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和田義明 ·自由民主党・無所属の会

衆議院憲法審査会(2026-04-16)での発言

第221回国会 ·第第3号号 ·1,577字
○和田(義)委員 自由民主党の和田義明です。  発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  冒頭の新藤筆頭幹事からの緊急事態条項全般にわたる御発言を受け、また、先ほどの鬼木幹事からの緊急政令制度を設ける必要性などについての御発言を受け、私からは、緊急時において必要な国費の支出その他の財政上の処分を行えるようにするための緊急財政処分制度について、私なりの意見を述べさせていただきたいと思います。  まず、緊急財政処分制度の前提として、憲法七章が定める財政制度の概要について申し述べます。  憲法第八十三条は、国の財政処理には国民の代表機関たる国会の決議が必要であるとし、財政民主主義の原則を示しております。これは財政全般に通ずる基本原則であります。さらに、第八十四条で、租税の賦課、変更は法律によるべきこと、第八十五条で、国費支出、国債発行は国会の決議に基づくこととされております。そして、第八十六条では、国の歳入歳出全てを編入する予算を内閣が作成し、国会が審議、議決する仕組みとなっております。その上で、第八十七条では、予見し難い予算の不足に充てるための予備費制度を設けて、内閣の責任でこれを支出することができるとする一方で、事後の国会承認を必要としております。  これらの規定により、現行憲法では、国民の代表である国会が国の財政を統制する体制が確立されております。すなわち、国が国費の支出その他の財政上の処分を行うためには例外なく予算などの国会の議決が必要であり、その範囲内でのみしか行うことができないということになっております。  平時において、国民の代表機関である国会が国の財政を統制するという憲法上の原則は極めて重要です。しかし、緊急事態に陥り、国会が機能不全に陥った場合、国家はどのように行動することになるのでしょうか。立法機能について言えば、憲法上に緊急政令制度があれば、内閣が政令により法律に代わって必要な措置を講じることができます。  しかし、必要な措置を講じる法的な根拠があったとしても、憲法第七章の規定のとおり、国の活動に必要な国費の支出その他の財政上の処分には予算の裏づけがなければなりません。この対策として予算には予備費が設けられており、予算にない新たな費目への支出の必要が生じたり、金額に不足が生じたりしたときは、予備費が支出できます。しかし、予備費で対応できない支出が必要になれば、本来補正予算を成立させなければなりませんが、国会が機能不全に陥っている状況ではそれもできません。特に、大規模自然災害やパンデミックに即座に対応するためには、大規模で迅速な国費の支出が必要になります。  こうした状況に対応するために必要になるのが緊急財政処分の制度でございます。すなわち、本来、国費の支出など財政上の処分は予算を始めとして国会の議決に基づくことが必要なところ、内閣に臨時に必要な財政上の処分を行う権限を与え、事後的に国会が承認を行うというものであります。  この財政上の処分としては、具体的には、例えば、予算に上げられた金額を超えた国費の支出、予算に上げられていない費目への国費の支出、さらには、その国費の支出に必要となる財源を調達するために予算総則に定める国債発行限度額を超えて起債することなどが挙げられます。  以上のように、いかなる緊急事態においても国民の生命財産を守り抜くために必要な措置の法的根拠となる緊急政令と、そして予算に代わって国費の支出の根拠となる緊急財政処分の制度がセットで必要であります。  本日は私の意見を申し上げましたが、次週、本審査会においてこの緊急財政処分も含めて緊急事態条項をテーマとして集中的に討議を行うことを私からも提案いたします。  以上でございます。

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