○大島委員 御答弁いただいて、誠にありがとうございました。
賃金については、上場企業についてはコーポレートガバナンス・コードによって上がっていくのかなと想定をしております。ただ、中小・小規模企業の賃金は、今、上場企業の皆さんと大きく差がつき始めているという実感を持っています。
政府は、十年間、価格転嫁の問題をずっと取り組んでまいりましたけれども、一部には徐々に価格転嫁は進んできました。地元の会社でも、大手、大きな会社と直接やり取りをしているところは、コストについては人件費も含めて見ていただいているというお話は聞きます。ただ、ティア1からティア2、ティア3、徐々に階層が下ってくると、その受注先、発注元になるのかな、からは、なかなか今でも価格転嫁は難しいという話を聞きまして、やはり全体的な日本の給与を上げるためには価格転嫁についてももう一回踏み込んだ方がよろしいと考えていまして、今日は価格転嫁については質問はしていないんですけれども、私として、次回以降、伺いたい内容を述べていきたいと思っております。
四月三日のコーポレートガバナンス・コード改定案は、取引先と公正、適切な取引、サプライチェーンにおける適正な価格転嫁を含む、を入れております。その上で、単なる理念で終わらせず、取締役会の責任として明確にし、会社の開示項目にも入れて、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象にして、実際に動く仕組みにするべきだと考えております。
そこで、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象として提案したいのは、次の三点です。
一つ目は、上場企業の取締役会の責任として、価格転嫁をはっきり位置づけることです。つまり、下請企業にしわ寄せをしないこと、適正な価格で取引すること、支払い条件を無理のないものにすることを会社の重要な経営課題として取締役会がきちんと考え、方針をつくり、実行状況を確認するようにすべきと考えております。
二つ目は、企業に開示させることです。例えば、価格転嫁に関する方針、社長や取締役会がどこまで関わるのか、取引先と定期的に価格交渉をしているのか、支払い条件は適切か、取引先が困ったときに相談できる窓口があるのか、サプライチェーンの深い層にまでしわ寄せが行かないようにしているのか、こういう点を公表させれば、投資家や社会がその会社を比べられるようになります。
三つ目は、取引先が声を上げやすい仕組みをつくることです。例えば、値上げの相談をしたら取引を減らされるのではないかと下請企業が不安に思うことがあります。そこで、社内の通報制度だけではなく、取引先も相談できる窓口を整え、問題があれば取締役会まで報告させる仕組みにすべきです。
この提案のポイントは、国が価格を決めることではありません。そうではなく、上場企業の経営の在り方を変えて、下請企業に無理を押しつけない仕組みをつくることです。下請企業というワードは今はなくなっているんですけれども、分かりやすく、下請企業というワードを使わせてください。
つまり、ハードローは整ってきたが、経営トップ、取締役会、開示に乗せる回路がまだ弱いという整理です。つまり、主役はあくまでハードローです。
二〇二六年一月一日施行の改正下請法、済みません、正式名称は、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律、略称中小受託取引適正化法、通称取適法は、中小受託事業者の給付に関する費用の変動その他の事情が生じた場合に、同事業者が代金額の協議を求めたにもかかわらず、委託事業者が協議に応じず、又は必要な説明若しくは情報を提供せず、一方的に代金を決定して中小受託事業者の利益を不当に害する行為を禁止しました。
さらに、二〇二六年一月一日付改正の労務費転嫁指針は、経営トップの関与、発注者側からの定期的な協議、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁などを発注者として取るべき行動として明記しています。労務費転嫁指針を知っている事業者の方が価格引上げが実現しやすい傾向も確認されています。
ですから、コード改定の役割は、法執行後、置き換えることではなく、上場企業の経営、開示、投資家対話の回路を価格転嫁に乗せることと考えております。
以上、私の質疑は終わりにします。ありがとうございました。
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