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浮島智子 ·公明党

衆議院本会議(2024-05-09)での発言

第213回国会 ·第第26号号 ·3,152字
○浮島智子君 公明党の浮島智子です。  ただいま議題となりました内閣提出、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案につきまして、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して質問させていただきます。(拍手)  私は、令和三年五月二十八日の参議院本会議において全会一致で成立いたしました議員立法、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律の取りまとめ役をいたしました。  この問題に取り組むようになった契機は、特別支援学校に通う知的障害のあるお子さんがその学校の教師から性暴力を重ねて受けていた事実を、そのお子さんの祖父母、お母様から、直接、涙ながらにお聞きしたことでありました。  信頼する大人から子供が性暴力を受ける、こんなことは絶対に許せない、二度とあってはならないという思いで、必死にこの法案の作成に取り組んだ結果、与党ワーキングチームを立ち上げてから僅か八十九日間で、委員長提案により全会一致でこの法律が成立いたしました。  この法律の附則第七条第二項は、「政府は、この法律の施行後速やかに、児童生徒等の性的な被害を防止する観点から、児童生徒等と接する業務に従事する者の資格及び児童生徒等に性的な被害を与えた者に係る照会制度の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」と規定しており、今回のこども性暴力防止法案は、この附則に示された立法府の意思も踏まえたものであります。  この観点から、同法案は重要な一歩前進ではありますが、こども家庭庁設置法第三条第一項は、こども家庭庁の任務を、「こどもの年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とし、」「こどもの権利利益の擁護に関する事務を行うこと」と規定しており、いわゆるこの日本版DBSは、子供たちの尊厳を守り抜くことを第一にしなければならないことは言うまでもありません。  そこで、まず、加藤国務大臣にお伺いいたします。  本法案第二条第八項において、「特定性犯罪事実該当者」とは、一定の性犯罪を行い、その刑の執行が終わった日から起算して二十年を経過しないものと定めております。逆に言えば、子供たちへの性暴力を行って拘禁刑を受けた者でも、刑の執行を終わってから二十年たてば特定性犯罪事実該当者ではなくなり、子供たちと向き合う仕事に就くことができることになります。  なぜ、このように一定の期間で区切ったのか、また、この二十年といった期間の根拠は何か、お答えください。  もちろん、刑事政策の研究者からは、禁錮刑以上なら執行終了後十年の間に再び刑が科されなければ刑の言渡しが効力を失う、刑の消滅の規定を上回って性犯罪履歴を照会できることとしている本法律案について、子供たちを守りたいという感情論が先行しているとの指摘があること、声があることは承知しております。一旦道を踏み外した人を再び受け入れるという刑事政策の根幹に反するという御意見だと思います。  しかし、小児性愛など性嗜好障害、いわゆる性依存の治療やケアに当たっている医師やカウンセラーは、いわゆる性依存の大人を子供たちから意図的に引き離すことは、性暴力から子供たちを守るとともに、これらの者の治療やケアにとって不可欠で、本人のためだと指摘しています。  一旦道を踏み外した人を再び受け入れなければならないことは言うまでもありません。例えば、アルコール依存症の方には、治療とケアを重ねながら、その社会復帰を支えなければなりません。しかし、最もやってはいけないことは、アルコール依存症の方を酒場で働かせることであり、アルコールとは離れた場所で社会復帰を支援するのは当たり前のことです。今回の日本版DBSも同じ発想であるべきです。本来は、期間の制約なく子供たちから引き離す仕組みとする必要があると思います。  その際に大事なことは、いわゆる性依存に関する治療や医学の知見の蓄積です。WHOの判断基準ICD10がバージョンアップされ、ICD11においては、性嗜好の障害という大まかな診断概念に加えて、強迫的性行動症という診断概念が追加されているとのことです。  そこで、武見厚生労働大臣にお伺いいたします。  子供たちはもちろんのこと、性暴力を行った者の治療やケアの観点からも、いわゆる性依存に関する治療や医学の推進と知見の集積が急務だと思います。これまでどのような知見があり、今後どのような見通しでこの喫緊の課題に取り組まれていくのか、お答えください。  本法案においては、附則第六条において、「政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案しつつ、」「特定性犯罪事実該当者の範囲を含め、児童対象性暴力等の防止に関する制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」と規定しています。  依存的に児童生徒に性暴力を繰り返す者に対する医学や治療に関する国際的動向を踏まえると、これらの者は永遠に子供に関わる職業から引き離すことが、子供たちはもちろんのこと、本人の治療と回復にとっても大事なことだと言えますが、我が国の医学界においては、このような研究や治療が進んでいるとは言い難いのが現状です。  加藤国務大臣にお伺いいたします。  今後、いわゆる性依存に関する治療や医学の進展に基づいて知見の集積が急速に進む中で、この日本版DBSの構造や仕組みも大きく進化させなくてはなりません。附則第六条に基づく検討や措置を行うに当たっては、こども家庭庁を中心に、法務省、厚生労働省、文部科学省、全国の大学医学部、医療機関、医師、カウンセラーなどと連携し、国内外の医学研究の進展を踏まえながら果断に見直すことが、子供たちを守り抜くために不可欠です。どのような体制で、どのように検討を進めていくのか、お伺いいたします。  こども家庭庁が一年前に設置された趣旨の一つが、子供政策における縦割りの打破でありました。  例えば、児童生徒性暴力防止法により、文部科学省には、過去も含めて、少なくとも四十年にわたる、児童生徒性暴力を行ったことにより懲戒免職され教員免許が失効した者のデータベースがあります。これまでも、児童生徒性暴力で、刑事事件にはならなかったものの懲戒免職となり教員免許が失効した小学校教師が、学習塾でまた子供相手の仕事をするという事態が発生しています。今回の日本版DBSをより実効性あるものにするためには、省庁の壁を越えて、この免許失効データベースの活用が欠かせません。  最後に、加藤国務大臣にお伺いいたします。  刑事事件にならなかったものの、子供たちへの性暴力により懲戒免職となり教員免許が失効した者や保育士資格登録取消しとなった者が、素知らぬ顔で学習塾やスポーツクラブなどで再び子供たちの前に現れるのを防ぐためには、日本版DBSと教員免許失効データベース、保育資格登録取消し者データベースとの連携、連結が不可欠ですが、いつ、どのような形で連結をするのか、伺います。  冒頭も申し上げましたとおり、信頼する大人から子供が性暴力を受ける、こんなことは絶対に許せない。全ての子供たちの尊厳を守り抜くことこそ立法府の大きな責任であり、魂の殺人を二度と繰り返してはなりません。その大きな責任を果たしていくことを心からお訴えし、私の質問といたします。  ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣加藤鮎子君登壇〕

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