○小川淳也君 中道改革連合代表の小川淳也です。
会派を代表し、高市総理大臣に質問いたします。(拍手)
総理、まずは御就任おめでとうございます。心より敬意と祝意を申し上げます。
先日、総理が施政方針で述べられたとおり、挑戦なき国に未来はありません。守るだけの政治に希望はありません。二十二世紀の日本が平和で豊かであるように。私どもも全く同じ思いです。
是非総理、成長のスイッチを押し続けてください。私たちは、成長に加え、国民生活の底上げのため、暮らしを支えて、支えて、支えて、支えて、支え続けてまいります。共に国のため、国民のため、互いに敬意を払いつつ、正々堂々、切磋琢磨しようではありませんか。
冒頭、私たち中道改革連合がいかなる問題意識と覚悟を持ってこの国会に臨んでいるか、その根幹を申し上げます。
私たちは、政治のど真ん中を歩む、その決意の下に結集しました。この立場は決して生易しい道ではありません。左右双方からの攻撃を覚悟し、それでも立ち位置を変えず、現実から目を背けず、責任を引き受けつつ、あえて困難な真ん中の道を行く、その決意でここに集まったのです。
今日、日本のみならず世界で、左右の極論が勢いを増し、社会の分断を深めています。極論は分かりやすく、単純で、感情に訴えます。複雑な問題に即答があるかのような幻想を振りまき、人々の不安や焦りに寄り添う顔をします。一時的に心を軽くし、ストレスを発散させる錯覚を与える。だからこそ、強い魅力と感染力を持つ。その魔力を私たちは決して過小評価すべきではありません。
しかし、その分かりやすさの先には一体何があるのか。対話の断絶、相互不信、社会の分断、そして最終的には、戦争、内戦、革命といった暴力的な事態。歴史は、嫌というほどその代償を痛ましく見せつけてきたではありませんか。私たちは再び過ちを繰り返すのか。それとも、困難ではあるが理性と対話の道を選ぶのか。日本と世界は今、分岐点に立っています。
だからこそ、私たちは極論と戦います。現実の社会は決して単純ではなく、安易な答えがあるはずがない。分かりにくさに耐え、批判を受け止めるその先にしか、真の平和と安定はない。その確信を持って前に進むのです。
同時に、私たちが示す真ん中の道は、決して狭い道ではありません。中道リベラル、中道保守、穏健保守、そして、特定の支持政党を持たない多くの無党派層の皆様と広く課題認識を共有する、裾野の広い、懐の深い道です。日々、普通に働き、普通に暮らす中から生まれる素朴な疑問や願い、それこそが私たちの原点です。
私たちは、この真ん中の道を進むことで、まず第一に、自由と民主主義を確固たるものとして守り、育み、次世代へと引き継ぎます。
第二に、徹底した平和主義を貫きます。
政治家の仕事を一つ挙げよと言われれば、私は迷わず答えます。戦争をしないことだと。国民を絶対に戦争に巻き込まないことだと。全ての戦争は外交の失敗。平和は武装ではなく対話から訪れ、戦争は武装ではなく対話によって回避される。これを政治の中心に据えてまいります。近年、国民の戦う覚悟、血を流す覚悟といった勇ましい言葉が政治の世界で語られることに強い危惧を覚えます。求められるのは国民の覚悟ではなく、むしろ、国民を戦わせない政治家の覚悟ではありませんか。
第三に、この道は、生活者重視、生活者起点の政策へと続きます。
全ての政策は国民生活に始まり、国民生活に帰着する。政治とは生活であり、暮らしそのもの。経済、財政、外交、安保、全てが、最終的に一人一人の暮らしの安心と生活の質を高めるために存在します。
そして、その全ての土台となるのが、透明性の高い政治です。清潔で信頼に足る政治がなくては、どんなに立派な政策も国民の心には届きません。
以上を踏まえて、総理に質問します。
最初に、この解散の意味と意義については、どうしてもお尋ねせざるを得ません。
選挙は、極寒と物価高の中、強行されました。北国では豪雪で貴い人命を失い、多くの受験生が努力と苦心を重ねた季節です。年度末を前に決算や納税実務に追われる事業者、これら有権者の姿を総理はどの程度想像されたでしょう。だからこそ、四十年近く、歴代の内閣総理大臣は、この時期の解散だけは避けてきた。それが国民生活への最低限の配慮であり、政治の節度だったのではありませんか。
総理は、直前まで、解散を考える余裕はない、一刻も早く政策の果実を国民に届けたいと発言されましたが、結局、この言葉は真実ではありませんでした。
なぜ、今だったのか。国民生活への配慮と逡巡はあったか。なお三年近く残されていた衆議院の任期、そこに託された国民の思いへの敬意と畏敬は、総理の胸中にあったか。
戦後最短と言われる、不意打ち、奇襲、急襲は、健全な民主主義と言えるか。相手に十分な準備期間を、国民に十分な熟慮期間を与えないリーダーの姿を自らどう評価するか。
私か、私以外かと言わんばかりの姿勢は高い支持率を誇示するものと感じましたが、そもそも、選挙は国民の血税によって賄われる国民のためのもの。誰の勝利か以前に、内政から外交まで山積する課題について十分論議を尽くすことで初めて国民にとって意味あるものとなる。その点、総理はどうお考えか。
以上、諸点について、個別に総理の具体的な御認識と信条をお聞かせいただきたいと思います。
官邸には、かつて安倍政権の中枢を担った元官僚が再び要職に復したと聞いております。そして、安倍政権下では、短期の解散・総選挙が繰り返されました。その結果、国民の審判という本来の重みが薄れ、選挙が政権の求心力維持の道具となり、政権延命の手段に変質したとの根強い批判が残っています。
今後も、総理は、支持率の高い局面を狙い、短期解散を繰り返すことで、いわば権力をロンダリングするかの政権運営を行うのでしょうか。内閣不信任案可決の場合を除き、超短期で国政選挙を繰り返す国に、長期的な国益の実現はありません。長期的な政策論争を阻害し、政治不信を深め、民主主義そのものを摩耗させるからです。
総理は、今後も、解散権の行使を、国民のためというより、自らの足下固め、政権延命の道具として、政治的、戦略的カードとして用いるおつもりですか。答弁を求めます。
ここで、野党各党の皆様にも、あえて呼びかけたいことがあります。
戦後日本において、自民党を中心とする政権が過半数割れに追い込まれた例は、数えるほどしかありません。その希少な局面が、僅か一年前でした。
その際、各党にはそれぞれ実現したい政策があり、個別の条件闘争に入られました。結果、一定の成果を得たことも事実であり、その努力に深く敬意を表します。
しかし、どうでしょう。あのときもし野党の足並みがそろっていれば、政権交代でした。果たして、そこから得られた全体成果は、個別の成果をはるかに上回るものとなった可能性はないでしょうか。
自民党が過半数を割るも、野党の足並みが乱れ、僅か一年で三百超の議席を奪い返された。この劇的な再逆転劇の陰の主役は、実は我々野党。裏からいえば、それだけ自民党は強く、したたかだということです。
しかし、我が国には、定期的な政権交代が必要です。それによる政治の浄化と政策の軌道修正こそが日本の長期的な繁栄につながる、私はそう確信します。
我々野党もまた、国のため、国民のために、よりしたたかに、より強く、より賢くあらねばならない。今回の事態はそのための、痛みを伴う、しかし、極めて重い教訓とすべき。そのことを今後の日本の民主主義のために強く訴え、呼びかけたいと思います。
さて、総理、巨大与党となった今、今後の国会運営はどうされるのでしょうか。
確かに、数は力です。しかし、数は正しさを意味しません。多数は正しさと同義でなく、それを保証するものでもありません。勝った五十一が残りの四十九を背負うのがまさに民主主義の根幹。どうかそのことを心に刻み、謙虚かつ丁寧な国会運営をお願いしたいと思います。
野党、そしてその背後にある数千万人の国民の声を今後も謙虚に、丁寧に受け止めていただきたいと願い、総理の御決意を求めます。
関連してお聞きします。
今回の異例の解散は、国民生活への影響に配慮し、当然、暫定予算によって新年度当初をしのぐ決意を伴うものと私は受け止めておりました。
新年度の予算や税制の早期成立に可能な限り協力し、国民生活の安定を願う気持ちは、私どもも全く同様です。しかし、当然、過去最大規模となる国民の税金の使い道を決める予算審議は、従来にも増して丁寧かつ慎重に行わなければなりません。
さらに、国会とは、異論に耳を傾け、十分な審議を尽くす場であるという民主主義の基本と作法を後世に引き継ぐ責任もあります。国会は、国権の最高機関であり、政府の下請機関ではありません。その機能と品位を、時代を超え、世代を超えて守り、引き継ぐ責任は、与野党双方にひとしく課せられているのです。
総理に伺います。国民から預かる大切な税金の使い道を審議する国会の重要性に鑑み、必要な審議を省略してまで、何が何でも年度内成立に固執することはない。その点、明確にお聞かせいただきたいと思います。
その上で、私から具体的な提案があります。
通常、暫定予算は必要最小限の経費に限られます。しかし、今回、例えば学校給食費の負担軽減や高校無償化など、党派的対立が少なく、本予算の成立を待てば国民生活に重大な支障を来しかねないものについて、四、五、二か月分を暫定予算として組み込んではいかがでしょう。
私たちは、こうした従来の枠を超える暫定予算の策定を積極的に肯定します。速やかな審議と採決環境の整備についても、全面的に協力することをここに明言します。
その上で、内政、外交全般にわたり、国家的見地から賛否が分かれる本予算案については、従前以上に十分な審議を尽くすべきです。
暫定予算の在り方を含め、謙虚かつ丁寧な国会運営に関し、重ねて総理の答弁を求めます。
次に、責任ある積極財政について伺います。
総理は、政府債務を対名目GDP比で管理すると主張しています。確かに、政府債務は政府のコントロール下にあります。しかし、名目GDPは政府のコントロール下にありません。
政府が管理できるものと管理できないものを対比し、その比率をコントロールするという考え方自体、本当に責任ある態度と言えるでしょうか。まず、この点、端的にお答えください。
だからこそ、歴代政権は、誠実に、政府のコントロール下にある基礎的財政収支を指標とし、その改善に責任を持とうと、少なくとも努力してきたのではありませんか。
責任ある積極財政とは、そもそも責任ある財政政策と言えるのか。円安や長期金利の上昇など、マーケットからの警鐘の受け止めを含め、総理の御認識を伺います。
総理の施政方針演説からは、成長や供給サイドに関する熱意は感じられました。これももちろん重要です。一方、今の政治が最優先で向き合うべきは、今日の暮らし、今月をどうしのぐかという、より切迫した国民生活の実態ではないでしょうか。
物価高の中、実質賃金は下がり続けています。先進国では極めて異例であり、国民は年々貧しくなっているのです。スーパーで値札を見比べ、買うことをためらう姿、給与明細を前にしたため息、こうした国民生活の不安と切なさに総理はどう応えますか。
物価は上がるのに、賃金は追いつかない。このゆがんだ構造は、どこから生じ、誰の責任で、今後どうなっていくのか。総理の基本認識を伺います。
加えて、数十年にわたり国民生活が貧しくなり続け、悪化し続けている根本原因に関する総理のお考えをお聞かせください。
その上で伺います。雇用と賃金への不安が強い中、総理は誰のどんな声を基に裁量労働制を見直すのでしょうか。どのような方針で見直すかを含め、具体的な答弁を求めます。
いわゆる百三万円の壁の引上げも大事です。しかし、就労抑制の観点からいえば、より深刻なのは社会保険料の百三十万円の壁です。これに対し、どのような抜本的対策を講じるのか、併せて伺います。
食料品の消費減税について伺います。
総理は演説で、実現に向け、諸課題の検討を加速すると述べました。これは、やると決めた上での発言か、まだ決めていないのか、まず明確にしてください。
野党の協力がなければ、夏の取りまとめや法案提出は行わない、つまり、やらない可能性が残り、その責任は野党にあるという理解ですか。巨大与党となった今、総理御自身がまずは実施に責任を持つべきではありませんか。財源をどうするのかと併せて、総理のお考えをお聞きします。
総理は、外為特会は円安でほくほくと発言されました。円安は物価高となって国民生活を直撃しています。苦しい国民生活を前に、政府の特別会計がほくほくであるという発言自体、国民生活への想像と共感を欠く不適切なものではありませんか。答弁を求めます。
関連して、総理が提唱する超党派国民会議について伺います。
昨年、与党が過半数割れする中、その開催が約束されました。しかし、国会は一切の議論なく初日に解散。その信義則は一方的に裏切られ、その後誕生したのが巨大与党です。
まずは与党自らが諸課題を整理し、国会に堂々と提案し、完全公開の場で議論するのが常道ではありませんか。今なぜ、消費税減税等に関して、なお国民会議なのか、その意図を説明してください。
仮に、やったふり、責任転嫁の国民会議であれば、私は賛同しかねます。一方、明確な決意と財源、そして真摯な協力要請があれば、党派を超えて応ずる責任も感じています。
総理に伺います。状況が一変し、信義則が破られ、それでも総理が国民会議設置に本気なら、是非、党首会談を呼びかけてください。互いに膝突き合わせ、目を見据えて、国民のために話し合おうではありませんか。総理のお考えをお聞きします。
私からも逆提案があります。仮に国民会議を設けるなら、併せて国会の現代化を議論したいのです。審議の態様、日程管理、デジタル化などを含め、今の時代、そして未来にふさわしい、効率的で機能する国会へと変革しようではありませんか。国会改革のための超党派の第二の国民会議設置についてどう思われるか、総理のお考えをお聞きします。
外交、安全保障政策について伺います。
まず、安保三文書についてです。
戦後、日本の信頼は、平和の理念と専守防衛によって築かれてまいりました。この大前提を踏まえた上で、あえて非核三原則を見直す可能性はあるか。また、連立相手たる維新が主張する核共有、憲法九条二項の削除を政府として検討する余地があるのか、お聞きします。
さらに、原子力潜水艦の保有論議、防衛装備移転三原則運用指針五類型の見直しについてはどのような理念と方針で検討されるのか。加えて、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を通じた核廃絶についてどう考えるか、総理の基本的なお立場をお聞かせください。
政府高官が、非公式の場とはいえ、日本は核武装すべきと発言したと報じられました。この人物は現在も官邸で安全保障や核不拡散を担当していますか。それは適切なことですか。更迭の要否を含め、総理の見解を伺います。
対米外交について伺います。
トランプ氏は既に力による平和へと米国の姿勢を大きく変質させつつあり、私は強い懸念を抱いています。総理はこの変化をどう認識していますか。三月の訪米の際、法の支配に基づく国際秩序の支持と回復、並びに一昨日突如報じられた追加関税対策を含め、トランプ氏に強く明確な意思表示をすべきと考えますが、総理の答弁を求めます。
日中関係についてお聞きします。
存立危機事態をめぐる総理の発言を機に関係は急速に冷え込み、産業、貿易、観光、民間交流等に深刻な影響が出ています。中国側の過剰反応に自制を求めつつ、日中間の基本合意を改めて確認し、緊張緩和に努めるお考えはありませんか。総理のお考えをお聞きします。
防衛費について伺います。
防衛費は既にGDP比二%、十一兆円に達しました。そのための所得増税が来年からスタートします。今後これを更に拡大する可能性はあるのか。その財源はどうするのか。どこまでは抑止力の強化で、どこからは緊張の激化なのか。その線引きも含め、総理の見解を伺います。
国家情報局の設置について伺います。
情報機能の強化自体を否定しません。しかし、情報収集、分析の対象範囲をどうするか。権限の中身、収集した情報の政治利用の危険性等、重大な懸念点もあります。これらに関する現時点の総理のお考えをお聞かせください。
スパイ防止法について伺います。
その必要性を一定理解するにしても、定義の曖昧さや運用次第で、逆に国民の相互不信や相互監視、密告社会の到来など、人権侵害の危険性が強く危惧されます。極めて慎重な立場から、総理のお考えをお聞きします。
エネルギー政策について伺います。
我が党は、エネルギーの安定供給を重視する立場から、厳格な審査と避難計画を含む安全管理の徹底を前提に、原子力発電所の慎重な再稼働をやむなしとする立場です。一方、新増設を含め、将来にわたって原子力や化石燃料への依存を固定化した社会を次世代に引き継ぐことは無責任と考えます。
最終的には、再エネを中心にエネルギーの国産化へと明確にかじを切るべきです。エネルギー自給国はもちろん、世界第六位の広大な海洋面積を生かす浮体式洋上風力、総理も言及されたペロブスカイト太陽電池など、日本の強みを存分に発揮すれば、将来的にエネルギー輸出国すら視野に入ると私は考えますが、総理のお考えをお聞きします。
憲法と立憲主義について伺います。
権力が強大になればなるほど憲法は国民の側に立つ、私はそう考えます。憲法は、国家権力の無制限な拡張を予定しておらず、むしろ立憲主義の理念に基づき権力を監視し、抑制する装置でもあり、かつ国の最高法規です。巨大与党が誕生した今こそ、その重みはかつてなく増しています。
私は、観念的、イデオロギー的、あるいは歴史修正主義的改憲論とは一線を画します。憲法もまた法規。最高法規であっても法規である以上、改正論議は、実務的、実際的、なおかつ冷静で客観的なものでなければなりません。
この立場からすれば、改憲論は常に具体的でなければならず、どこにどんな不具合があり、どの条文をどう改めれば何がどのように改善されるのか、その成果とリスクをどう見極め、反対意見や慎重論にどう丁寧に向き合うのか、その検証過程が極めて重要です。
例えば、内閣の解散権の制約、また、法律論で十分ですが、あえて一層明確化する観点から、婚姻に関する規定、さらに衆参の定数配分や合区の見直しなど、国民の権利を高める議論には大いに賛成です。
一方、総理が想定する改憲論の中身はどんなものですか。どんな事情に基づき、どの条文を、どのように改めるのか。期待される成果やリスク、反対意見や慎重論にどう向き合うのか。その上で、いつ改憲発議することを目指すのか。現時点で、自民党総裁として、具体的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
総理の施政方針演説では、患者さんにとって極めて負担の重い高額療養費の自己負担限度額の引上げ、そして選択的夫婦別姓については一言も触れられませんでした。国民生活や人権に直結する大事な問題ですので、総理のお考えをお聞きします。
政治改革について伺います。国民の不安や閉塞感の背景には、経済社会の行き詰まりだけでなく、深刻な政治不信があります。
まず、衆議院の定数削減について伺います。
私たちは定数削減そのものを否定しません。しかし、定数は議会制民主主義の根幹です。結論ありき、削減ありきの数合わせは厳に慎むべきです。大事なことは、多様な民意をいかに反映するか、そして、少数政党も含め、選挙制度改革と一体かつ丁寧な合意形成です。少なくとも、今回、一年で結論が出なければ自動削減、比例定数のみ削減といった乱暴な手法は取らない、この点をこの場で明確にお約束ください。
いわゆる裏金問題についてお聞きします。
今回の総選挙で、裏金に関与した議員が相次いで復活し、党幹部にまで名を連ねたことに強い違和感を抱いています。率直に伺います。裏金問題は解決したのか。なかったことにするおつもりですか。お答えください。
総理に要請します。裏金に関与した議員には、政治資金収支報告書の実質的かつ正確な訂正を指示してください。金額は分かるが使途不明といった形式的修正では不十分です。その結果を調査し、国民に報告すべきです。さらに、実質的な訂正が不可能な場合には、これを個人所得とみなし、課税対象として、修正申告、延滞税、加算税を含む追徴納税を行わせてください。総理の覚悟をお聞きし、答弁を求めます。
企業献金について伺います。
長年、政治不信の温床となってきたこの問題に今こそ決着をつけようではありませんか。全面禁止を理想としつつ、まずは受け手の限定、寄附限度額の引下げなど、規制強化の断行について、総理の答弁を求めます。
残念ながら、総理御自身にまつわる疑惑についてもお聞きせざるを得ません。
まず、総理が支部長を務める政党支部が政治資金規正法の上限を超える企業献金を受けていた問題です。これはどのような経過で起きた問題ですか。また、旧統一教会関係者によるパーティー券購入について、実際に購入があったにもかかわらず、当時の自民党調査や報道機関の調査に対し、総理がこれを秘匿し、正直に答えなかった疑惑が指摘されています。さらに、パーティーの売上収入を寄附と偽り、購入者の寄附金控除に便宜を図った疑いも持たれています。仮にこれが事実であれば、脱税への加担すら疑われかねない重大な事態です。
一連の疑惑の責任について総理はどう認識しておられるか。総理御自身がその事実を知っていたのか、知らなかったのか。また、御自身及び事務所関係者の責任の所在、処分の有無等について、具体的にお答えいただきたいと思います。
最後に、総理の過去の政策や政治姿勢を記したコラムが公式サイトから全面削除されたとの報道がありますが、これは事実ですか。事実であれば、なぜなのか。過去の言動は、政治家としての一貫性や責任を検証する素材として重要な資料です。その事実関係と理由の説明を求めます。
改めて総理に伺いたいと思います。
総理の言う強くて豊かな日本とは、どのような日本ですか。総理の演説から受けた私の印象は、数字としてのGDP、防衛力、そして国家の威信といった類いのものです。それらも当然重要です。しかし、それだけで日本は本当に強い国と言えるでしょうか。
私が目指すのは、強い国家だけではありません。そこに暮らす一人一人の国民が安心して暮らし、将来に希望を持てる社会。すなわち、国民生活に強さがある国こそが真の強い国家である、私はそう確信します。
かねてより私は、我が国を福祉国家としてよみがえらせたい、そう願ってまいりました。ただ弱者を守るだけでなく、社会の活力につながる福祉国家、すなわち競争力のある福祉国家です。そういう国へと日本を生まれ変わらせたいと願っています。
近く本格的な議論を開始しますが、その中で、人口減少が続く中、健全な経済と地域社会を維持していく決意です。少子高齢化の時代に、社会保障制度を再設計し、過重な現役世代の負担を減らすとともに、高齢者の安心と、世代間の不均衡の是正を両立してまいります。正規と非正規に分断された雇用を、フェアで信頼し合えるものに改めます。同時に、労働力不足の時代に、AIやロボットへの投資を通じて生産性を高めてまいります。莫大な財政赤字と長年の金融政策で失われた円の価値と信認を回復してまいります。
そして、食料とエネルギーの輸入依存を改め、国家の基盤たるこれらを国産化していく決意です。毎年輸入している食料や燃料は、実に三十兆円以上。海外に流出しているこの国富を国内に循環させれば、直ちに最大の経済対策となり、直ちに最大の社会政策となるでしょう。
競争力ある福祉国家、その理念と理想を実現することを目指して、近く具体的なプランを示し、党内外に向けて発信し、国民的論議に付す覚悟です。
やがて、世界の国々が日本と同じ高齢化と人口減に直面します。例外なくです。そのとき、もがき、苦しみ、世界に先んじて変貌を遂げた日本が必ず世界の光となります。課題先進国として苦しみ続けた日本が世界に先駆けて変革を遂げる。競争力ある福祉国家という新たな概念が、世界の模範となり、手本となり、モデルとなり、希望となる。それが私の夢であり、私は、その日が来ることを信じて疑いません。
だからこそ、私たちはこれからも、分断でも極論でもなく、迎合でも妥協でもなく、求められる正道、王道、道のど真ん中を、力強く、したたかに、そして温かく歩み続けようではありませんか。
その決意を改めて申し上げ、最後に、総理、総理は史上初の女性総理です。現行憲法下はもとより、近代国家になって以降、もっと言えば古来まで遡っても、女性が我が国のリーダーであったことは極めてまれです。だからこそ歴史的な出来事であり、今後はこれをむしろ普通のことにしていかなければならない、そう感じています。
しかし、総理には、だからこその未知の可能性と、だからこその想像を絶する御苦心がおありではないかと推察をいたします。日々の激務、御精励に改めて深く敬意を表し、どうぞ心身の健康に留意をされ、国のため、国民のために一層の御奮闘をいただくことを心よりお祈りを申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
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