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岩屋毅 ·自由民主党・無所属の会

衆議院憲法審査会(2024-05-09)での発言

第213回国会 ·第第5号号 ·1,694字
○岩屋委員 自民党の岩屋毅です。  これまでの委員各位の真摯な御議論に心から敬意を表したいと思います。  この間、最も時間を割いて論じられたのは、いわゆる緊急事態条項についてでありました。現行憲法には国会中心主義が貫かれており、それは今後とも堅持しなければなりません。緊急政令については今なお様々御意見があると思いますが、国会議員の任期延長についてはおおむね一致点が見えてきているように感じます。是非取りまとめの作業に入っていただきたいと思います。  その上で、憲法改正となれば、最大の焦点はやはり九条となるでしょう。戦後政治の最大の対立軸は、まさしく九条をめぐってのものでした。それは五五年体制が終わったはずの今も続いています。  しかし、間もなく戦後八十年になろうとしています。安全保障に関して、決して観念論ではない、リアリズムに立脚した成熟した議論を行っていくためにも、私たちはそろそろここを乗り越えていく必要があると考えます。  もはや、我が国が自衛権を有し、自衛隊が合憲であることについては十分に国民のコンセンサスが得られていると思います。したがって、憲法に自衛隊を明記するとしても、それはいわば確認的改憲となります。  確認的改憲ならする必要がないという御意見もあるでしょう。しかし、私は、過酷な任務に日々精励している自衛官の名誉のためにも、国民の皆さんに是非その確認をしていただきたいと思っています。  先日も海上自衛隊でのヘリの事故が発生しました。亡くなった隊員に哀悼の意を表するとともに、残る七名の隊員の一刻も早い救助を心から祈っています。  防衛大臣として一番つらい行事は、毎年市ケ谷で行われる殉職隊員追悼式です。自衛隊開設以来、既に二千人を超える隊員が主に訓練中の事故で亡くなっています。亡くなった隊員にはお若い人が多い。式典の前に御遺族の控室に御挨拶に上がるのですが、そのとき、小さなお子さんたちの姿には胸が締めつけられます。ここに何人も防衛大臣経験者がおられますが、皆さん同じ思いをされたことと思います。今なお一部に残る自衛隊違憲論は、この際、完全に払拭すべきだと思います。  その上で、自衛隊を憲法に明記するとした場合、自衛の範囲が最大の争点になっていくと思われます。さきの安保法制の審議においても、その点をめぐって激しく議論が交わされました。  それまで政府は、我が国は集団的自衛権を有してはいるが、その行使は憲法の制約によって禁じられていると説明してきました。しかし、法案策定に先立つ閣議決定において、我が国の存立が脅かされる事態に限って、他国に加えられた武力攻撃を排除することができるとしたわけです。その意味するところは、我が国の存立を維持するために行う武力行使の中には国際法上は集団的自衛権の行使とみなされるケースもあり得るということであって、いわゆるフルスペックの集団的自衛権を認めたわけではありません。  これは現憲法の下でのぎりぎりの解釈だったと思いますし、その自衛権行使の新三要件は既に法定されています。したがって、仮に憲法に自衛隊を明記したとしても、そのことによって自衛権の範囲が無制限に拡大することにはならないと考えます。  なお、現段階での自民党の九条改正イメージ案は、九条を維持した上で自衛隊を追記するとしています。九条が憲法の平和主義の象徴であり、その平和主義を堅持することを明確にするためです。  一方、自民党の中には異なる意見もあります。第二項を削除しなければ自衛隊違憲論は解消されないという考え方であり、他会派からも同様の意見が聞かれました。先般、自民党憲法改正推進議連がまとめた改正案はその考え方に基づいています。  また、公明党さんからは、内閣の職務の中に自衛隊を加えるという案も出されていたと記憶しています。  このように九条をめぐってはいまだに様々な考え方があることから、今後更に議論を加速していくべきだと思います。  以上申し上げて、私の意見といたします。  ありがとうございました。

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