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塩田博昭 ·公明党

参議院外交・安全保障に関する調査会(2025-04-16)での発言

第217回国会 ·第第4号号 ·1,576字
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。  本調査会は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」をテーマに、世界平和の構築に向けて国連を始めとした多国間枠組みの再生が重要であるとの問題意識の下、調査を行ってまいりました。  しかしながら、ロシアによるウクライナ侵略を始め、ガザにおける深刻な人道危機を含む中東情勢の不安定化、米国トランプ政権による相互関税といった世界経済に大きな混乱をもたらす動きなどに見られるように、この三年間の動向は私たちが目指してきた方向とは逆の方向へ大きく進んでいます。  今こうした現実を直視しながら、しかし悲観的になることなく、今後の日本外交、そして国際社会の取組がどうあるべきかという観点から意見を述べたいと思います。  まず、核廃絶をめぐる情勢について、私たちは、核兵器を二度と使用してはいけないという核のタブーが破られるおそれと、NPT、核兵器不拡散条約を始めとする多国間枠組みや米ロ間の核軍縮・軍備管理条約を基軸とする国際的な核軍縮・不拡散体制が崩壊するおそれという二つの危機に直面をしています。これらの危機を乗り越え、核軍縮・不拡散体制の実効性を高めていくためには、過去の国際合意や共同声明に立ち返り、核保有国と非保有国間の共有認識を改めて確認し、核保有国の歩み寄りを促すことが重要であります。  そのため、来年開催される第十一回NPT運用検討会議では、核保有国による核の先制不使用や非保有国に対して核攻撃をしないことを保証する消極的安全保証の強化を主な検討議題とすべきであります。  また、核廃絶に向けた取組において、被爆者の方々の活動が大きな影響力を持ち、唯一の戦争被爆国である日本の行動や発言は、国際社会において重く受け止められております。このことを認識した上で、日本は改めて核兵器禁止条約にオブザーバー参加すべきであります。  今年三月の締約国会議では、これまでオブザーバー参加していたドイツなどが参加を見送り、欧州全体で核による抑止強化の議論が進んでいます。そうした中で、日本がオブザーバー参加し、同条約に賛成する国と反対する国との間の議論を活性化し、両者の橋渡しを担う意義、必要性はこれまで以上に高まっています。また、同条約が求める核兵器の実験、使用による被害者への援助と汚染地域の環境修復のための国際協力体制の構築については、条約の参加、不参加にかかわらず、知見を持つ日本こそが取組を主導していくべきであります。  さらに、同条約や対人地雷禁止条約などが成立した背景に市民社会からの大きな声があったことを踏まえれば、軍縮・不拡散を始めとする包摂的平和の実現に向けた取組において、市民社会との連携協力を含む多国間協力の枠組みを推進していくことが重要であると考えます。  朝鮮半島の緊張、中国の軍事力拡大など、アジアにおける安全保障環境が厳しさを増す中、抑止と対話を両輪とする現実的な平和主義に基づく取組の重要性も一層高まっています。  そうした観点から、日本は、米国、中国、ロシアを含めた常設的な多国間の安全保障対話の枠組みとして、アジア版OSCEの実現に向けた取組を進めていくべきであります。具体的には、大使級の各国代表が定期的に会合を開き情報交換を行う常設的な枠組みを設けることで、いざというときでも相手の真意を正確に把握し、リスクを低減することで紛争の拡大を予防する仕組みであります。まず、アジア版OSCEの取組から始め、多国間における信頼醸成を制度化していくことは、アジア、ひいては国際社会全体の包摂的平和の実現に資するものであると考えます。  現下の厳しい情勢の下、これらの取組を一歩ずつ進めていくことが重要であると申し上げ、意見表明とさせていただきます。

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