○本庄委員 立憲民主党の本庄知史です。
先週に続きまして、本日も、選挙困難事態と議員任期延長の問題について意見を申し述べます。
まず、前回の審査会で、国民民主党の玉木委員より、繰延べ投票に関する私の発言と、野田内閣で閣議決定した質問主意書に対する答弁書との整合性について御質問いただきましたので、この点についてお答えします。
改めて確認しましたが、野田内閣で閣議決定した答弁書には、東日本大震災のときのような特例法を制定することにより、国政選挙の期日を延期することとともに、国会議員の任期を延長することはできないとあります。これは、私の事実認識と全く相違ありません。
今日も玉木委員から言及がありましたが、私は、繰延べ投票で選挙期日を延期できるとか、議員任期を延長できるとは一言も申し上げておりません。繰延べ投票は、議員任期の延長でも選挙期日の延期でもありません。あくまで投票の一部延期です。その点も十分理解しています。
ただし、繰延べ投票は、要件を満たせば、地域的な範囲や繰延べ期間に法律上の制限はありません。あるいは再繰延べ、繰延べの繰延べも法律上は可能です。短期間、限定的な延期しかできないとの一部委員の御意見は、単に過去の事例を踏襲しているだけであり、何ら根拠がありません。
その上で、私は、この繰延べ投票と参議院の緊急集会でも対応できないような、全国の広範な地域で相当程度長期間選挙が実施できない選挙困難事態というのは一体いかなる状況なのか、いまだ説得力ある科学的検証は示されていないし、他にも多くの基本的な論点が積み残されているということを繰り返し申し述べています。
以上のとおり、私の発言と野田内閣で閣議決定した答弁書には、そごや矛盾はありません。
次に、関連して、三点付言します。
第一に、被災地選出の国会議員が国会にいなくてよいのかとの御発言が中谷筆頭幹事始め何人かの委員からありました。
しかし、憲法上、国会議員は、特定の選挙区の代表ではなく、全国民の代表です。また、衆議院議員が存在しなくても、参議院議員は存在するでしょう。
さらに、公職選挙法でいえば、補欠選挙は半年に一度であり、制度的には最長で七か月強、国会議員の欠員が生じる可能性があります。したがって、公選法が違憲立法でない限り、憲法上も少なくとも七か月あるいはそれ以上の欠員を許容していると考えるべきであり、被災地の国会議員が不在でいいのかとの批判は憲法上は当たらないと考えます。
第二に、被災地以外の大多数の有権者の参政権、選挙権についてです。
昨年、本審査会事務局が作成した、東日本大震災後の地方議員選挙と首長選挙の実施状況を前回衆議院選挙に当てはめた場合の試算があります。この試算によると、本来の期日に選挙が実施できず、選出されない議員の数は六十九名、定員の一五%です。一五%が全国の広範な範囲という要件に合致すると言えるのかはさておき、いずれにせよ、残りの八五%は選挙が実施可能ということです。さらに、千葉県や茨城県でも繰延べ投票が実施をされれば、一か月程度で九五%まで投票可能となります。
公明党の北側幹事のように、長期間投票できる環境にないという被災地の有権者の視点を強調する御意見もありますが、選挙困難事態を理由に全国で選挙を実施せず、議員任期を延長すれば、こういった被災地以外の大多数の有権者が本来行使できる選挙権を行使できなくなります。議員任期延長論の中で、この点について十分な比較衡量はなされているのか、私は甚だ疑問です。
第三に、中谷筆頭幹事ほか何名かの委員からあった、繰延べ投票では選挙の一体性が損なわれるとの意見についてです。
確かに選挙は、期日、地域、いずれも一体的に実施されることが望ましい、それは事実です。しかし、選挙の一体性は、国民の基本的人権である参政権、選挙権を制限してまでも優先される憲法上の要請なのでしょうか。この点についても、いまだ明確な御説明はありません。
以上申し述べましたが、そもそも、現行憲法下の七十年間、衆議院の任期満了選挙は一回、任期満了を超えた期日での総選挙が一回あるにすぎません。残りは全て任期途中の解散・総選挙です。
緊急事態における国会機能の維持は、国会議員の任期中、任期切れに関わらない課題ですが、可能性や優先順位からいえば、むしろ任期中の対応こそまず議論すべきです。しかし、政府の中でも国会でも、この種の議論は皆無です。にもかかわらず、任期切れの場合のみを殊更に取り上げて議論していることに、私は強い違和感を覚えています。
議員任期の延長は、裏金問題で地に落ちた今の政治状況にかんがえれば、緊急事態にかこつけた政治家の延命としか国民には受け取られないでしょう。最後にこのことを申し上げて、私の発言を終わります。
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
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MCP: search_diet_speeches(speaker="本庄知史")