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福島みずほ ·立憲民主・社民

参議院憲法審査会(2024-05-29)での発言

第213回国会 ·第第4号号 ·1,919字
○福島みずほ君 衆議院の憲法審査会において、起草委員会の設置や要綱案作りが提案されていることに大変な危機感を持っています。衆議院だけで暴走していくことは極めて問題です。また、緊急事態条項、国会議員の任期期間の延長の問題点が十分理解されているとは思えません。さらに、これは参議院の否定です。参議院の緊急集会を日本国憲法が規定した意味の理解が、とりわけ衆議院で極めて不十分だと考えます。  第一に、衆議院で国会議員の任期期間の延長について、自民党などは再延長できる期間に制限を設けていません。緊急というのであれば、それは一時的、限定的、緊急のものでなければなりません。それが、半年、一年、何年も長期にわたるのであれば、それはもはや緊急ではなく、長期独裁政治そのものです。緊急事態と言い続けて半永久的に政権に居座る危険性があります。軍事独裁下の台湾では、第一期の立法院議員の任期が一九四八年から一九九一年までの四十三年以上も続きました。  衆議院の憲法審査会で、改憲に賛成する日本維新の会の議員が述べています。最短で三年間選挙困難事態が続いた場合には参議院議員全員がいなくなりますので、やはり参議院においても任期延長は必要となるものと考えます。三年以上選挙をさせない、つまり、六年間の参議院の任期を九年以上延期するというものです。一回の選挙で九年近く居座ることを許容することは、民主主義を全く機能させなくするものです。数年にわたって任期延長をする緊急事態条項を機能させようとすること自体、憲法原理から許されません。  第二に、自民党日本国憲法改正草案は、緊急事態の宣言が発せられた場合においては、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができるとしています。まさに衆議院と参議院の任期延長です。緊急事態条項の中に任期延長が入っています。  自民党日本国憲法改正草案は、緊急事態の宣言が発せられたときは、内閣が法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができるとしています。ナチス・ドイツが内閣限りで基本的人権を制限できるとした国家授権法と同じ構図です。唯一の立法機関である国会を踏みにじるものです。国会は反対をしなければなりません。また、国会の予算承認権も踏みにじるものです。さらに、地方自治体の長に対して指示ができるとしていることは、憲法が規定する地方自治の本旨を明確に侵害するものです。  第三に、緊急事態条項、戒厳令は、独裁と戦争に密接に結び付いています。戦時体制をしくのに人々の基本的人権を制限していくのです。  第四に、なぜ日本国憲法は緊急事態条項を設けなかったのか。それは戦前へのすさまじい反省からです。  明治憲法は四つの緊急事態大権を規定していました。治安維持法改正を議会閉会直後に緊急勅令として行いました。戦時における財政出動や公債発行が議会を通さずに専ら緊急勅令で行われました。一九三七年の日中戦争の前十年間においては勅令数は二百から四百台で推移していましたが、三七年には七百四十七、対英米開戦の四一年には千二百五十三まで跳ね上がります。  関東大震災の場合も、戒厳令は震災に伴う治安の危機に対処する口実で発動され、戒厳令下で軍隊、警察、自警団等によって大量の朝鮮人、中国人の虐殺、さらには社会主義者、無政府主義者の虐殺が行われました。  一九四六年七月十五日、金森大臣は衆議院帝国憲法改正案委員会で、明治憲法の非常大権について、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護しますためには、さような場合の政府一存において行いまする処置は、極力これを防止しなければならぬのでありますと述べ、臨時会と参議院の緊急集会に言及しています。  国会無視と選挙の停止を私たちは許してはなりません。  ところで、私たち野党は、二〇二一年のデルタ株の感染爆発のときを始め、何度も臨時会の開催を求めてきました。このことに応じなかった与党などが、今度は国会がないと大変だとして長期居座りを主張することは笑止千万です。  国会議員の長期居座り、選挙の停止を図る衆議院の起草委員会の設置と大綱作りは参議院の否定であり、憲法破壊で許されません。民主主義と国会の死です。国会が選択すべきではありません。  緊急集会に対する暴論に基づく任期延長改憲のための衆院憲法審の起草委員会の設置、要綱案の作成は参議院の否定ではないかについて、本審査会及び幹事会で……

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