○新村浩二君 ただいま御指名いただきましたJA鹿児島県経済連の新村と申します。
本日は、食料・農業・農村基本法改正に関する公聴会にお招きいただきまして、大変光栄に感じております。
私の所属する農産事業部ですけれども、農産事業部には、米穀特産課、肥料農薬課、農業機械課という三つの課がございます。
米穀特産課につきましては、米と鹿児島特産のカンショでん粉の集荷、販売が主な業務でございますし、肥料農薬課、農業機械課は、その名のとおり、肥料、農薬、農業機械を取り扱っております。
私どもJA鹿児島県経済連では、一昨年、令和四年あたりから、耕畜連携やみどりの食料システム戦略、また、食料安全保障を意識した取組を行っておりますので、それらを紹介した後で、今回の改正に関する意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
それでは、資料の方の一ページをお開けいただきますと、「JA鹿児島県経済連について」とございます。全国で数少ない県段階の経済連でございまして、農畜産物の集荷、販売を行う販売事業、さらに、生産資材を供給する購買事業が主な事業内容となっております。
県内には十三の総合JAがございますけれども、離島JAも二つございまして、南北六百キロという広大なエリアでの事業展開となっているところでございます。
資料二ページですけれども、鹿児島の農業の概要でございます。
鹿児島県の令和三年の農業産出額につきましては、四千九百九十七億円ということで、北海道に次ぐ全国第二位でございます。特に、全国上位の飼養頭数を誇ります肉用牛、肉豚を中心としました畜産が全体の約六六%を占めておりまして、まさに畜産県鹿児島といった状況にございます。
次に、資料三ページの方をお開けいただきますと、生産金額、数量共に、先ほど申し上げました畜産を中心に上位に位置しておりますし、園芸作物につきましても、茶の生産量が全国二位など、上位の品目も多いわけですが、次の資料の四ページをお開けいただきますと、下から二番目の生産農業所得率、これを見てみますと、全国第四十位という低い位置にございます。
今まで申し上げましたのは令和三年のデータでございまして、令和四年のデータを見てみますと、農業産出額につきましては五千百十四億円ということで、やはり全国第二位でございます。ところが、生産農業所得率につきましては全国第四十七位ということで、最下位というようなところでございます。
この生産農業所得率の低さにつきましては、畜産の利益率が低いことが要因と言われていますけれども、耕種部門におきましては、農地一筆当たりの農地面積が狭いことによります生産性の低さも原因となっているというふうに思っております。
次に、資料の五ページでございます。先ほど、私、肥料農薬課を担当していると申し上げましたが、私どもの肥料事業の概要でございます。子会社の方で、年間八万トンを製造できる肥料工場を所有しております。こちらの方で配合肥料を製造しております。
令和五年度の配合肥料の実績、表がありますけれども、合計で約四万一千トンという実績でございます。下の方に前年比がございますけれども、前年比で見ますと八〇・七%と、非常に数量が落ち込んでいるという状況でございます。
その下につきましては、土壌診断、適正施肥のために土壌診断を行っております。年間一万点ほどは土壌分析を行っているというところでございます。
資料をお開けいただきまして、資料の六ページでございますけれども、こちらは肥料の価格情勢ということでございます。
肥料価格が高騰しているということは、皆様御承知のとおりだと思います。令和五年につきましては、少し値下がりの傾向でございました。ただ、今年の六月から秋肥ということで改定時期になりますけれども、為替の状況だけを見ても、これはまた上がるんじゃないかというような予想があるところでございます。
資料七ページを開けていただきますと、このような中で、耕畜連携の取組を私どもは行っているというところでございます。
畜産県鹿児島には、畜ふん堆肥が豊富にございます。それをそのまま堆肥として、もう一方では堆肥入り配合肥料として耕種農家に使っていただく、耕種農家で作られた飼料作物ですとか稲わらについては、飼料として畜産農家に使っていただくといった循環型の取組でございます。
資料八ページでございますが、この取組の一環としまして、令和五年二月に宮城県のJAいしのまきと実証試験を行っております。鹿児島の堆肥ペレットを宮城県の水田で活用していただいて、宮城県の稲わらを鹿児島の肉用牛の飼料として活用するといった内容でございます。
畜産堆肥につきましては、全国的には偏在しておりまして、特に米の主要生産県では不足するという県が多くございます。堆肥は、ペレット化することによって、運送効率も上がりますし、特殊な機械がなくても散布できるようになるということでございます。
一方、畜産県鹿児島では粗飼料を多く使用しておりますけれども、輸入情勢、また価格の不安定化という課題を抱えておりまして、国産化を進める必要があるという状況にございます。
資料九ページですけれども、こちらの方では、肥料をペレット化して、有機配合ということで、お茶ですとか果樹の肥料として使っていく。さらに、化成肥料と混合して、混合堆肥を肥料として一般の野菜、水稲などの肥料に使っていく。このような二つの方法で取組を今行っているところでございます。
十ページに実績がございますけれども、令和五年度はここにあります二十一銘柄で展開をしておりまして、下の方にありますが、令和五年度は八千九百トンほどの実績であったというところでございます。
次に、資料十一ページでございますが、堆肥入り肥料を更に拡大するために、堆肥ペレットの製造設備を先月新たに設置したところでございます。原料の安定確保に向けて、年間三千トンの製造を目指しているというところでございます。
以上が、私どもの取組についての紹介でございます。
ここから、今回の食料・農業・農村基本法についての意見でございます。
まず、肥料の需要量が減少しているという状況でございます。
先ほど資料の五ページで説明しましたけれども、私どもの配合肥料の実績、前年比の約八〇%という実績でございます。ほかの県ですとか肥料メーカーに聞いても、前年比七〇%というのが一般的なお話となっております。
この原因につきましては三つあると思っておりまして、一つ目は流通在庫の存在、二つ目は施肥量の減少、三つ目は生産面積の減少でございます。
一つ目の流通在庫につきましては、価格が高騰する前の令和三年頃に購入した肥料が卸売業者ですとか農家の在庫となっている、それが流通又は利用されているということでございまして、安いときに買いだめる、つまり、備蓄という行為ですので、これは自然なことだと思っております。特に問題視することはございません。
二つ目は施肥量の減少ということですけれども、肥料価格が高騰する中で、生産者がコストを抑えるために、面積当たりの施肥量を削減しているということでございます。一時的に施肥量を落としても影響が出ない場合もございますけれども、これが続くと品質なり収量が落ちてくるというふうに思っております。生産者が施肥量を落としているというのは、作った作物に価格が転嫁できないからというのが主な要因でございます。
今回の改正案では、第二条の五、また第二十三条、三十九条あたりに食料の価格形成について記載されているというふうに思っておりますけれども、適正な施肥を行うことが生産量の確保につながるものと思っております。農業生産量の増大、確保のために、生産に必要なコストは農畜産物価格に転嫁できるような仕組みの構築を強く要望するものでございます。
三つ目の生産面積の減少でございます。鹿児島県の生産面積は、私の担当している米では、令和の五年間で一二%ほど減少しておりますし、でん粉原料用のカンショにつきましては、病気の蔓延もございますけれども、約五〇%減少という危機的な状況でございます。
最近の生産コスト高騰を契機として、高齢の生産者を中心に、農業をやめていくということが現実に起こっているということでございます。二〇五〇年には基幹的農業従事者が七五%減少する、農地面積は三〇%減少するという予測もございますけれども、価格転嫁が進んで、しっかり利益が確保できる農業経営ができるようになれば、見通しも変わってくるんだろうというふうに思っております。
繰り返しになりますけれども、食料の価格形成については、必要なコストが考慮されることを希望いたします。
次に、先ほど、私どもの堆肥入り肥料の取組を紹介しましたけれども、資料の十ページにありますように、全体では二割ほどの切替えにとどまっているという状況でございます。
資料の表に青い字で三角の表示がしてありますけれども、これは類似肥料に対する価格の削減率でございまして、類似肥料に対して一〇%から三〇%ほど安い価格となっているということでございます。
肥料が高騰する中で、価格的なメリットがあるにもかかわらず、思ったほど切替えが進んでいないという状況になっております。生産者の方では、当然ですけれども、実績のある肥料を使う傾向にございます。これまで安定して生産ができていた肥料を変えることにはリスクが伴います。
しかし、改正案の中では、環境面を考慮しながら持続的な農業を目指していくということでございます。私どもとしましては、第十二条にございます農業に関する団体として、また肥料事業者として、循環型の肥料の展開を既に進めております。改正案の第十条には農業者の努力、第十四条には消費者の役割がございますけれども、やはり生産者、消費者の理解がなければ取組も進んでいかないものというふうに思います。
生産者、消費者への周知を図っていただいて、生産者は環境配慮型の肥料を選択する、消費者はそれによって生産された農産物を積極的に購入するというような施策を講じていただくようお願いしたいというふうに思っております。
以上が意見でございますけれども、今回の食料・農業・農村基本法の改正案につきましては、私どもとしては、全体的に賛成の立場でございます。
基本理念の実現へ向けて、必要な施策が確実に実践され、食料の安定的な供給、農業の持続的な発展、農村の振興が図られることを期待して、私の意見陳述とさせていただきます。
本日は、ありがとうございます。
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