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茂木敏充 ·自由民主党・無所属の会 ·外務大臣

衆議院安全保障委員会(2026-04-03)での発言

第221回国会 ·第第1号号 ·3,541字
○茂木国務大臣 よろしくお願いいたします。  外務大臣の茂木敏充です。  安全保障委員会の開催に当たり、西村委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げるとともに、安全保障政策についての所信を申し述べます。  世界は今、パワーバランスの変化や紛争、対立の激化を受け、戦後最も大きな構造的変化の中にあり、安全保障環境も一段と厳しさを増しています。  緊迫した状況が続くイラン情勢、ロシアによるウクライナ侵略や我が国周辺における中国の外交姿勢や軍事動向、北朝鮮による核・ミサイル開発に加え、ロ朝の軍事協力といった懸念すべき動きも続いています。  このような厳しい国際情勢の中、一貫した外交姿勢を堅持する日本への期待が高まっています。高市内閣の掲げる、平和と繁栄をつくる責任ある日本外交を推進すべく、国際社会から期待される日本の役割と責任を果たしていくため、多角的、重層的連携をリードする包容力と力強さを兼ね備えた外交を展開してまいります。  日米同盟は、我が国の外交、安全保障政策の基軸であり、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎です。先月の日米首脳会談には私も同席しましたが、安全保障、経済、経済安全保障などの幅広い分野で、質の高い日米協力を具体的に進め、日米同盟を更なる高みに引き上げることを確認しました。今後とも、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいります。  日米同盟を更に発展させていく上では、外交、安全保障と経済を一体として議論していくことが重要になっています。関税に関する日米間の合意の着実な実施に加え、経済安全保障を含む幅広い分野で日米協力を拡大してまいります。  在日米軍の態勢の最適化に向けた取組も進めてまいります。同時に、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指して辺野古移設を進めるなど、沖縄を始めとした地元の負担軽減と米軍の安定的駐留に取り組んでまいります。  自由で開かれたインド太平洋、FOIPを日本外交の柱として、提唱してから十年、この間の時代の変化や新たな課題に対応して、FOIPを戦略的に進化させてまいります。  また、G7、ASEAN、豪州、インド、EU、NATOなどとの協力関係を更に強化し、日米韓、日米豪、日、米、フィリピン、日米豪印を始め、実践的かつ多面的な協力を広げてまいります。  同盟国、同志国とのネットワークを重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、防衛装備品の共同開発や移転を始めとする安全保障分野での協力を、制度面の見直しと並行して、一層強化していく考えです。  さらに、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じる中、国家安全保障会議の下、国家安全保障戦略を始め、三文書の見直しにも取り組んでいきます。  また、一層重要性を増す経済安全保障の課題に対応するため、エネルギー、食料の安定的な確保、重要鉱物を含むサプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応、重要・新興技術の保全、開発促進などに全力で取り組んでまいります。  政府安全保障能力強化支援、OSAや、サイバー安全保障を推進するとともに、関係省庁と連携してインテリジェンス機能の強化に取り組んでまいります。  また、情報セキュリティー基盤を強化するとともに、偽情報の拡散等の外国からの情報操作に対抗すべく、情報収集、分析力及び戦略的対外発信の強化など情報戦対応を進めてまいります。  近隣諸国とは、難しい問題、課題に正面から対応しつつ、安定的な関係を築いてまいります。  まず、中国については、中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していく方針は一貫しています。  その上で、中国との間には、東シナ海や南シナ海における力や威圧による一方的な現状変更の試み、我が国周辺での一連の軍事活動、日本企業等に対する輸出規制等の措置を含め、数多くの懸案や課題が存在しています。台湾海峡の平和と安定も重要です。  特に、尖閣諸島周辺の我が国領海で独自の主張をする中国海警船の活動は、国際法違反であり、認められません。  我が国の平和と安定、尖閣諸島を含む我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、かかる行為に対しては冷静かつ毅然と対応してまいります。  日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要です。我が国としては、中国との様々な対話についてオープンです。こうした姿勢の下、今後も冷静かつ適切に対応してまいります。  韓国は、国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくために、韓国側と引き続き緊密に意思疎通してまいります。  竹島については、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応してまいります。  北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。また、ロ朝の軍事協力は、我が国周辺地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に懸念すべき動向です。  米国、韓国を始めとする国際社会とも協力しながら、関連する安保理決議の完全な履行に向けた取組を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めてまいります。  北朝鮮との間では、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を実現するとの方針に変わりはありません。  先月の日米首脳会談において、高市総理から、拉致問題の即時解決について、引き続きの理解と協力を求め、トランプ大統領から全面的な支持を得ました。拉致問題を一日も早く解決すべく、あらゆる手段を尽くして全力で取り組んでまいります。  日ロ関係は厳しい状況にありますが、北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結することが日本政府の方針です。日ロ両国の間には隣国として解決しなければならない懸案事項が山積しており、適切に意思疎通していく必要があります。  特に、御高齢となられた元島民の皆さんの切実な思いを踏まえ、北方墓参に重点を置いて、ロシア側に対して粘り強く事業の再開を求めてまいります。  また、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、国際社会全体の平和と安定を損ねています。  このような力による一方的な現状変更の試みは決して許すことはできないとの考えに変わりはありません。一日も早く公正かつ永続的な平和を実現することが重要であり、G7を始めとした各国と連携し、今後もウクライナ支援と対ロ制裁を継続してまいります。  イラン情勢については、攻撃の応酬が一か月以上続いています。今何よりも大切なことは、事態の早期鎮静化を図っていくことです。  私としても、事態の発生直後から、米国を含むG7や、イスラエル、イラン、また湾岸諸国の外相等と会談を重ね、日本の立場や考え方を説明し、関係国との意思疎通を継続しています。  邦人の安全の確保、日本関連船舶を含む全ての船舶のホルムズ海峡における航行の安全、エネルギーや重要物資の安定供給の確保、そして国際的な不拡散体制の維持は、我が国にとって極めて重要です。国際社会と連携し、引き続きあらゆる外交努力を行ってまいります。  また、イスラエルとパレスチナをめぐる情勢は、依然として予断を許しません。我が国としては、ガザにおける停戦の維持、人道状況の改善や早期の復旧復興を後押しし、二国家解決の実現に向けて積極的な役割を果たしていく考えです。  国際社会で発言力を強めるグローバルサウスの国々との連携はより重要性を増しています。我が国に対する支援や理解を得るため、戦略的対外発信や文化外交を推進するとともに、ODAやOSAを通じて、相手側のニーズも踏まえたきめ細やかな協力を進めてまいります。  さらに、ODAを戦略的に活用し、経済安全保障等の重要課題にも対応してまいります。  核軍縮・不拡散については、核兵器のない世界に向けて、今月のNPT運用検討会議を含め、NPT体制を維持強化するための具体的で実践的な取組を進めてまいります。  人間の安全保障の理念の下、気候変動、国際保健、自然災害などの地球規模課題が絡み合う複合的危機への対応についての国際協力を進めるとともに、様々な領域でルール形成の議論を主導してまいります。  以上、我が国が直面する諸課題及び取組について所信を申し述べました。  委員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。(拍手)

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