○国務大臣(小泉龍司君) 米山隆一議員にお答えを申し上げます。
まず、本改正案が共同親権を原則とするものであるかについてお尋ねがありました。
お尋ねの共同親権を原則とするという表現は多義的に用いられているため、一義的にお答えすることは困難ですが、本改正案は、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことが、子の利益の観点から重要であるとの理念に基づくものであります。
その上で、離婚後の親権者を父母双方とするか、その一方とするかについては、個別具体的な事情に即して、子の利益の観点から最善の判断をすべきであり、本改正案もそのような考え方に沿ったものと考えております。
次に、親権の共同行使が必要な具体例についてお尋ねがありました。
本改正案では、父母の双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うこととした上で、監護又は教育に関する日常の行為をするときは、親権を単独で行使することができることとしております。
子供が受験する進学先の決定や、子の心身に重大な影響を与え得る手術の決定、子の転居については、基本的には、父母が共同して行うことになると考えております。
他方で、子の手術のうち、子の心身に重大な影響を与えないようなものや通常のワクチン接種であれば、監護又は教育に関する日常の行為として、単独で行うことができると考えております。
次に、子の利益のため急迫の事情があるときの具体例についてお尋ねがありました。
子の利益のため急迫の事情があるときとは、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合をいうと考えております。受験願書の提出期限やワクチン接種の期限が翌日に迫っている場合は、これに当たると考えております。
他方で、子の心身に重大な影響を与える手術については、手術日まで二、三か月程度の余裕がある場合には、直ちにはこれには当たらないと考えますが、協議等ができずに手術日が迫ってきた場合は、これに当たり得ると考えております。
次に、改正後の広報の在り方についてお尋ねがありました。
法務省としては、こうした本改正案の趣旨が正しく理解されるよう、様々なケースがあることを念頭に置いて、適切かつ十分な周知、広報に努めてまいります。
次に、裁判所が必ず単独親権とすべき事例及びその周知の在り方についてお尋ねがありました。
本改正案では、身体的な暴力に限らず、いわゆる精神的DVや経済的DVがある場合や、配偶者間の感情的問題に基づいて親権の共同行使が困難な場合も、事案によっては、裁判所は必ず単独親権としなければならないことがあり得ると考えております。
法務省としては、施行までの間に、本改正案の趣旨が正しく理解されるよう、法務省ホームページ等を利用して、適切かつ十分な周知、広報に努めてまいります。
次に、家庭裁判所の体制についてお尋ねがありました。
お尋ねについては、裁判所を取り巻く様々な状況を踏まえ、最高裁判所において適切に判断されるべきものであり、本改正案が成立した場合には、裁判所において、適切な審理が行われるよう対応されるものと承知しております。
法務省としても、適切かつ十分な周知、広報に努めるなど、裁判所の取組に協力してまいります。
最後に、親権者変更の手続等についてお尋ねがありました。
本改正案の施行後は、改正後の親権者変更の申立てに関する規律が適用されますが、それにより子の利益が害されないようにする必要があります。
そこで、本改正案では、親権者変更の申立てが認められるのは、子の利益のために必要がある場合に限っており、かつ、DVや虐待の場合のほか、父母が共同して親権を行うことが困難である場合には、親権者を父母双方とするよう変更することができないこととしております。
本改正案が成立した場合には、その趣旨が正しく理解されるよう、適切かつ十分に周知することにより、子の利益を害するような親権者変更の申立てを可及的に防ぐことができると考えております。
以上です。(拍手)
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