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茂木敏充 ·自由民主党・無所属の会 ·外務大臣

衆議院外務委員会(2025-11-26)での発言

第219回国会 ·第第1号号 ·3,338字
○茂木国務大臣 おはようございます。外務大臣の茂木敏充です。  外務委員会の開催に当たり、國場委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げるとともに、外交政策についての所信を申し述べます。  国際社会及び我が国を取り巻く安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に進んでいます。ロシアによるウクライナ侵略や不安定な中東情勢、我が国周辺における中国の外交姿勢や軍事動向、北朝鮮による核・ミサイル開発に加え、ロ朝軍事協力といった懸念すべき動きも出てきています。  このような厳しい国際情勢の中、日本への期待が高まっています。外務大臣として、様々な分野で国際社会から期待される日本の役割と責任を果たしていくことで、国益を守り、国際社会でより存在感を高める、力強く、視野の広い外交を展開してまいります。  日米同盟は、我が国の外交、安全保障政策の基軸であり、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎です。先月行われた日米首脳会談の成果等も踏まえ、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいります。  同時に、関税に関する日米間の合意の着実な実施を通じて、日米双方の成長と経済安全保障の強化を実現してまいります。重層的な人的交流も拡充してまいります。  また、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指して辺野古移設を進めるなど、沖縄を始めとした地元の負担の軽減と米軍の安定的駐留に取り組んでまいります。  私自身、就任後速やかにルビオ国務長官と会談し、日米同盟の更なる強化に向けて、緊密に連携していくことを確認しました。  自由で開かれたインド太平洋、FOIPを日本外交の柱として、時代の変化に合わせて進化させてまいります。そして、その実現に向け、G7、ASEAN、豪州、インド、EU、NATOなどとの協力関係を更に強化し、日米韓、日米豪、日米比及び日米豪印を始め、実践的かつ多面的な協力を広げてまいります。  国際社会及び日本を取り巻く安全保障が一段と厳しさを増す中、国家安全保障戦略の下、防衛装備移転、政府安全保障能力強化支援、OSAや、サイバー安全保障の推進に取り組んでまいります。  国際社会における法の支配を推進するとともに、テロやサイバー犯罪を含む国際組織犯罪分野での協力にも取り組んでまいります。  偽情報の拡散始め国際的な情報戦に対処するため、情報収集、分析力及び情報セキュリティー基盤を強化し、戦略的発信を一層進めてまいります。同時に、人的交流を含む文化外交の抜本的強化に取り組んでまいります。  近隣諸国とは、難しい問題、課題に正面から対応しつつ、安定的な関係を築いてまいります。  中国との間には、尖閣諸島情勢を含む東シナ海や南シナ海における力又は威圧による一方的な現状変更の試みや、我が国周辺での一連の軍事活動を含め、数多くの懸案や課題が存在しています。台湾海峡の平和と安定も重要です。  中国との間では、これまで首脳間で確認してきた戦略的互恵関係の包括的推進と建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性の下、意思疎通を一層強化してまいります。双方の努力によって、懸案と課題を減らし、理解と協力を増やしていきたいと考えております。もちろん、主張すべきは主張し、責任ある対応を求めていきます。  韓国は、国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。日韓間には、隣国であるがゆえに難しい問題もありますが、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくために、韓国側と引き続き緊密に意思疎通してまいります。  竹島については、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応してまいります。  日中韓の協力も、大局的な視点から、地域のみならず世界の平和と繁栄にとって重要であり、日中韓サミットの議長国として取組を着実に進めてまいります。  北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。また、ロ朝軍事協力は、ウクライナ情勢のみならず、我が国周辺地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に懸念すべき動向です。米国、韓国を始めとする国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行に向けた取組を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めてまいります。  北朝鮮との間では、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を実現するとの方針に変わりはありません。  中でも、拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国は最重要の課題であり、あらゆる手段を尽くして全力で取り組んでまいります。  日ロ関係は厳しい状況にありますが、領土問題を解決し、平和条約を締結することが日本政府の方針です。日ロ両国の間には隣国として解決しなければならない懸案事項が山積しており、適切に意思疎通をしていく必要があります。北方四島交流訪問事業の再開については、元島民の皆様の切実な思いを踏まえ、特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を粘り強く求めてまいります。  日本の経済力強化のため、日本が優位性を持つ技術や日本企業の海外展開を外交面で後押しし、新規市場やイノベーションの創出に貢献してまいります。  ルールに基づく自由で公正な国際経済秩序の維持強化も重要です。CPTPPの高い水準の維持や締約国の拡大、WTO改革の推進、安全、安心で信頼できるAIエコシステムの構築に取り組んでまいります。エネルギー、食料の安定的な確保に加え、重要鉱物を含むサプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応、重要・新興技術の保全、開発促進など、一層重要性を増す経済安全保障の課題にも全力で取り組んでまいります。  二〇二七年国際園芸博覧会の成功に向けた取組も進めてまいります。  ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。各国の外交努力が、国際社会の結束の下、長年にわたる戦闘の終結と一日も早い公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要です。我が国としても、G7と連携し、今後もウクライナ支援と対ロ制裁を継続してまいります。  中東情勢は、引き続き予断を許しません。ガザについては、我が国として、二十項目の包括的計画の前進、速やかな人道支援の実施、早期復旧復興を通じ、二国家解決の実現に向けて積極的な役割を果たしてまいります。  我が国としては、イランによる核兵器の取得は決して許されないとの立場であり、対話を通じた解決に向け、必要な外交努力を引き続き行ってまいります。  国際社会で発信力を強めるグローバルサウスの国々との連携は不可欠です。ODAやOSAも活用し、相手国のニーズも踏まえたきめ細やかな外交を進め、ODAを呼び水とした民間資金動員も促進してまいります。特に、アフリカとは、第九回アフリカ開発会議、TICAD9の成果も踏まえ、更なる関係強化を図ります。  国連は、今年創設八十周年です。世界が抱える諸課題を解決するため、安保理改革を含む国連改革、機能強化や、日本らしい人権外交を推進してまいります。  また、NPT体制を維持強化し、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を進めてまいります。  気候変動、国際保健、自然災害といった地球規模課題については、人間の安全保障の理念の下、SDGsの達成に向けた取組を推進し、二〇三〇年以降を見据えた国際的な議論を主導してまいります。  これらの外交努力で一層の成果を上げるため、外交・領事実施体制の抜本的強化に取り組みます。特に、緊急事態への対応や邦人保護、情報保全等に万全を期すため、本省及び在外公館の体制整備、強靱化を推進してまいります。また、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた取組も関係省庁と協力し、進めてまいります。  以上、我が国が直面する諸課題及び取組について所信を申し述べました。  議員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。(拍手)

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