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石破茂 ·自由民主党・無所属の会

衆議院憲法審査会(2024-04-18)での発言

第213回国会 ·第第3号号 ·2,873字
○石破委員 この審査会はもう少し長くやっていただけないものでしょうか、九時半から始めて十二時までやるとか。それは、議論がどうしても収束しないまま、深まらないまま、まだ発言御希望の委員もおられるようですが時間が参りましたのでみたいな、私はそれはいかがなものかと思っておって、もう少し時間を延ばしていただいて議論を深めて、今日はここまで行った、次の週はここまで行ったというふうに見せていかないと、この会は何なんだというふうに国民は思うのではないかと思います。幹事各位が大変な御努力の上にこういう会ができておることは百も万も承知ですが、是非更なる御努力を賜れればありがたいというふうに思っております。  我が党は、憲法改正実現本部というのがあって、古屋本部長の下に全国あちらこちらで憲法改正の集会を開き、そういう方面にある程度の知識がある議員と勝手に自分では思っているのですが、それが派遣をされるわけですね。  私も全国幾つかの場所に参りましたが、さて、そこにお集いの皆様方に、じゃ、どうやって関心を持っていただけるかという最初のイントロダクションは結構大事でして、我々の任期ももう半分以上過ぎたわけで、私は解散が総理の専権事項だとは必ずしも思っていないのだけれども、皆さん、いつだか分かりませんが総選挙がありますね、前回も投票していただきましたね、そのときにもう一つ何か投票しませんでしたかと言うと、みんな、えっとかと言うんですね。最高裁判所裁判官国民審査ってやりませんでしたかと。あっ、そういえばそんなものがあったと。あそこにずらっと並んだ裁判官の名前を一人でも知っていた人と言うと、まず一人も手を挙げない。ましてや、その判決の内容、少数意見も含めて知っていた方と言うと、まず絶対、誰一人手を挙げない。これを形骸化と言わずして何と言うか。  私たちは小学校のときから憲法を習って、三権分立、その仕組みというのを習いましたね。最高裁判所裁判官は国会の同意人事でも何でもない、それは内閣が決めるということになっているわけですが、さあ、どういう内閣が政権を持つか分からない。そうすると、国民審査に付すということになっているのだけれども、さてさて、それが、誰もとは言わないが、ほとんど知らない。じゃ、これは、権力におもねるとは言わないが、そういう裁判官がどんどん増えていったらどうするの、これはかなり危ないことではないかと言うと、ああ、そういえばそんなもんかという話になるのですね。  つまり、国民の方お一人お一人がこれって日本の統治の仕組みに自分たちが関わっているのだという認識を持っていただかないと、この憲法改正の議論は進まないと思っているのです。  昨年の九月の十二日だったと思いますが、最高裁判所の小法廷において、野党の議員の皆様方が起こされた、臨時国会を開催すると。当時の内閣、二〇一七年だったかな、内閣が、憲法の規定は、衆参いずれかの総議員の四分の一の要求があったときは内閣は臨時国会の召集を決定しなければならない、召集は陛下の国事行為なので、その手続という意味だと思いますが、と書いてあるが、いつまでということが書いてない、それが時の内閣が九十何日か延ばしてしまって冒頭解散ということだった、これは議員の権利が侵害されたので損害賠償ということで訴訟を起こされた。去年の九月の十二日の最高裁の判決はそれを認めなかった。しかし、憲法についての判断はしなかった。私はこの判決をかなり興味深く読んだのですね。  憲法の教科書、私どもが憲法を学んだのはもう五十年以上前の話ですが、そのときにこの条文についてどういうことが書いてあったかというと、衆参のいずれかの総議員の四分の一の要求によって臨時国会を召集しなければならないということは、少数会派の意見を尊重するということを定めたものであると。内閣は、議案がないとか緊急の必要を認めないとか、そういうことで開催をしないということをやってはならないということが憲法の教科書に書いてあった。私も五十年ぶりに読んでみましたが、そういえばそういうことが書いてあったというふうに思ったことでした。  ここにおいて、多数意見、つまり判決はそれを認めなかったが、憲法判断はしなかった。しかし、たった一人の行政法出身の裁判官の少数意見は、いや、そうではない、召集しないのは憲法に反するものであって、二十日以内に開催を決めなければならないというような少数意見がありました。  つまり、我々はここに何でいるかというと、個人としているわけではなくて、国民の権利の体現者としてここにいるわけであって、それが内閣の恣意によって臨時国会が開催されないというのは一体どういうことなのだということだと思います。  緊急事態における対応ももちろん大事なことだ、この点は早急に結論を得る必要があると思うし、憲法改正をしなければならないと思っている。しかし同時に、憲法には書いてあるのだけれどもそれが実現されないということをどう考えるかということも極めて大事なことであって、我が党の平成二十四年の憲法改正草案は、二十日以内に内閣は要求があったときは臨時会の召集を決定しなければならないと。  これは我々が野党のときに決めたことです。あれは野党のときのことだからねなぞという言い方をしちゃうと、野党のときの議論というのを誰も信用しなくなる。我々はいつも与党とは限りません。野党になることも当然あるのです。そのときにきちんと議論をしたこと、それを実現するために与党になる、それを選挙の際にお願いしているのであって、やはりそこは真摯に、与党と野党で一致できるものは何なんだということを見出していく。  そして、それはお試し改憲なんといういいかげんな話ではなくて、いかにして国民の権利を実現するか、いかにして議会において結論を出すべき議論をするかということ、私はそれをもっと重視すべきではないかと思っております。  私も三十八年議会に籍を置いておりますが、自分が自分の考えを実現するためにこの議会にいるのではない、選挙のときに信任してくださった方々の、あるいはしてくださらなかった方々も含めて国民の権利を体現するためにここにいるのだということをともすれば忘れがちなので、その点をもう一回考え直さねばいかぬと思っております。  何か感想めいたお話で恐縮ですが、今議論していることは議論するとして、何が国民の権利を実現することなのかということにもう一回立ち返るべきだと思っております。  なお、今日の議論を聞いておって、玉木委員のおっしゃったことというのは、我々が野党時代にまさしく議論をしておったことでした。自衛隊って何なんだということ、単に明記すればそれでいいということではない、そして、交戦権を認めないということは自衛権の否定にもつながるということ、そこをもっと深く議論をすべきだと思っております。  以上であります。

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