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布山祐子 ·一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部参事

衆議院厚生労働委員会(2024-04-23)での発言

第213回国会 ·第第15号号 ·2,991字
○布山参考人 おはようございます。経団連労働法制本部の布山と申します。  本日は、育児・介護休業法等の一部を改正する法律案に対する経団連の考え方について御説明する機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  改正法案に賛成の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。  まず、今回の育児・介護休業法や次世代育成支援対策推進法の改正は、昨年六月に政府が取りまとめた当時のこども未来戦略方針、これを踏まえたものと理解をしております。  経団連といたしましても、同方針に盛り込まれた共働き、共育ての実現につきましては大変重要と考えております。  そこで、昨年六月には、十倉経団連会長名で、会員企業、団体に対しまして、全ての社員が働きやすい環境整備の推進とともに、特に、男性の育児休業につきましては、政府が掲げる取得率の目標の達成だけではなく、男女がイコールパートナーとして家事、育児を実質的に担うことができる十分な日数の取得に挑戦するよう要請をいたしました。  加えて、本日お手元にお配りしておりますが、春季労使交渉における経営側指針として今年一月に経団連が公表した二〇二四年版経営労働政策特別委員会報告では、賃金引上げのモメンタムの維持強化と併せて、女性に偏っている家事、育児の負担の軽減に向けて、アンコンシャスバイアスを払拭するための研修の実施や、男性による長期の育児休業取得の促進、さらには、性別を問わず、時間外労働の削減、柔軟な就労時間の設定、テレワークの活用、家事、育児支援サービスの利用促進などを広く呼びかけてまいりました。この辺は経労委の報告書の三十六ページあたりに書いてあるところでございます。  その上で、厚生労働省の労働政策審議会における育児・介護休業法の見直しに当たりましては、女性の家事、育児負担が大きい現状の改善や、中小企業における対応のしやすさ、育児期、介護期の社員をサポートする周囲の社員への配慮などを特に重視して議論に臨んでまいりました。  今回の改正法案は、こうした経団連の考え方が反映されており、仕事と育児、介護との両立をしやすい環境整備を大きく発展させるような内容と考えております。  それでは、改正法案に盛り込まれている各措置につきまして、特に重要と考えているものを五点に絞って申し述べます。  まず、子が三歳以降小学校就学前までの間、労働者が柔軟な働き方を活用し、フルタイムで働くことができる措置についてです。  本制度は、従来、育児休業を延長したり、あるいは短時間勤務で就労していた可能性のある女性が、柔軟な働き方により、フルタイムで就労しやすくすることに加え、男性の仕事と家事、育児の両立を促進する観点から、大きな効果が期待できるものと考えております。  設定されている五つの柔軟な働き方につきましては、事業所内の業務の性質、内容に応じて組合せを変えられることのほか、テレワーク等は一か月十日の基準を設けつつも、これを柔軟に運用することが可能とされていること、新たな休暇の付与は、業務の性質、実施体制に照らし、時間単位での取得が困難な業務に従事する労働者について労使協定で除外できることなど、いずれも企業における多様な働き方の実態を踏まえた仕組みと評価しております。  二点目は、子の看護休暇の拡充についてです。  取得事由に入園式や卒園式などの行事参加、感染症に伴う学級閉鎖が追加されること、子の対象年齢を小学校三年生修了まで延長されること、そして、継続雇用期間六か月未満の労働者を労使協定で対象から除外する仕組みを廃止することにつきましては、子供が診療を受けた日数の実態などを勘案した上、多様な労働者のニーズやコロナ禍で生じた学級閉鎖等の状況を踏まえた必要な措置と考えております。  三点目は、子が三歳になるまでの適切な時期に、三歳から小学校就学前までの柔軟な働き方を実現する措置に関する面談等を義務づけること、あわせて、勤務時間や両立制度の利用期間などに関する労働者の意向を確認した上、配慮することを事業主に義務づける制度についてです。  これらの措置は、企業が育児期の全ての従業員の両立を支援する観点から、有効なものと考えております。  各企業の状況に応じて、勤務時間や配置、業務量の調整などについて配慮することが望ましいことが例として示されることになっており、経団連としても周知してまいりたいと考えております。  なお、障害児や医療的ケア児に関しましては、こうしたお子さんを持つ従業員の要望を受けて、短時間勤務や子の看護休暇等の利用可能期間を延長することが望ましいことも指針で示される予定です。  障害児、医療的ケア児につきましては、育児と介護の両面からのアプローチが必要な問題と認識しており、例えば、要介護状態の要件を満たせば介護休暇等の制度を利用可能であることなど、企業に周知してまいりたいと考えております。  四点目は、次世代育成支援対策推進法の見直しについてです。  まず、同法の期限を二〇三五年三月末まで十年延長することにつきましては、急速に進行する少子化に歯止めをかける観点から、不可欠な措置と考えます。その上で、同法に基づく一般事業主行動計画において、男性の育児休業取得率などの状況を把握、分析し、計画を定めること、さらに、行動計画策定指針において、男性の育児休業取得期間に関する目標を設定することが望ましい旨を明示することにつきましては、各企業が自社の状況を踏まえ、男性の家事、育児を促進し、共働き、共育てを実現していく観点から、必要な施策と考えております。  最後に、介護期の両立支援についてです。  家族の介護の必要性に直面した労働者が申出をした場合、事業主が両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、意向を確認することを義務づけること、また、四十歳のタイミングなどにおいて、事業主が労働者に一律に情報提供を行うこと、介護に関する両立支援制度の利用が円滑に行われるよう、研修の実施、相談体制の整備等の措置を講じることを義務づけることにつきましては、従業員の介護離職を防止し、仕事と介護との両立を支援していく観点から、有効な措置と考えます。  政府におかれましても、自治体等と連携しながら、介護保険制度の更なる周知にお取り組みいただくとともに、中小企業の事業主が周知に活用できるツールの提供などの支援をお願いしたいと思います。  以上が、主な措置についての考え方でございます。  今回の改正法案は、共働き、共育ての実現や介護離職の防止などの観点から大変多くの見直しが盛り込まれており、企業としても、労働組合等と協議しながら準備、対応をしっかりと進めることが求められます。  あわせて、男性の育児休業取得促進や全ての従業員を対象とした長時間労働の是正など働き方改革を継続し、仕事と育児、介護を両立しやすい環境整備に取り組んでいくことが必要と考えております。  経団連といたしましても、引き続き、男性の家事、育児に関する好事例の周知などを通じまして、企業の取組を後押ししてまいる所存でございます。  私からは以上です。ありがとうございます。(拍手)

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