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斉藤鉄夫 ·公明党 ·国土交通大臣

衆議院本会議(2024-03-21)での発言

第213回国会 ·第第13号号 ·3,880字
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 三木圭恵議員にお答えいたします。  労働時間規制の適用や政策パッケージの取組によるトラックドライバーの賃金への影響についてお尋ねがありました。  時間当たりの賃金水準が現状のままであれば、労働時間の短縮に比例してドライバーの収入が減少することになります。  こうした問題を回避し、トラック事業者の適正運賃収受とドライバーの賃上げを実現するため、この度、標準的運賃を見直したところであり、労務費や燃料費の上昇分を反映して運賃水準を平均八%引き上げるとともに、荷待ち、荷役の対価、下請手数料など、新たな運賃項目を設定することにより、初年度で一〇%前後の賃上げにつながると見込んでおります。  加えて、トラックGメンによる荷主等への是正指導の強化、業界ごとの自主行動計画の作成、実施、さらに、この法案による物流の効率化や多重下請構造の是正に向けた規制的措置の導入などを組み合わせて、適正運賃の収受を通じた持続的で構造的な賃上げ環境をつくってまいります。  トラック事業者における仕事量についてお尋ねがありました。  トラックドライバーの一人当たりの労働時間が短くなる中、これまでどおりの需要に応える輸送力を確保するには、物流の効率性、生産性を向上させる必要があり、このためには、荷主、物流事業者、消費者が協力して取り組む必要があります。  このため、昨年六月の政策パッケージなどに基づき、トラックGメンの設置による荷主等への是正指導、標準的運賃の引上げ、業界、分野別の自主行動計画の作成、実施などを進め、直近の輸送力不足を補うとともに、物流の効率化に向けて、令和五年度補正予算等も活用しながら、即効性のある設備投資や物流DX、GXを支援しているところです。  さらに、この問題は、年々深刻化する構造的な課題であるため、この法案により規制的措置を導入し、継続的な取組を進めることとしております。  小規模トラック事業者への支援についてお尋ねがありました。  国土交通省としては、中小トラック事業者の輸送の効率性、生産性を向上させるべく、荷役作業の機械化、自動化を進める機器の導入、車両を効率的に運用するシステムの導入など、即効性のある設備投資を支援しております。  また、標準的運賃の引上げや、荷待ち、荷役などの新たな運賃項目の設定による適正運賃収受、トラックGメンによる荷主等への是正指導の強化、さらに、この法案による荷主等への物流効率化のための取組の義務づけなどを組み合わせて、小規模トラック事業者を含めた、物流の持続的成長を図ってまいります。  トラックGメンによる荷主等への是正指導についてお尋ねがありました。  トラックGメンにおいては、昨年七月の設置以降、トラック事業者への電話調査や訪問調査、荷主への抜き打ちを含めたパトロールなど、トラック事業者の規模の大小にかかわらず、プッシュ型の情報収集等に取り組んでおります。  また、昨年十一月と十二月を集中監視月間とし、適正取引の阻害行為が疑われる荷主等に対し、勧告、公表を二件、要請を百六十四件実施するなど、是正指導を大幅に強化しております。  引き続き、関係省庁とも連携して、見回りや巡回なども含むプッシュ型の情報収集や是正指導に積極的に取り組んでまいります。  標準的運賃の実効性と最低運賃の導入についてお尋ねがありました。  まず、標準的運賃について、令和二年の制度開始以来、制度の普及率と実際に収受できた運賃の水準は、年々向上してきております。今後、更なる周知、浸透を図るとともに、運賃が不当に据え置かれる場合には、トラックGメンによる是正措置等を活用することにより、実効性の確保を図ってまいります。  次に、最低運賃につきましては、トラック事業の取引は多種多様であるため、これを保障する制度の導入については様々な意見があり、慎重な検討が必要であると考えております。  実運送体制管理簿の作成に係る事務負担についてお尋ねがありました。  この法案により、元請事業者は、荷主ごとに、実運送事業者の名称や下請次数、運送の内容などを記載した実運送体制管理簿を作成することになりますが、この法案において、これらの情報を実運送事業者から元請事業者に通知するよう措置しており、元請事業者から改めて調査する必要がないように配慮を行っております。また、既存の配車表を活用可能とするなどの対応を行い、元請事業者の負担をできる限り軽減するよう配慮したいと考えております。  多重下請の制限についてお尋ねがありました。  トラック運送業においては、運送需要の繁忙期、閑散期の差が激しいことから、このような需要に柔軟に対応するため、自社のドライバー不足を補ったり、荷主からの突発的な運送依頼に対応したりすることを目的として、一定の下請構造が生じているものと考えています。  その上で、過度な下請構造は実運送事業者の適正運賃の収受を妨げていると考えることから、現在の取引実態や輸送の状況を踏まえつつ、現実に即した形でこれを是正していくため、この度、運送体制の可視化など、多重下請構造の是正に向けた取組を行うこととしたところでございます。  中小企業の物流効率化に向けた取組についてお尋ねがありました。  国土交通省では、昨年六月の政策パッケージ等に基づき、令和五年度補正予算等も活用しながら、中小事業者も含め、中継輸送拠点等の物流施設整備に対する支援、企業間で連携した物流効率化の計画策定や中継輸送等の運行経費に対する支援などを進めております。  物流の持続的成長に向け、引き続き、中小事業者が多くを占める物流事業者の取組をしっかり支援してまいります。  荷役作業の位置づけと規制の在り方についてお尋ねがありました。  現在は、トラックドライバーが契約で定められていない荷役作業等を行っているという現場の実態が多く見られておりますが、トラックドライバーの賃上げに向けては、トラックドライバーがこうした荷役作業を行う場合に、これを含めて適正な対価を収受することができるようにすることが重要です。  このため、契約の書面化を本法案に盛り込み、併せて標準的運賃に荷役の対価等を設定することとしております。これにより、荷主側が荷役時間を短くしたり荷役を自ら行ったりという効果も期待できます。  また、この法案では、荷役時間の削減等について、中小零細事業者の負担等を勘案し、全ての事業者に対して努力義務とした上で、一定規模以上の事業者に対しては、中長期計画の策定等を義務づけて、取組が不十分な場合には事業所管大臣から勧告、命令等を行うこととし、実効性の確保を図っています。  再配達率削減緊急対策事業の取組についてお尋ねがありました。  この事業については、令和五年度補正予算成立後、速やかに必要な事務手続を行い、今月五日から十五日までの間、執行団体、すなわち補助金給付事務を行う事業者の募集を実施し、現在、選定手続を進めているところでございます。  国土交通省としては、この事業を速やかに実施し、宅配、Eコマース事業者や関係省庁と連携して、再配達率の半減に向けて取り組んでまいります。  五年の猶予期間における政府の取組と政策パッケージの発表についてお尋ねがありました。  平成三十年に時間外労働の上限規制を含む働き方改革関連法が成立したことを受け、同年、議員立法により貨物自動車運送事業法が改正され、標準的運賃と、荷主に対する要請等の制度が設けられました。国土交通省において、これらの制度を速やかに運用し、浸透を図ってまいりました。  また、国土交通省として、これまでも、自動化、機械化等の物流DXやモーダルシフトなどによる輸送の効率化の推進、トラックドライバーの働き方改革の呼びかけ、物流の課題に対し必要な対策を講じてきたところです。  その結果、労働時間や賃金の全産業平均との差は縮まりつつあるなど一定の進捗を得た一方で、コロナ禍を経た近年の宅配需要の急激な増加なども相まって、二〇二四年問題への対応が喫緊の課題となっているところです。  このような状況を踏まえ、昨年六月、政策パッケージを取りまとめるなど、政府一丸となって対応を加速したものであり、引き続きスピード感を持って取組を進めてまいります。  二〇二四年問題に向けた各施策の実効性と、物流の問題に取り組む決意についてお尋ねがありました。  政府として、二〇二四年問題への対応に向け、政策パッケージ等を決定し、商慣行の見直し、物流の効率化、荷主、消費者の行動変容を柱として、トラックGメンによる荷主等への是正指導の強化や、業界ごとの自主行動計画の作成、実施、設備投資への支援、標準的運賃の引上げに加え、この法案による規制的措置の導入など、様々な取組を進めているところです。  これらの取組を真に実効性あるものとし、トラックドライバーや特定の事業者等へのしわ寄せではなく、物流全体に変化をもたらすには、荷主、物流事業者、消費者が協力して取り組むことが不可欠です。国土交通省としては、荷主や物流事業者などの産業界、関係省庁と緊密に連携して、多くの方に協力いただきながら、二〇二四年問題への対応に全力を尽くしてまいります。(拍手)     ―――――――――――――

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