの報告で少しニュアンスを持って語ったつもりなんですけれども、やっぱり公正さとそれから持続可能性という、この二つはやっぱり非常に重要で、それに比べると、例えば国際法的な厳格さというのは多少犠牲にしてでも現実的にやはり考えるべきではないかなというふうに思っていまして、それで考えたときに、やっぱり先例もあるということでいえば、西ドイツモデルというのは、バイデン政権下でこれが強力に推進されていればチャンスはあったんじゃないかというふうに思うわけです。今、トランプ政権ではもうNATO加盟ないと言っていますので、もうこれ全然入ってこないわけですけれども。  この西ドイツモデルの場合には、ポイントになるのはやっぱり領土的な問題なんですよね。この領土的なところをウクライナが諦めなきゃいけなくて、これはもちろん暫定的でも何でもいいんですけど、一旦は諦めて、しかも、その範囲だけがNATOの集団防衛の五条の適用を受けるという形で、かつ領土変更に武力を使わないという、これも西ドイツが行った武力不行使宣言というんですけど、こういうのも行うと。それによって、一定の公正さが保たれた上に平和が持続的に訪れる。つまり、将来ロシアがやってくるということもない。  だから、やっぱりNATOの方が明らかに今強いですから、ロシアがそこまで攻めるとは思えないので、そういう形で考えると西ドイツモデルというのがあり得たんではないかと思いますし、実際、民主党の有力者なんかも去年辺りには、おととしか、もう、おととしにはそういう主張をしていましたから、バイデン政権が決断できれば、もちろんそのNATO加盟については例えばハンガリーとかスロバキアとかは難色を示していましたけど、でも、バイデン氏がリーダーシップを発揮して、そしてこれを推進していれば、これは失われた機会になったんではないかなというふうに個人的には思っています。  その次はフィンランドモデルなんです。ただし、このフィンランドモデルの場合は、やっぱりリーダーシップの、ステーツマンシップが非常に問われるわけですね。このフィンランドの歴史的事例においては、パーシキヴィというフィンランドの非常に有名な保守的な政治家で、しかしながら、ロシアとの、ロシアという大国が隣にいるということを、現実を受け入れる、何といいますか、肝、肝の大きな人なんですけど、このパーシキヴィがロシアと政治的にはもうある程度、領土的及び政治的にはある程度ロシアの言うことを聞きながらも中立そして自主的な政策を歩むという形で、旧東欧、ほかの旧東欧とは一線を画すことができたわけです。実際、フィンランドはワルシャワ条約機構にも入っていませんし、コメコンにも入っていませんから、こういうこともある。  ただし、これはやっぱりステーツマンシップも必要ですし、やっぱりフィンランドとウクライナはちょっと国の大きさも違いますので、これ一概に比較できないのかもしれないなと思っています。その意味では、繰り返しになりますけど、やっぱり西ドイツモデルには可能性があったのではないかというふうに思っています。  ゼレンスキー大統領は個人的には全く、ゼレンスキー大統領は全く個人的に話すことはありませんけれども、でも、こういうことがありますよね。戦争中のリーダーが戦後復興のリーダーとしてふさわしいとは限らない。思い出していただきたいのは、チャーチルが、第二次世界大戦が終わって、一九四五年のポツダム会議の途中で総選挙があって負けましたよね。あれは、みんな戦争中にあれだけリーダーシップを発揮したチャーチルなんだから当然次も勝つだろうと思ったら、もう国民はうんざりで、復興にしてもらいたいと、次の政治家って選んだわけですけど、もしかしたらゼレンスキー大統領にも今国民の間ではそういう雰囲気があって、先ほど申し上げましたように、ウクライナの世論調査をすると、これからそろそろ和平を交渉してほしいと、領土的な問題があって、和平を交渉してほしいという声があって、それはゼレンスキー大統領の発言とは少しずれているように感じます。  ですので、もしかしたら今のその世論を反映していないのかもしれなくて、だから、ロシア辺りはその辺を見抜いてか、停戦直後に大統領選挙しろというふうに要求していますけれども、それはプーチンはプーチンなりの利害があるとは思いますけれども、でも、そこはもしかしたら真実の一端はあるかもしれないと思います。

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