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鈴木庸介 ·立憲民主党・無所属

衆議院本会議(2024-04-16)での発言

第213回国会 ·第第21号号 ·4,259字
○鈴木庸介君 立憲民主党・無所属の鈴木庸介です。  会派を代表して、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を行います。(拍手)  まずは、総理、外遊お疲れさまでございました。様々な成果や課題があったかと思います。あさっての帰朝報告の本会議で同僚議員が質問をさせていただきますので、本日は入管法の質疑に入ります。  去年、日本人が八十四万人近く減る一方で、外国人労働者の数は二百五万人と過去最高を記録いたしました。今後も多くの外国人に労働力としてこの国の産業を支えてもらわなくてはなりませんが、これまでの技能実習制度については、アメリカ国務省の報告書で、一部の技能実習生を人身取引被害者とされたほか、移動、通信の制限、パスポート等の取上げ、強制送還や家族に危害を及ぼすといった脅迫、身体的暴力、劣悪な生活環境、賃金差押え等の人権侵害が起きていることなど、多くの人権上の問題点が指摘されてまいりました。  さらに、外国の送り出し機関や現地のブローカーが多額の手数料を取るため、日本に来る前から外国人が多額の借金を背負ってしまい、転職も認められていなかったため、どんなに劣悪な環境でも耐えて働かざるを得ないことも大きな問題でした。  今回の入管法の改正について、人権と転職の問題について、政府が改善の方向を示したことについては一定の評価をいたします。しかし、機関の名称の変更や制度の小規模な変更はあるものの、制度全体の流れに大きな変化はなく、技能実習制度が抱える問題が本質的に解決できるかどうかについては大いに疑問を持つところでございます。自分や家族の将来のために、多額の金を払って日本に来たものの、職場でひどい目に遭い、多くの外国人がその夢を絶たれました。今回の改正法は、これまで曖昧にされてきた外国人の人権問題を解決するものでなくてはなりません。  まず、監理支援機関について伺います。  これまで技能実習生の募集や受入れに関する調整や各種手続等を行うことや、受入先に対する指導や監査を行ってきた監理団体の代わりに、実習生の募集から教育、転職活動までをトータルにサポートする監理支援機関というものがつくられます。しかし、監理支援機関のほとんどは、これまで実習生を受け入れてきた監理団体がそのまま名前を変更するものです。監理団体は、外国人が所属して働いている限りは毎年の監理費を受け取れますが、別の団体の管理下に行ってしまえば、年間の監理費を受け取れなくなります。そうした団体が、本気で外国人のキャリアのために転職活動のサポートができるのでしょうか。  総理に伺います。監理支援機関に外国人の転職のサポートをしっかりとさせるために、具体的にどのような政策を検討していらっしゃいますでしょうか。  また、業種によって一年から二年働けば転職できるということですが、総理は、出稼ぎに来たほとんど日本語も話せない人たちが、来日して一年もたたないうちから、日本の転職に係る諸手続を勉強して、必要とあらば会社を休むなどして面接を受け、新生活に係る様々な準備を実際にできるとお考えでしょうか。現実的には転職がしにくいような制度設計になっているのではないでしょうか。見解を伺います。  企業などの受入れ機関のサポートも考えなくてはなりません。多額の費用をかけて育成就労の外国人を呼んだにもかかわらず、今回の法律では一年を過ぎれば転職活動ができるわけです。つまり、会社からすると一年で辞められてしまうリスクのある大変使いにくい制度である育成就労において、転職されてしまった際の人的、経済的リスクについては何らかの措置を検討していらっしゃいますでしょうか。  さらに、多くの監理団体の役員等が受入れ機関の役員等を兼任しており、企業を管理監督する立場の監理団体が、企業の利益を優先し、実習生保護の役割を放棄しているとの指摘もあります。受入れ機関と監理支援機関の兼職を全面的に禁止するべきだという意見もありますが、総理の見解を伺います。  日本に来る外国人が負担に思っていることの一つに、様々な機関やブローカーが複雑に利益を得ようとするため、来日時に多額の費用がかかるという問題がございます。  監理団体が実習実施者から徴収する監理費の用途や金額の設定が不透明であるとの意見もある中、企業が直接、育成就労の人材を海外から呼び寄せる方法についても検討するべきだと思いますが、今回の法案では、海外に事業所を持っているような比較的体力のある企業でないと、単独型で育成就労の外国人を呼ぶことはできないとなっています。つまり、本当に人手不足で困っている中小零細事業者は引き続き機関を通さなければ人材を確保することができず、これまでの技能実習とほぼ同じ構図が継続していくのではと危惧しております。  幾つもの機関を介さなくては外国人を呼べないという仕組みが残されたことについて、総理の見解を伺います。  次に、滞在中の外国人の生活について伺います。  特定技能二号に移行すると家族を呼べるようになりますが、これは本国で家庭のある人たちに、事実上、最低八年間は一人で暮らしなさいということにほかなりません。また、そこから永住権を取るとなると更に五年、日本で働くことになります。十三年間働き、そのうち八年は家族のいる方は単身赴任の状態で日本で働くことで、ようやく永住権を得ることとなるわけです。  総理は、家族と八年も過ごせず、異国で慣れない仕事を十三年間も続けるというこの制度のたてつけが、現在の国際情勢を鑑みて妥当性があり、法務省が主張するように中長期的に永住者の増加につながるとお考えでしょうか。見解を教えてください。  MOCについて伺います。  技能実習生を呼ぶときは、悪質な仲介業者の排除などを目的とし、その国の政府と情報の交換や手続事務が確実に実行されるよう、二国間取決め、MOCを作成しますが、今回の入管法の改正についても、政府方針において、二国間取決めを新たに作成し、原則として当該取決めを作成した国の送り出し機関からのみ受入れを行うとされています。  しかし、中国のように、これまで二国間取決めを締結していない国についてはどのように対応するのでしょうか。移行期間は従来の制度で受け入れ、終了後に二国間取決めがないので受入れを停止するといった事態になり得るのか、確認させてください。  次に、在留カード及び特別永住者証明書とマイナンバーカードの一体化について伺います。  本法案では、一体化は義務ではなく、希望者が任意に取得できるとされていますが、現行のマイナンバーカードと同じように、強制でない場合に外国人が進んで取得に動くことは想定しづらいものがございます。さらに、新規入国者は、入国時に空港で在留カードを受領し、住所地の市町村で特定在留カードの申請を行い、その後、改めてカードを受領するという手間もかかります。希望する外国人が取得できるよう、何らかの方策を検討していますでしょうか。  外国人は、在留カードを携帯することと、求められれば提示しなくてはならないとの規定があります。しかし、一体化したものを紛失した場合、マイナンバーカードについては、一か月から二か月、再発行に時間がかかるとされています。一体化したカードを紛失し、再発行の手続を行っている最中、カードを紛失した外国人が提示を求められた際にはどのように対応するべきとお考えでしょうか、教えてください。  永住権について伺います。  これまで、永住権を取り消す要件は、虚偽の内容や手段で許可を得たり、虚偽の住所地を届け出たりしていた場合などに限られていました。しかし、本改正法では、故意に税金や社会保険料を納付しないなど悪質なケースでは在留資格を取り消せるとしています。しかし、多数の自民党の国会議員ですら、本来払うべき税金を払っていないなどと悪質なケースが指摘される中、外国人においても、収入の減少や手続のミス等により、税金や社会保険料を払わないといけないと認識していながら滞納するケースもあると思います。法案が規定する永住権が取り消される故意による不払いに、こうしたケースは含まれるのでしょうか。  税金や社会保険料の滞納、退去強制事由に該当しない軽微な法令違反については、日本人と同じように督促、差押え、刑罰といったペナルティーを科せば十分であり、外国籍住民にのみ、日本で十分な生活基盤を築いて永住許可を得たにもかかわらず在留資格取消しというペナルティーが科されるのは、外国籍住民に対する差別であるとの指摘もございます。このことについても見解を伺いたいと思います。  一方で、こういう外国人もいます。永住権を付与されながら、基本的には海外に在住し、更新のときだけ日本に来る、つまり、永住権をもらいながら実際には海外に生活の拠点がある人たちです。こういう人たちについても、永住権がある限り、日本では納税や労働の実態がないにもかかわらず、いざとなったときには日本の社会インフラを使うことができるわけです。永住権を取り消す範囲を拡大するなら、永住権を持ちながら日本に生活の実態のない人たちの実情についても調査するべきだと思いますが、総理の見解を伺います。  転職を認めるといって、一見改善されたように見えますが、その転職のハードルは格段に高く、実質的に最初の職場に張りつかざるを得ない人々が大多数になることは容易に想像がつくのではないでしょうか。アジアからの労働者の確保は、韓国、台湾、オーストラリアといった地域のライバルに加えて、これまでEU域内で東欧などの外国人人材獲得に力を入れていたドイツなども、イギリスなどとの人材獲得競争に打ちかつために、日本の二倍以上の最低賃金の高さを旗印にアジア市場に乗り込んできています。  政府には、一部の権益や建前にこだわることなく、本当に選ばれる国になるための大胆な改革が求められている、いや、もう遅過ぎる事態である、そういったことも改めて認識することもお願いを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

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