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櫛渕万里 ·れいわ新選組

衆議院国土交通委員会(2024-03-15)での発言

第213回国会 ·第第3号号 ·2,039字
○櫛渕委員 れいわ新選組、櫛渕万里でございます。  今回の法案について、特に小笠原諸島について質問をいたします。  私は、二〇一八年、小笠原諸島返還五十周年の夏に現地に行ってまいりました。八月十五日の終戦記念日には、小笠原諸島戦没者追悼式典にも参列させていただき、献花をしてまいりました。  父島は、暑さの和らぐ五時から追悼式典が開会されるんですね。本土防衛の最前線として大激戦地の一つであった現地には、今も山の中に、例えば昭和十八年と刻まれた水筒や茶わん、あるいは防空ごうなど、戦争の傷痕がそのまま残っており、人々はそのような日常の中に現在も生きています。  また、島で最初にできた教会の牧師さんは、偶然ですが私の大学の大先輩であり、残念ながら三年前に他界されてしまったんですけれども、お名前は小笠原愛作さん。無人島であったと言われる小笠原に一八三〇年以降入植したポルトガル人の末裔五代目の方で、ゴンザレス・アイサックさんという祖先の名前を引き継がれ、愛作さんというふうなお名前であるということをお聞きいたしました。もちろん日本国籍です。  小笠原諸島は、こうした西洋と我々東洋、そしてポリネシアという南洋、このような人々が交差する土地であったというわけです。  小笠原諸島、この法律は、アメリカの占領期を経て、島の振興開発を促進する、これが内容でありますけれども、このような歴史を背負ってこの島に生きる人々のための大切な法律であるということをまず冒頭確認をさせていただきたいと思います。  さて、まず、小笠原諸島のこの十年間の人口増減率を見ますと、全国がマイナス一・五%、離島地域はマイナス一八・二%と大幅に減少しているのに比べて、小笠原諸島は逆にプラス五・二%と増えているんですね。これは小笠原諸島振興開発特措法の一つの効果ではないか、そう思います。しかし、もう少し期間を延ばして見てみますと、やや気になる点も見えてくるんです。  一つは、ここ三十年間、世界遺産に登録された時期を除くと、内に住む人よりも外に出ていく人の方が多い、つまり、人口の社会減が続いているということです。反対に自然増はずっと続いて、これはいいことなんですが、しかし、そのペースが平成二十年ぐらいから明らかに落ちている、これは懸念材料ではあると考えます。  さらに、小笠原村の人口構成、これを年齢別に全国と比較してみました。パネル一を御覧ください。  このパネル一の図からは、二つの大きな特徴が読み取れます。一つは、十代後半から二十代前半にかけて全国と比べて大きく落ち込むこと、これは、高校を卒業した後、ほとんどが島外に出てしまう、他の離島とも同じ課題を抱えています。そしてもう一つの特徴は、二十代後半から四十代、これは全国平均を逆に大きく上回っていることが分かります。小笠原諸島は若い人が少ないのではないんです。その反対に、子供を産み育てる世代の人は全国平均よりもかなり多い比率になっている。では、なぜ自然増が減りつつあるのか。  理由の一つが、小笠原では出産ができないことがあるのではないかと考えます。島では、二〇〇二年以降、出産ができません。一年で二十人くらいいる妊婦さんは、全員が内地で出産するのですが、船の関係で、妊娠八か月で離島、出産後もしばらくはそこにとどまらなければいけないそうです。事実、島で暮らすことの魅力と難点を挙げてもらった具体的なアンケートでも、若い夫婦世代から、子供を産めないという声が多数ありました。また、全世代共通の課題として、医療に不安があるという声もあるんです。  パネル二を御覧ください。小笠原に住み続けられなくなる事情について、約二千人に聞いた村民調査の結果です。  産科に限りませんが、医療、介護、福祉への不安、島に住み続けられない理由として、これが圧倒的に多いんです。このことが、島からの転出が続き、自然増が鈍っている大きな原因ではないでしょうか。  さらに、パネル三を示します。  望ましい村の人口規模について、これを見てみますと、私もちょっと驚いたんですけれども、村の人々は、これ以上人口は増えなくていいという声の方が圧倒的に多いことが分かります。  この法案には期待していますが、しかし、この三十年間、移り住む人よりも外に出ていく人の方が多いという状況を逆転させるのはなかなか難しい。何より、小笠原の人々はそれを望んでいないということを考えますと、今回の法改正で、定住に加えて、新たに移住に期待するよりも、周産期を含む村の医療をもっと充実させて、自然増をもう一度増やしていく、そのような流れをつくることの方が重要であると考えます。  国交大臣にお伺いいたします。小笠原で出産ができなくなっている現状について、どのような認識をお持ちでしょうか。そして、今回の法案で妊婦さんの支援はどうなっていくのか、お聞かせください。

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