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加藤鮎子 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・孤独・孤立対策)

衆議院本会議(2024-05-09)での発言

第213回国会 ·第第26号号 ·4,151字
○国務大臣(加藤鮎子君) 城井崇議員の御質問にお答えをいたします。  制度創設における基本的な認識についてお尋ねがありました。  児童や生徒に対する性暴力の被害は、被害児童等の権利を著しく侵害し、被害児童等に対し生涯にわたって回復し難い有害な影響を与える極めて悪質な行為であり、断じて許されるものではありません。こども政策担当大臣として、また、子を持つ一人の親として、かけがえのない子供たちの尊厳を守ることがまず必要と認識をしています。  一方、犯罪歴等の確認の仕組みは事実上の就業制限となることや、対象事業者には犯歴情報についての高い情報管理の責務が求められることなどを踏まえ、本法案の策定に当たっては、法律の専門家や関係者など幅広い有識者の意見を聞いて、慎重に検討を重ねてきたところです。法案が成立した暁には、適切な制度施行を見据えたガイドライン等の検討やその周知、広報等について、関係者、有識者等と広く意思疎通を図りながら、丁寧に行ってまいります。  プライバシー保護についてお尋ねがありました。  本法案は、御指摘の判例や個人情報保護法を踏まえ、国が事業者に前科情報を提供するのは、子供の安全を確保するための措置を講ずる義務を課す学校設置者等や認定を受けた事業者に限るとともに、その措置を講ずるための手だてとして必要かつ合理的な範囲の情報に限り提供することとしています。  さらに、対象事業者には情報等の適正管理義務を課すとともに、情報漏えいに罰則を設けるなどし、適正な情報の管理を担保しています。  犯罪事実確認書の取得方法についてお尋ねがありました。  犯罪事実確認書は、対象事業者が犯罪事実の確認及びその結果を踏まえた児童対象性暴力等防止措置を実施できるようにするために交付するものです。  仮に従事者本人が自らの犯罪事実確認書を交付申請できることとすると、対象事業とは無関係の業種への就職時に犯罪事実確認書の提出を求められ、前科の有無が明らかになるおそれがあるほか、犯罪事実確認書の偽造のおそれもあるため、事業者を申請主体とすることが適切であると考えております。  学校設置者等が講ずべき措置と同等の措置や実際の運用についてお尋ねがありました。  学校設置者等が講ずべき措置と同等の措置としては、相談体制の構築などの安全確保措置や、対象従事者の犯罪事実確認を実施できる体制の確保に加え、犯罪事実確認記録等を適正に管理するための措置について実施することが民間教育保育等事業者に求められるものです。  その上で、そうした措置の具体的な内容や本法案で規定している性暴力等防止義務については、今後、下位法令において詳細を定め、ガイドライン等で具体的に示していくこととしています。  その際には、教育等の現場に混乱が生じないよう、関係団体の意見も聞きながら検討を進めるとともに、施行まで一定の準備期間を取った上で、事業者の皆様にしっかり準備していただけるよう、必要な支援についても今後検討してまいります。  犯罪事実確認書の内容構成についてお尋ねがありました。  性犯罪前科に関する情報は高度のプライバシー情報であることを踏まえ、犯罪事実確認書には、犯罪事実確認及びその結果を踏まえた児童対象性暴力等防止措置の実施に必要最小限の情報を記載することとしています。  具体的には、従事者が、特定性犯罪事実該当者であると認められない場合は、その旨、特定性犯罪事実該当者であると認められる場合は、特定性犯罪事実該当者の区分及びその特定性犯罪の裁判が確定した日などを記載することとしています。  性犯罪等の範囲や確認対象期間についてお尋ねがありました。  本法律案の対象犯罪は、その前科を有する者の事実上の就業制限の根拠となるものであるから、児童等の権利を著しく侵害し、その心身に重大な影響を与える性犯罪として、人の性的自由を侵害する性犯罪等に限定しています。  また、犯歴確認の対象期間につきましては、本法律案では、事業者が措置を講ずる上で考慮すべき要素として犯歴情報を活用するものであり、刑法三十四条の二の規定の直接適用はない一方で、この仕組みが事実上の就業制限であることから、憲法上の職業選択の自由を制約することとの整理や、前科を有する者の更生を促す刑法の規定の趣旨等も踏まえ、子供の安全を確保するという目的に照らして許容される範囲とすべきと考えています。  このため、犯歴確認の対象期間としては、再犯に至った者の実証データに照らし、再犯の蓋然性が高い期間を設定することとしており、拘禁刑について刑の執行終了時から二十年が経過するまで、罰金について刑の執行終了等から十年が経過するまで等の期間を確認の対象とすることとしています。今般の仕組みにおいては、この期間内の性犯罪歴、前科がある場合には、性犯罪歴の該当がある旨の回答がなされるものです。  不起訴処分や起訴猶予を確認対象としていないことについてお尋ねがありました。  本法案では、確認対象となる性犯罪歴を有するということは、その者が対象業務に従事することを事実上制限することになるため、その根拠は正確な事実でなければならず、厳格な手続に基づき裁判所が事実認定をした前科を確認の対象としています。  他方、本法案には、性犯罪歴、前科の有無を確認する仕組みだけではなく、子供と接する職員等に対する研修、児童等への面談、児童等が相談を行いやすくする措置などの安全を確保するための措置を講ずることについて、事業者に直接義務づけることも盛り込んでいます。  また、子供の性被害防止対策を進めるには、本法案に基づく取組だけでなく、関係省庁が連携をして総合的な対策を進めていくことが必要であり、こうした措置を講じることで、子供の性被害防止対策を更に推進してまいります。  民間教育保育等事業者の具体例等についてお尋ねがありました。  民間教育保育等事業者としては、児童福祉法上の届出対象となっている放課後児童クラブや認可外保育施設のほか、学習塾、スポーツクラブ、ダンススクール、芸能事務所など、児童に技芸又は知識の教授を行う一定の要件を満たす事業者などを具体例として想定しています。  また、対象業務の従事者については、事業所の管理者や、技芸又は知識を教授している者は対象となります。認定事業者において、これらの業務を行う職名を明示、確認することで対象者を把握できる運用とすることを考えており、詳細はガイドラインで示してまいります。  本法案が成立した暁には、関係業界に認定制度への参加を強く働きかけるほか、保護者等に対しても周知、広報を行い、社会的にも認定取得の重要性に対する認識を高めていくことで、規模の小さい事業者も含め、実質的に義務化と同程度にできるよう努めてまいります。  児童対象性暴力等のおそれ及び防止措置についてお尋ねがありました。  本法律案における、児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるときとは、児童対象性暴力等が行われる可能性が合理的に認められる場合を指すものです。  具体的な場合としては、例えば、犯罪事実確認の結果、教員等が特定性犯罪事実該当者であることが判明した場合、児童等の面談、相談、通報などから、特定の教員等に不適切な行為があり、児童対象性暴力に発展するおそれがあると判明した場合などが考えられます。  また、おそれがある場合の防止措置については、おそれの具体的な内容に応じて講じられることとなりますが、おそれの具体的な内容やその判断プロセス等、おそれに応じた防止措置などの内容について、性暴力の防止のために実効的なものとして、かつ、恣意的、濫用的な運用がなされないよう、施行までに事業者向けにガイドライン等を作成し、しっかりと周知をしてまいります。  研修の内容、死角をなくすための人的措置等の拡充等についてお尋ねがありました。  本法案で対象従事者に受講させる義務がある研修の内容については、先進事例の収集等も行い、今後、有識者や関係団体等とも協議の上、内閣府令等で適切に定めてまいります。  また、学校における取組としては、文部科学省において、死角の見回りや施錠などの対策等が含まれる好事例集を展開しているほか、子供たちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないための生命の安全教育を推進していると承知をしております。  被害に遭った子供や家庭への支援体制の強化につきましては、本法律案において、事業者に対し、被害に遭った子供の保護及び支援の措置を講じることを義務づけています。これと併せて、関係府省庁とも連携し、ワンストップ支援センターなどの被害者支援体制の強化も図ってまいります。  性嗜好障害の治療方法の確立に向けた取組についてお尋ねがありました。  いわゆる性嗜好障害やその治療法につきましては、現在、十分に実態が把握されていないことから、昨年度、厚生労働省において、性嗜好障害に対する治療などの情報収集を行うための調査研究を実施し、現在、結果を取りまとめているところと承知をしています。  性嗜好障害の治療等への対応については、当該調査研究の報告内容も踏まえ、厚生労働省等の関係省庁と連携してまいります。  加害者更生に向けた取組についてお尋ねがありました。  法務省においては、性犯罪に及んだ者のうち、実刑判決を受けて刑事施設に収容された者や、保護観察付執行猶予となり社会内で処遇を受けている者等に対して、刑事施設や保護観察所において、認知行動療法を理論的基盤とした処遇プログラムを実施しているものと承知しています。  令和元年度に実施した効果検証の結果、一定の再犯防止効果が示されたことを踏まえ、より効果的なものとするため、法務省において同プログラムを一部改定し、令和四年度から実施しているものと承知しており、引き続き、法務省と連携していきたいと考えております。(拍手)     〔国務大臣伊藤信太郎君登壇〕

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