○伊佐進一君 中道改革連合・無所属の伊佐進一です。
提出者を代表し、中道改革連合・無所属、参政党、チームみらい、日本共産党提出の予算委員長坂本哲志君解任決議案について、提案の趣旨を説明いたします。(拍手)
主文、
予算委員長坂本哲志君を解任する。
以上であります。
以下、その理由を申し述べます。
高市総理が異例の一月の解散・総選挙に踏み切った当時から、私たちは、予算の年度内成立を困難にし、国民生活に深刻な影響を与えることを再三指摘してまいりました。
その後、現に国会召集日は大幅にずれ込み、予算審議が始まったのは、年度末まで僅か一か月しかない状況でありました。
それでもなお、私たち野党は、国民生活に支障が生じないよう、暫定予算に政策的経費を柔軟に盛り込むことも含めて、必要不可欠な暫定予算及び関連法案の年度内成立に協力する姿勢を一貫させてまいりました。
と同時に、私たちは、過去最大の百二十二兆円規模、国民一人当たり百万円ものお金の使い道を決める令和八年度総予算をしっかり審議するという、立法府としての当然の責務を果たすために努力し、そして、与野党間の合意に基づく円滑な審議を目指し、真摯に取り組んでまいりました。
過去最大規模となった令和八年度総予算案は、内外の諸課題が山積している中において、与野党間で丁寧な審議を行うべきです。
しかし、予算委員長の坂本哲志君は、与野党間の合意形成を得ることなく、数の力に任せて、一方的に、数々の日程を自らの職権で強硬に進めてこられました。与党の意のままに、九つもの日程を委員長の職権で立て続け、総理が出席する集中審議を大幅に省略し、きめ細かい質疑を通じて予算案の詳細な審議に資する分科会を一度も開かず、昨年九十二時間あった対政府質疑を僅か五十九時間で打ち切り、過去、例を見ないほど審議を短縮されました。
与野党を超え、この議場に集う私たち一人一人は、国民の皆様から負託を受けた立場です。その私たち立法府から行政府に対する議論や審議の機会を大幅に制限することは、立法府の使命をないがしろにし、民主主義の根幹を大きく揺るがすものです。
民意を反映する予算審議の空洞化とも言えるこの状況を招いた責任は極めて重く、委員会運営を強行する坂本哲志君は、予算委員長の任にあらず、解任されるべきです。
なぜ、予算の国会審議が重要か。
国民の皆さんが多様な価値観を持たれている中、意見は一つではありません。多様な価値観、多様な意見をぶつけ合って、国民の皆様からいただいた税金の使い道を決めていく、これが財政民主主義です。政府の出した予算が必ずしも最善のものとは限りません。各党各会派の議員が、多様な国民の皆様の価値観を受け、そして国民の皆様の置かれた環境に触れ、それぞれの立場で議論を深めていくからこそ、よりよい予算にできるのです。
予算の審議時間が十分に確保されないということは、それだけ現場の多様な意見が盛り込まれないということです。一部の、又は偏った意見だけが予算や法律に反映されるということです。
以下、今回の予算審議を通じて、具体的な事例をお示しいたします。
イラン情勢に伴い、原油価格は高騰しており、一時、一バレル百十九ドルまでとなりました。一バレル百ドルを超えると、日本のガソリン価格はリッター二百二十円、二百三十円となるとも言われております。そして、エネルギー価格の高騰が要因となり、今後、様々な物価高へと続いていくというふうに思われます。しかし、現在の令和八年度予算案は、昨年の夏から年末にかけて編成を行ったものであり、現下の差し迫った状況に対応したものとは言えません。
こうした物価高騰にどう対応していくのか。私たち中道は、予算の組替え動議を提出し、燃油価格の引下げや補助、電気・ガス料金の引下げ、農業用燃料や肥料、飼料、漁業用燃料などの価格の引下げに必要な一・六兆円の予算を措置するよう提案いたします。
現在、高市総理が打ち出した燃油価格高騰への対策は、僅か二千八百億円の基金の活用のみでした。予算委員会においても、経済産業大臣からは、あくまで年度内の措置であり、これがどれくらいもつか、一か月、二か月もつかは分からないという発言がありました。百七十円で市場価格を抑えるような支援と伺っておりますが、今後、ガソリンが二百円を超えてこようという現状においては、必要な財源として全く足りていない状況です。
また、総理は、現状の物価高対策についても、昨年の補正予算で必要な対応は十分措置している、まだこれから執行するものもあるという答弁をされておられました。しかし、総理は本当に、国民の皆様が、現状、物価高対策は十分だと感じられているとお思いでしょうか。
昨年の補正で措置したことは、この三月で終わる電気・ガス料金の支援と、ガソリン暫定税率の廃止につなぐ年末までの支援、そして、現金給付は子供限定への支援のみでした。
今後、原油高に伴う輸送費等への影響によって、ますます物価高騰は拍車がかかる可能性があります。年末には予想もしなかったこうした事態に対応するために、燃油への支援以外の国民生活を支える様々な支援策も必要なのではないでしょうか。現状の令和八年度予算案には、こうした措置が盛り込まれておりません。
総理は、事態の推移を見守りながら、何が必要になるかを見極めて対応するといった答弁をなされておりますが、必要になってから補正予算を編成して、国会で審議をし、成立させるのでは、何か月も先になってしまいます。今まさしく予算の審議をしているのであれば、物価高から国民生活を守る措置について、しっかりと議論をして盛り込んでいくべきです。そのために国会があるのです。
こうした審議が十分になされないままに予算委員会を終結させるような委員会運びは、国民生活にとってマイナスでしかありません。
例えば、防衛力強化のための予算の財源もそうでした。日本の置かれた現在の安全保障環境を考えると、抑止力の維持強化は重要です。令和五年から九年までに措置するとされた四十三兆円の中身について、私たちは反対するものではありません。しかし、そのための財源として、国民生活が物価高で苦しんでいる中、所得税を増税することには反対です。
令和四年度の与党税調において、防衛力強化の財源として、たばこ税、法人税、所得税と大枠が示されました。しかし、当時から、与党としても所得税に踏み込むことは慎重であって、昨年末まで決定に至ることはありませんでした。
その間、政府からの答弁でもありましたように、法人増税とたばこ増税で既に、必要な一兆円強の財源は賄える状況となりました。その上で、所得税を増税する必要がどこにあるんでしょうか。法人税も過去最高の税収となって、インフレ経済の下で、今後も税収は右肩上がりで伸びていくということが見込まれております。そうした中で、物価高に苦しむ働く世代の所得税を増税することは、私たちは許容できません。
政府は、安保三文書の改定において、新たに必要な装備も出てくるから所得税増税が必要だといった趣旨の答弁を繰り返しておられました。新たに必要な装備があるなら、それを具体的に示した上で、いま一度予算を組み直して予算審議に当たるべきではないでしょうか。
本件は福島の復興とも密接に関連しております。福島の復興のために必要な財源として、復興特別所得税を削り、その分、課税期間を二〇四七年まで十年間延長するとしています。
しかし、復興予算の財源の考え方は、当初、今いる世代みんなで復興の負担を分かち合うということでした。将来世代に負担を残さないということでした。二〇四七年まで復興税を課すことは、当初のこうした理念を踏みにじるものであります。
例えば、私の娘は、震災の後、二〇一二年に生まれました。この娘が、二〇四七年、三十五歳になるまで復興税を払い続けることになります。今を生きる私たちの世代で被災地の復興を助け合うという理念は一体どこに行ったのでしょうか。
また、復興特別所得税は、既に発行している復興債への償還に使われます。このインフレ経済下において、金利の上昇が見込まれる中、償還期間が延びることによって、金利負担は将来世代の所得を更に削ることにつながりかねません。
こうした様々な懸念点について政府に指摘をさせていただきましたが、まだ十分な回答が得られておりません。予算委員会において、委員長の公平公正な御判断の下で、より多くの審議時間をかけて、もっと審議を深めていくべきだったと申し上げます。これも審議時間が足りていない理由です。
高市総理の推し進める責任ある積極財政についても、まだまだ論点が残されたままです。
世界のマーケットが日本の経済、財政をどのような目で見ているかを常に注視する必要があります。高市総理が就任され、過去最大の百二十二兆円の予算を編成され、また、十分な審議のないままに衆議院を通過させようとする今のこの国会の姿勢が世界にはどう映っているのか。高市総理の就任後、事実関係だけを申し上げれば、残念ながら、国債の価格は五・一%下落し、円は七・〇%円安に振れております。
そんな中、特例公債法も予算委員会で議論になりました。これは、財政法四条に制限されている特例公債の発行を政府に授権する法律です。本来、国の予算は税収の範囲内で編成されるものであって、国債や借入金を財源にしてはならないというふうに財政法四条では規定をされています。その特例として、特例公債法を制定し、例外的に公債発行を可能としております。
今国会で審議されている特例公債法については、これまで同様、五年間にわたって公債発行の権限を政府に授権するものとなっております。しかし、日本の財政に対する信頼が揺らぎつつある現状においては、今までのデフレ経済のときと同じように五年間の国債発行権限をそのまま政府に与えていいのかどうか、これが大きな議論となりました。この点は、予算審議と密接に絡む重要な議論であります。
高市総理は、本件に対して、五年間の授権は民主党政権下の民主、自民、公明で合意した内容が基になっていること、そして、今回は第五条として行財政改革の徹底を加えたことで対応をきちんと行っていると答弁されました。
しかし、民主、自民、公明が合意を結んだのは平成二十四年で、当時と今とは、日本の経済財政状況は全く異なっております。経済指標などに見られるように、世界のマーケットから日本が今どう見られているかということについて、もっと正面から問い直すべきです。
逆説的に言えば、これまでの累次の改正でも加えてこなかった第五条の行財政改革の徹底というものを政府案に書き込んだということ自体が、実は政府も、これまでと同じ路線の延長ではいけないのではないかという危機感の表れだというふうに認識をしております。それであるなら、五年間、公債発行の権利を政府に預けっ放しにするのではなく、毎年、国会が国民の代表としてチェック機能を働かせていくことを担保する方が、よほどマーケットに対する確たるメッセージになるのではないでしょうか。
また、行財政改革あるいは租特や補助金の適正化についても、残念ながら具体的な中身は示されないままでした。
例えば、法人税に適用されております租税特別措置、令和六年度における減収額は三兆円程度と言われております。その中身は、中小企業の法人税を一九%から一五%まで軽減する措置などでありまして、この軽減税率だけで租特の半分以上を占めております。中小企業の現在直面するこの厳しい経済状況の中では、これらを見直すことは、この議場の多くの皆さんから見ても、恐らく同意を得られるものではないと思っております。
こうした中で、教育の無償化と、そしてガソリン、軽油の暫定税率の廃止において、租特の見直しが行われました。その内容は、投資促進税制などから一・二兆円を捻出するというものでした。三兆円しか減収枠のない租特から、既に一・二兆円も絞っております。それ以上どうやって財源を出していくのか、特例公債法五条に書かれています行財政改革あるいは租特の適正化についてはかけ声倒れにならないのか、そこについても具体的な議論は収束しておりません。
更に言えば、五年間という授権期間の根拠も明確には示されておりません。
当初、二〇一二年から二〇一五年という四年間にわたる授権期間の根拠は、プライマリーバランス、PBを半減するという目標の区切りが二〇一五年だったからなんです。二〇一六年からは、二〇二〇年にPBを黒字化するという目標が掲げられたので、五年間の授権になったんです。二〇二一年からも同様、五年後のPB黒字化を目標に掲げたから、こうした授権期間になりました。
しかし、高市政権では、PB、プライマリーバランスというフローの指標から、債務残高対GDP比とストックの指標に移行しようとしております。その中で掲げた政府目標は、経済・財政新生計画の計画期間を通じて債務残高対GDP比を安定的に引き下げるというものであって、この計画期間が単に二〇三〇年までというだけでありまして、これまでの期限つきの目標とは全く意味合いが異なります。
だから、なぜ五年間の授権期間なのか、ここについても、結局、議論は結論を得られておりません。
高市総理が、責任ある積極財政、一方で、財政規律も重視されるというのであれば、具体的にどのような形で進めていかれるのか、これらについて、国民の皆様、またマーケットに対しても、分かりやすい形で総理から説明をいただく議論がまだまだ必要でした。これも審議時間が足らない理由であります。
外交、安全保障についても、大局観に立った議論が深まらないままでした。米国やイスラエルのイランへの攻撃が、国際法上、どのような性質なものであったのか、高市総理はその法的評価を避けました。
本来、日本が同盟国である米国とどのような行動を取り得るのか、あるいは、機雷が敷設された場合の対応はどうするのか、ペルシャ湾に閉じ込められている日本船籍のタンカーをどういった形で支援できるのか、こうした一つ一つの決定の前提になるのが今回の事象に対する法的評価であるはずです。
ところが、高市総理は、まずはトランプ大統領と会って米国の意見を聞かないととお茶を濁したままでした。もしそうであるなら、本日、強硬に衆議院を通過させるのではなくて、トランプ大統領と会談された後、外交、安全保障をテーマに集中審議を行うべきだったのではないでしょうか。
今、何よりも重要なことは、一刻も早く戦争を終結させ、犠牲者をこれ以上増やさないことです。そして、国際社会や我が国への影響を最小限に抑えることです。そのための取組として、日本政府としても、当事者や周辺諸国への働きかけは重要なこととなります。
政府がこれまで行ってきた働きかけとして、イランに早期の鎮静化を申し入れたと報道されておりました。予算委員会で同僚議員から総理に確認をしたところ、先制攻撃をしかけた米国に対してはこうした働きかけはなく、あくまで、たまたま予定されていたG7という多国間の会合で翌日に話し合ったのみだったということが分かりました。
幾ら日米同盟が重要といえど、先制攻撃をした米国には一言もいさめることなく、攻撃された側にのみ鎮静化を要求することは、日本として本当に正しい対応なんでしょうか。
我が国とイランは、歴史的に見ても長い交流の歴史があります。先進国の中でも、日本は重要なパイプ役となり得ます。
戦後、海外の石油会社が暴利を貪る中、出光興産の創業者、出光佐三さんは、載貨重量一万八千トンのタンカー、日章丸を建造しました。イギリスからの不当な支配を受けていたイランは、それに反発し、独立の象徴として石油事業の国有化を宣言。対してイギリスは、ペルシャ湾に艦隊を送って海上を封鎖し、イランが石油の輸出をできないように対抗措置を取りました。イランは石油を買ってほしいという要請を各国に送りますが、戦勝国であるイギリスが関わっていることから、どの会社もそれに応えませんでした。
ところが、イギリスのこのやり方に憤った出光佐三さんは、イランに日章丸を向かわせました。イラン経済が干上がる寸前に、日章丸はイギリスの包囲網をかいくぐり、イランに到着、ガソリンと軽油を大量に買い付けました。
当時、イラン国民は、日章丸を大歓迎で迎えたそうです。敗戦で自信を失っていた日本国民も、戦勝国イギリスを敵に回してのこの出来事に強く勇気づけられたそうです。また、イランも、日本のこの勇敢な行動に終始感謝を忘れなかったといいます。
近年であれば、イランのアラグチ外相は、かつて駐日本イラン大使であられました。震災の中で各国大使が日本を離れる中、日本に残り続けて炊き出しのボランティアを行ってくださったということも広く知られております。アラグチ外相は当時、困ったときに助けられるのが本当の友人だと、その後の取材に応じておられました。
こうしてイランと独自の歴史を築いてきた我が国が現在の世界情勢において果たすべき役割は大きいと思われます。しかし、残念ながら、外交、安全保障をテーマとした集中審議は一度も開かれませんでした。立法府として、混迷を極める世界情勢の中で日本のかじ取りをどう進めていくのか、本来であればもっと充実した審議が必要だったと思います。これも審議時間が足らない理由です。
審議時間が足りない数々の理由がある中で、総理はなぜ年度内の予算通過にこだわるのでしょうか。国民生活に不安を与えないためとおっしゃっておりますが、私たちは、そのための暫定予算の編成には全面的に協力すると再三再四申し上げてまいりました。
暫定予算とは、予算成立が年度を越したとしても国民生活に影響を与えないために通常取られる措置であります。これまでも三十回以上編成されたことがあります。安倍政権のときにも二回暫定予算が組まれております。
今回の予算委員会の審議においては、暫定予算を組むことによって国民生活に支障を来したことは今まであったんでしょうかという我が党の議員の予算委員会での問いかけに対して、財務大臣からは、近年において暫定予算の成立もありましたけれども、その一番最近のものについて、そういう支障があったということは私も聞いていないし、そういう認識をしておりますという見解を述べておられました。暫定予算を組んでも、国民生活に支障は来さないんです。なぜ暫定予算では駄目なんでしょうか。
本予算は、過去最高の百二十二兆円の予算です。本来であれば、例年以上の時間をかけて、これまで述べた観点も含めて、丁寧に審議を進める必要がありました。にもかかわらず、今回の審議時間は過去二十年間で最低の五十九時間。こうした事態は、それぞれの民意を得て選ばれた国民の代表たる立法府の議員として、与野党を超えて看過できない状況であるはずです。予算委員長の責任は重大です。
審議時間の短さもさることながら、今国会においては、とりわけ総理が出席する回数も限られておりました。国民の皆さんがテレビで国会中継を御覧になると、常に総理が出席されているように思われるかもしれませんが、逆に、総理が出席するときは常に国会中継がなされているということであって、例えば、今回総理が出席したのは、基本的質疑の三日間と集中審議の一日半のみです。
各大臣への質問は、国会会期中、それぞれの所管委員会が定期的に開催されているため、一定の質問の機会が確保されております。一方で、立法府の議員が行政府の長である総理に対して質問ができるのは、基本的には予算委員会くらいしかありません。
国会の議論において、総理にしか答えられない質問もあります。例えば、省庁をまたぐ内容のテーマであったりとか、総理の決断が求められるテーマであったり。
例えば、今回でいいますと、総理の提案によって進めようとしている責任ある積極財政の本質については、総理しかお答えできないでしょう。外交であれば、来週にも予定されているトランプ大統領との会談で、日本としてどのような対応で臨むのかということは、まさしく行政のトップである総理の判断です。
通常は四日から五日設けられる集中審議は、こうした総理と議論ができる重要な機会のはずでした。今回の予算委員会では、一・五日と極端に限定されてしまいました。これでは、立法府において、我が国の方向性に関わるような大きな議論が十分にできません。
また、例年では考えられないことですが、予算案を作成して政府に提出した当事者である財務大臣が委員会審議に出席しないこともありました。省庁別審査はあくまで一般質疑の一環にもかかわらず、財務大臣不在のまま審議がなされました。これらも、与野党の合意形成を行わないまま、委員長の職権で立てられたものでありました。
予算委員会の運営については、質疑に関係のない閣僚は公務を優先できるよう、昨年年末に与野党が合意をして、不必要に答弁席に張りつけることをやめ、参加しなくてもよいことになりました。しかし、今回はなぜか、私たち野党からは全く求めていないにもかかわらず、予算委員会の最初の基本的質疑には総理以外に十八人の閣僚が、集中審議では十二人あるいは十人の閣僚が出席されました。これも委員長が職権で決めたことでした。
その上で、審議の場で起こったことは、元々総理との議論を望んで質問通告していたにもかかわらず、同席している閣僚を委員長が指名し、閣僚から答弁することが常態化いたしました。何度も総理に答弁を求めますと、ようやく総理が答弁に立ち、そして総理からは、○○大臣が既に答弁したとおりですがと同じ趣旨を繰り返す。総理としての見解が見えてこない。これは、この委員会では何度も見られた光景でした。
我が党の議員が質疑の終盤、大事な質問を総理に投げかけた際も、委員長は総理でなく大臣を指名しました。それに抗議をすると、委員長からは、それはあなたの時間配分が悪いという発言がありました。まるで、自らの委員会運びの非を抗議した人に逆に責任転嫁するような発言で、場内が騒然となりました。
野党が求めていないにもかかわらず、なぜ多くの閣僚を出席させたんでしょうか。まるで総理が答弁する機会を減らそうとするような議事運営は、予算委員会が総理と議論できる数少ない機会であるにもかかわらず、そうした機会を奪う、余りに露骨な対応だったと思います。
委員長の予算委員会の議事運営は、これまでの予算委員会では見たことのない、ないこと尽くしでした。
三十六年ぶりの異例の一月の衆議院解散により、国会の開催が大幅にずれ込み、年度末まで僅か一か月という状況でした。たとえ審議が年度をまたいでしまっても国民生活に支障が出ないように、私たち野党は、暫定予算も含めて全面的に協力するという姿勢を一貫させてまいりました。
しかし、予算審議が始まった僅か三日後に、与党からは、たった二週間で審議を終結するという日程が示されました。結果、審議時間は、昨年の九十二時間と比べ、過去二十年で最短の五十九時間、また、本来は与野党間の合意形成に努めるのが委員長の職責であるはずが、この二週間余りの期間だけで、委員長権限による独断の職権での開催は九回、与党の意のままの日程となりました。
一方で、総理と議論できる集中審議は大幅に削られて、過去に例を見ないほどに少ない一・五日になりました。
さらに、分科会については、昨年であれば、それぞれの行政分野に合わせて八つの分科会が開かれ、延べ百七十四名の議員が質問の機会を得ております。これは、各議員が現場の声を直接大臣あるいは行政に届ける貴重な機会です。自民党の若手の皆さんや新人の皆さん、元職の皆さん百三十人にとっても、本来、重要な質疑の機会であったはずです。その分科会も、三十七年ぶりに開催されませんでした。
政府予算の成立を急ぐ委員長は、日曜日の地方公聴会の開催など、受入れの自治体や地方の関係者にまで迷惑をかける日程を強行されました。
内外の諸課題が山積している中で、与野党間の丁寧な議論を重ねるべきですが、委員会の公平な運営より、例年では当然の私たちの要求を退け、どこからかの指示なのか、かたくなに年度内成立を最優先させた強硬な委員会運びでありました。多様な民意を反映させる国会の使命を放棄して、その独善的な運営は、国民の負託に応えるべき立法府の機能を著しく損なうものであって、断じて容認できません。
国会は政府の下請機関ではありません。与野党関係がなく、私たち一人一人は、国民の皆さんから負託を受けた立法府の議員です。行政に対して、私たち国権の最高機関である立法府の立場から予算や法案をチェックする、行政監視機能であったり財政の統制機能であったり、こういうものがないがしろにされているこの現状は、与野党を超えて抗議すべき事態なんです。
にもかかわらず、まるで誰かからの抗し得ない強い指示があるかのように、立法府の使命をないがしろにする強引な委員会運営を行った坂本哲志君は、予算委員長の任に値しません。
以上、本決議案を提出する理由です。
与野党を超えた同僚議員の賛成をお願いし、趣旨弁明といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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