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塩川鉄也 ·日本共産党

衆議院本会議(2024-03-19)での発言

第213回国会 ·第第12号号 ·2,150字
○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、重要経済安保情報法案、すなわち秘密保護法拡大法案について質問をいたします。(拍手)  本法案は、十年前、政府が多くの国民の反対を押し切って強行した秘密保護法を拡大するものです。秘密保護法は、国民には何が秘密かも知らされないまま、政府が勝手に秘密を指定し、秘密に触れれば拘禁刑という厳罰を科す希代の悪法です。  秘密保護法は、秘密の範囲を防衛、外交、スパイ活動、テロ活動の四分野としていました。今回の法案は、秘密の範囲を更に医療や食料分野なども含む経済分野のあらゆる情報に拡大し、政府の一存で秘密指定を可能とするものです。これによって、秘密を扱う人は、民間の労働者、技術者、研究者など、飛躍的に広がります。まさに、秘密保護体制を際限なく拡大しようというものではありませんか。  重大なのは、岸田総理が、新制度が我が国の既存の情報保全制度とシームレスに運用されるよう、特定秘密保護法の運用基準の見直しの検討を含め、必要な措置を講じることを指示したことです。これは、法改定せずに、運用見直しで、秘密保護法そのものの適用を拡大しようというものではありませんか。看過できない大問題であります。  まず、労働者、技術者に対する身辺調査の問題です。  秘密を扱う人に対するセキュリティークリアランス、適性評価について、法案は、本人の政治的思想や精神疾患などの病歴、借金などの信用情報などを調査項目と規定しています。これは、機微な個人情報を根こそぎ調べ上げる秘密保護法と全く同じではありませんか。  適性評価は本人の同意が前提という建前ですが、労働者は調査を拒否すれば不利益を受けるおそれがあり、事実上の強制ではありませんか。  さらに、家族や同居人の国籍なども、家族本人の同意なく調査されるのです。しかも、収集された大量の機微な個人情報は、削除のルールすらなく、政府にたまり続けていくことになります。一度でも秘密に触れた人は、生涯監視され続けることになるのではありませんか。秘密の漏えいだけでなく、未遂、過失、さらに、共謀、教唆、扇動まで処罰の対象としているために、監視対象は本人だけでなく、家族、知人、友人、同僚などにまで及びます。  思想、良心の自由、プライバシー権を踏みにじる憲法違反そのものではありませんか。  次に、国民の知る権利の問題です。  取材などで秘密を取得する行為も処罰対象となります。正当な取材は除外されるといいますが、捜査機関が必要と判断するなら、逮捕、勾留で身柄を拘束し、密室での取調べも、捜索、差押えも行えるのではありませんか。報道の自由の侵害は明らかではありませんか。  しかも、秘密指定された情報は、国民の代表である国会議員にすら明らかにされないのであります。断じて許されません。  さらに、経済分野への秘密指定の拡大は、本来あるべき研究成果の自由な公開やオープンな研究環境を制限し、学問の自由を侵害するものではありませんか。  総理、一体なぜ、秘密保護法を経済分野にまで広げようというのですか。  岸田政権は、安保三文書で、装備品の共同開発、生産、装備、技術協力を一層強化するために、日米間の情報共有を促進する情報保全を強化すると宣言をしています。総理は、セキュリティークリアランスは同盟国、同志国との円滑な協力のために重要と発言しました。  この下で、実際に、米国との極超音速兵器を迎撃する滑走段階迎撃用誘導弾、GPIの共同開発を決定し、イギリス、イタリアと次期戦闘機の共同開発も進めています。これらの共同開発のために、セキュリティークリアランス制度を必要としたのではありませんか。  米国政府は、かねてより、米国内と同等の包括的な秘密保護法制を日本に要求してきました。米国基準の三段階のうち、トップシークレット、シークレットについては秘密保護法で対応し、コンフィデンシャル級については今回の法案で対応するというものではありませんか。  日本の財界は、政府設置の有識者会議の中で、相手国の国防省関係のビジネスは増加傾向であり、更なる業務獲得、円滑化のためにはクリアランスが必要と述べています。軍事分野で企業のもうけを確保するために本案が必要だということではありませんか。  米国と財界の要求に応えて、日米軍事一体化を推し進め、デュアルユースも含む武器輸出を進め、日本を死の商人国家にしようというのが本案の正体ではありませんか。  最後に、大川原化工機事件です。  経済安保の名の下に、長期勾留された相嶋さんが亡くなるなど、人権じゅうりんの違法捜査が行われました。あの冤罪事件を、政府はどのように反省をしているのですか。四年前、経済安保を推進する中で、政府がでっち上げた事件であります。経済分野全般への秘密保護体制の拡大が、更に同じような事件を引き起こすのは明白ではありませんか。  基本的人権、国民主権、平和主義という日本国憲法の基本原理を根底から覆す秘密保護法の拡大は、断じて許されません。徹底審議で廃案にすることを求めて、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

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