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伊波洋一 ·沖縄の風

参議院外交防衛委員会(2024-05-14)での発言

第213回国会 ·第第12号号 ·1,869字
○伊波洋一君 統合海洋縦深防衛戦略は、中距離ミサイルなど、戦域内のバランス、軍事バランスでは中国が有利だと書いております。しかし、米国のグローバルな戦力バランス、戦域外バランスは日米が有利で、そのために、短期戦になれば中国有利だが、長期戦に持ち込めば日米が有利、そこで、日本の戦略目標は、短期戦で決着が付かないよう膠着状態に持ち込んで、米軍来援まで時間を稼ぐことだと、このように主張しているわけですね。  そういう中で私たち、やはり、この今回のシミュレーション、問題にしておりますシミュレーション、この資料⑤を見れば分かるんですけれども、一番最初に、その中で、この中では、とにかく日本のミサイルの充実をまず一番訴えているんですよ。  それなぜかというと、まずミサイルを撃つことがスタートなんですね。だから、この一番の、この資料⑤の、一番最初に撃つのが、「我が国への侵攻そのものを抑止するために、遠距離からの侵攻戦力の阻止・排除」と。それで、「スタンド・オフ防衛能力」と「統合防空ミサイル防衛能力」、二つで敵を攻撃するということがスタートなんです。  その後、抑止が破られて、抑止が破られて実際にほかの防衛力が使われて、同時に、地上戦ですから、実際、地上戦を想定していますので、それぞれの、今、全ての、三百の防衛施設が今そのための準備で、弾薬が積み増され、そして装備が置かれ、そして強靱化される、これが現実ですね。  そのことをやっていきながらアメリカの来援を待つというのがこの全体像になっているわけです。果たしてそれが、本当にそれでいいのかと。つまり、外務省も出ない、官房もいないままでシミュレーションをして、それがつくられたのがこの結果になっているというふうに私は理解をしております。  だから、要するに、前回も言いましたけど、前方展開能力もあるいはその戦力投射能力も、もうアメリカがこの日本に対して守るための武器はないという状況の中で、そういう戦略の中で遂行していくというのがこの⑤番目なんですね。それで本当に、そこでは国民の被害も考慮されていません。外交も考慮されていません。ちゃんと書いてあるんですよ、この資料の中に。そういうもので本当にいいのかということが問われているんですよ。  ですから、私はやはり、こういう抑止が破られるということを前提にしているような形の今のありようというのはやっぱりおかしいと思うんです。これ、ミサイルが降り注いでもそれに耐えられるような、司令部を地下化、そして施設の抗堪化などを行って持続性、強靱性を高めて、長期戦に耐え抜いて米軍の来援を待つというのでは、本当にいいんでしょうか。私は、まず来ないと思うんですね、アメリカ軍は。  ですから、そこで質問ですけれども、この安保三文書の問題は、やはり再度見直す必要があると、このように思います。  そういう、去年の中で、議論した中で、その慶應大学、一回目、前回質問しましたけど、慶應大学の神保教授が財政制度分科会で指摘したように、もう既に米軍が前方展開や戦力投射を行うこと自体が期待できなくなっており、米軍の戦力投射までの時間を自衛隊が耐え抜くという戦略に沿った五年で四十三兆円の軍拡そのものが大きな矛盾を抱え、論理的に破綻したものになっているわけじゃないですか。  にもかかわらず、結局米軍の言いなりで、対中国抑止という米軍の国益に沿った形で日本の全土、特に沖縄を再び戦場にする、そして日本の自衛隊や沖縄県民を始め日本国民が血を流すというようなことが今行われようとしているのが、まさにこの安保三文書に基づく岸田軍拡ではないかと、このように思います。  こう言うと、防衛省の皆さんは、いや、日本全国が戦場になるということを望んでいるわけではないのだとおっしゃいました。で、この資料、そこに挙げてあります去年の議事録、この資料⑩ですけれども、その中で浜田防衛大臣も言っていたんです。  何と言ったかというと、二三年五月二十三日の当委員会で、「そういったことをシミュレートする前の段階のシミュレーションを我々はしなければならない」と答弁されました。本当に必要だと思うんですね。浜田大臣御自身の本当な、率直な御意見だったと思います。  そこで質問ですが、防衛省として、浜田前大臣がおっしゃった、「そういったことをシミュレートする前の段階のシミュレーション」は行ったのでしょうか、あるいはこれからやる意思をお持ちでしょうか。お答えください。

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