○国務大臣(小泉龍司君) 日下正喜議員にお答えを申し上げます。
まず、子にとっての最善の利益の意義についてお尋ねがありました。
何が子供にとって最善の利益であるかは、それぞれ、その子が置かれた状況によっても異なると考えられるため、一概にお答えすることは困難ですが、その子の人格が尊重され、その子の年齢及び発達の程度に配慮されて養育され、そして、心身の健全な発達が図られることが子の利益であると考えております。
次に、単独親権の要件及び親権の行使方法について、三点お尋ねがありました。
一点目について、本改正案では、裁判所が必ず父母の一方を親権者と定めなければならない場合の例として、DVや虐待のある場合を挙げておりますが、その立証を必須の要件とするものではありません。
二点目、子の利益のため急迫の事情があるときとは、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合をいうと考えております。
三点目、監護及び教育に関する日常の行為とは、日々の生活の中で生ずる身上監護に関する行為で、子に対して重大な影響を与えないものをいうと考えております。子の進路に影響するような進学先の選択や子の転居などは基本的にはこれに当たらないものと考えておりますが、子の心身に重大な影響を与えないような治療などはこれに当たるものと考えております。
次に、養育費の履行確保についてお尋ねがありました。
養育費の履行確保のため、本改正案では、養育費債権に先取特権を付与しております。これにより、債権者は、審判等の債務名義がなくても民事執行の申立てをすることができ、かつ、その執行手続において他の一般債権者に優先して弁済を受けられるようになります。
また、法定養育費に関する規定を新設しております。これにより、父母間で離婚の際に養育費に関する協議等が困難である場合にも、審判等の手続を経ることなく、一定額の養育費を請求できるようになります。
次に、親子交流に対する支援や離婚後の養育計画についてお尋ねがありました。
父母の離婚後も適切な形で親子の交流の継続が図られること、また、離婚時に子の養育に関する事項を取り決めることは、子の利益の観点から重要であると認識しております。
法務省としては、適切な親子交流の実現に向けて、支援を担当する関係府省庁と連携して取り組むとともに、御指摘のありました調査研究の実施も含めて、養育計画の作成を促進するための方策及び予算の確保についても、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、家庭裁判所の体制整備や研修についてお尋ねがありました。
お尋ねについては、裁判所を取り巻く様々な状況を踏まえ、最高裁判所において適切に判断されるべきものであり、本改正案が成立した場合には、裁判所において適切な審理が行われるよう対応されるものと承知しております。
法務省としても、適切かつ十分な周知、広報に努め、裁判所の取組に協力してまいりたいと考えております。
最後に、子の養育に関する支援策についてお尋ねがありました。
改正法を円滑に施行し、子の利益を確保するためには、一人親家庭支援、共同養育支援、裁判手続の利便性向上といった支援策や体制整備を図るとともに、DV及び児童虐待等を防止して安全、安心を確保することが重要であると認識しております。
法務省としては、施行までの二年の間に、適切かつ十分な周知、広報に努めるとともに、関係府省庁等としっかり連携して環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣加藤鮎子君登壇〕
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