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道下大樹 ·立憲民主党・無所属

衆議院憲法審査会(2024-04-25)での発言

第213回国会 ·第第4号号 ·2,051字
○道下委員 立憲民主党の道下大樹です。  発言の機会をいただきまして、感謝申し上げます。  私は、これまで本会議や法務委員会でも取り上げています同性婚と日本国憲法について意見を申し述べます。  政府は、同性婚を法律で認めることについて、現行憲法の下では、同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない、同性婚を認めるために憲法改正を検討すべきか否かは、我が国の家庭の在り方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要すると述べています。  この点、憲法二十四条一項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、」とされているため、同性同士の結婚はできないように読めなくもないですが、この条文は、結婚相手を親が強制的に決めたり戸主や親の承諾を必要とする戦前の家制度から、婚姻をするかどうか、婚姻を誰とするかを本人の自由意思に解放する趣旨であります。そうだとしますと、異性婚は両性の合意のみによって成立することを定めたものと制限的に理解すべきであり、同性婚について禁止する規範ではないと考えます。  この点については、以前の憲法審査会で、我が会派の吉田はるみ委員の質問に対して、自民党の当時の新藤筆頭幹事並びに公明党の北側幹事も、同性婚について禁止する規範ではないと発言されています。学説においても同性婚は禁止されてはいませんが、これを採用するかどうかは立法裁量であるという考え方が一般的です。なので、同性婚を法律で認めるための憲法改正は必要ないと考えます。  なお、憲法二十四条二項が、配偶者の選択、婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならないとし、憲法十四条一項が法の下の平等、憲法十三条が個人の尊厳と幸福追求の権利を定め、その内実として、人格的生存に不可欠な自己決定権が保障されているとの理解の下では、むしろ同性婚も憲法上の保障を受けるとの解釈も有力に主張されています。この立場に立つと、その法的整備をすることは、単なる立法裁量ではなく、立法府としての責務となります。  では、近年の司法判断はどうなってきたのか。これは前回の憲法審査会において公明党の國重委員も発言されましたが、憲法二十四条二項に違反若しくは違反状態、憲法十四条に違反という地裁判決が下されてきましたが、本年三月十四日の札幌高裁判決は、憲法十四条、憲法二十四条二項のみならず、憲法二十四条一項にも違反するとの判断がなされました。  私は、この札幌高裁判決に対する見解を三月十五日の法務委員会で小泉法務大臣に質問しましたが、同性婚制度の導入の問題は我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題である、国民的なコンセンサスと理解がなければ、それを得た上でなければ進めることが難しいと考えるとのこれまでの政府答弁にとどまっています。  昨年二月に産経新聞とFNNが行った世論調査では、立憲支持者七四%、無党派層七六%、自民党支持者六〇%と、支持政党にかかわらず六割以上の国民が同性婚の法制化に賛成しています。パートナーシップ制度を導入、運用する地方自治体は二〇二四年三月時点で少なくとも三百九十七自治体、人口カバー率八〇%を超えています。世界では性的マイノリティーに関する法整備が進み、約三十の国、地域で婚姻の平等が制度化され、G7の中で同性カップルのパートナーシップが国レベルで法的に保障されていないのは日本のみ。世界で取り残されている状況です。  先日の札幌高裁の判決を受けて、原告は三月二十五日に最高裁に上告しました。国会は、最高裁でも違憲判決が出て確定されるまで、立法不作為という敗北、駄目出しをされるまで待つのでしょうか。  家族法が専門で早稲田大学教授だった棚村政行先生は、札幌高裁判決の付言について、間髪入れずに法制化せよとのメッセージだ、国会や政府は重く受け止め、早急に議論を進めるべきだとコメントされています。先日、國重委員も、最高裁で国会の立法不作為を非難されることがあれば、それは立法府として恥ずべきこととおっしゃいましたが、私も同じ意見です。  立憲民主党は、昨年三月に婚姻平等法案を衆議院に提出しています。同性婚を可能とする法的整備をすることに憲法上の支障はないものと認識しています。国会で与野党で議論して、速やかに同性婚の法制化を実現しようではありませんか。  二年前の憲法審査会における我が会派の櫻井周委員の質問に対して、橘法制局長が、国会法において、憲法審査会の所掌事務の中に憲法違反を始めとする問題が生じていないかどうかを調査審議することもまさしく入っていると答弁されました。改憲ありきの議論が横行する本憲法審査会を市民、国民は冷静にかつ厳しく見ています。憲法違反の状況を調査、議論して法改正などを通じて解消、改善する取組が憲法審査会に求められているのではないでしょうか。  以上で私の自由討論を終わります。

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