○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
大変貴重な御意見ありがとうございました。また、各委員の皆さんとのやり取りも参考になっております。
私は、今から私なりの意見と感想を申し上げますので、それを受けて両先生にも自由に御発言いただきたいんですが、この状況、この委員会の審議は金融庁も日銀もみんな聞いていますので、私も金融庁にアドバイスするつもりで申し上げますし、先生方も金融庁にアドバイスしていただくつもりで御発言いただければと思います。
大きくは三点、私は意見を申し上げたいんですが、まず、意見を申し上げる大前提として、長い間この分野に関わっている人間として、こういう、アメリカの全資産担保権を参考にこういう新たなものがつくられるというのは大変画期的なことであり、チャレンジとして肯定的に受け止めています。
その上で、第一に、やっぱり金融庁や金融関係者には、これ何のためにこの企業価値担保権というものを今回導入するんだということをもう一度しっかり認識を共有していただきたいなというふうに思うんですね。
なかなか日本では、銀行のその目利き力、あるいはリスクを取って企業と並走して企業を育てるという、そういうことができないと、レンダーはいるけどバンカーはいないと言われて久しいわけですが、それをブレークスルーするために融資を受けやすくする、企業を成長させる、そのためのツールなんだということであればそれで結構ですし、ところが、破綻時の話が懸念事項として今日もいっぱい出てくるわけですが、今日に先立って、もう既に委員会で二、三回、金融庁とやり取りしているんですが、破綻時のFPLは導入していないとこの間担当局長が言っていて、そうすると、これ破綻時に、非常に可能性のある企業なんだけれども、更に継続して再起をさせるためにDIPファイナンスを受けるとか、そういうこともやっぱりFPLがないとやりにくいと思って聞いたんですけれども、現状ではそれは想定していないという答弁だったんですね。
だから、私が申し上げたい第一点は、この度この企業価値担保権というものを何のために導入するんだということについて金融庁はもう一度しっかり中で議論してほしいと、個人的にそう思っています。
それから二点目は、今も浅田さんとの話で信託の話が出ていましたが、信託を利用するという極めて日本固有の仕組みを導入するわけですね。そうすると、この企業価値担保権の受益者は誰なんだということについて金融庁はやっぱり整理してほしいと思うんですね。
それはどういうことかというと、企業価値担保権というものを設定することによって、今まで借りられなかった企業も場合によっては融資を受けられるかもしれないと。そうすると、これは債務者側も受益者かもしれないし、しかし、信託を利用するということは、信託は受益者保護が原則ですから、そうするとそれは債権者を保護するということで、受益者は一応債権者側ということになっているんですが、私は、今回のこの企業価値担保権がもし有効に浸透していった場合には、受益者は債権者、債務者双方だと思うんですね。そうなると、その先にあるのは信託業法を改正しないと理屈に合わない。その信託とは何ぞやというこの議論に発展をしていくので、受益者は誰なのかということについて混乱しないうちに認識を共有するべく金融庁には交通整理をしてほしいと思っていると、これが二点目です。
最後、三点目は、その企業価値担保権というのは、これは一般的、普遍的に価値を持つものなのかと。
つまり、対抗要件としては債権者同士の間で意味を持つんですけれども、不動産担保にしても個人保証にしても、それ関係ない第三者にとっても価値があるものだと思うから価値があるわけですよね。ところが、この企業価値担保権というものを万が一流通させるとなったときに、その転々流通するその過程で全ての人がこれに価値を見出しているのかどうかという、ここが非常にポイントでありまして、それ、古川さんが最初に聞かれた、いや、そもそも貸そうと思えば貸せるじゃないかという話と一緒でありまして、それは実は金融庁と日銀のプルーデンス政策にも関わってきまして、いわゆる検査、考査です。もし、検査、考査に入って、この企業価値担保権を設定してある貸出資産は価値がないんだと金融庁とか日銀自身が言ったら、これはもう何だか本末転倒の話になっちゃうわけですね。
〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕
さっき、私も元日銀なんですけど、大分古くなったので、金融庁と日銀に、今でも資産査定はやっているのかとちょっと確認してもらったら、もう今は基本的には日銀も金融庁も資産査定はしない、しかし、何かあったときにはすると言っていますから、その何かあったときに、いや、この企業価値担保権は担保の設定の仕方がずさんで、金融機関としておかしいじゃないかと指摘したら、これは企業価値担保権そのものを否定することになるので、今回この新たなスキームを導入するということは、金融庁と日銀自身の発想のコペルニクス的転換をしないといけないということなんですよ。既に、たまたま私が関わって作らせてもらった中小企業等金融円滑化法という法律を境に大分考え方は変わったと思うんですが、そこから更に踏み込んで、今回は新たな地平に踏み出そうとしているぐらいのことだということを、これを聞いている金融庁、日銀の皆さん、分かっていただいていることを期待をしたいんですが。
以上三点、私なりの感想を申し述べましたので、それを踏まえて、私にというよりはこれを聞いている金融庁の皆さんに意見を言っていただけると幸いです。よろしくお願いします。
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