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高橋司 ·全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

参議院農林水産委員会(2024-05-23)での発言

第213回国会 ·第第11号号 ·3,416字
○公述人(高橋司君) 全農岩手県本部の高橋でございます。  本日は、このような時間、意見を申し述べる機会をいただきまして、大変ありがとうございます。ただ、諸先輩方がいらっしゃる中ですので、なかなか意見をしゃべりづらいというのも実情でございますが、御容赦いただきたいと思います。  まず、私の方からは、岩手県の今の農業の実情を若干御説明をさせていただきたいと思います。資料の方にはちょっと載せてございません、口頭でだけで失礼いたします。  今の農業人口につきましては、五万二千人、二〇二〇年の数値でございます、岩手県の農業人口が五万二千人。十五年前は十一万四千人おりました。ですので、その当時から比べると四五%にまで減ってきている。これは日本全国どこも同じ傾向だと思います。その中の基幹的農業従事者というのが四万四千人。これも二〇二〇年の数値でございますが、これも二〇〇五年と比較した場合、十五年前と比較した場合は六三%に減っております。  ただ、農業者人口の減少よりは基幹的従業者の減少率は少ないというようなことがございますので、あともう一つ、規模別に見ますと、三千万以上の経営体数というのが九百七十経営体ございます。十年前は、これはちょっと十五年前の数字がなくて十年前ですが、八百二十三経営体でございました。先ほど照井さんから言われたとおり、大型の経営体、こちらの方は増えていると、岩手県でもそういうような状況でございます。ですので、農業を進める上で大型経営体への集積というのは岩手県でも進んでいるということが見えるかと思います。ただ、農業生産法人であったり集落営農組織を推進してきたということがございますが、その結果、このような数字になっているというような状況でございます。  岩手県の農業の実情については、ちょっと人口の部分だけで御説明をさせていただきます。  あと、今回の農業基本法の部分で若干お話をさせていただきたいと思いますが、今回の案の中で、第二条の五項の中で、持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるべきというような格好の表示がございます。そのために合理的な費用が考慮されるということで、その合理的な費用というのはどういうことかというのが、法律の文面ではなかなか出てこないとは思いますが、それをどういかに具体的に実現していくか。  農家の方々から言われるのは、コストが上がった分を生産物にいかに価格転嫁できるかということを常日頃言われております。その中で、需給バランスで決まってくる農業生産物に関していかに合理的な費用を価格転嫁できるようになるのか、こういうところがこの法律の趣旨に基づいて実現できるようどう組み立てていくかというところが一番重要なことかなというふうに私は考えてございます。  また、今度の二十三条の中でも、食料の持続的な供給に要する費用の考慮というような表現がございます。これはもう先ほどの発言と同じような中身で、それをいかに具体化するかというのが重要なことであろうというふうに思っております。  それと、あと、また条文が進みまして、十九条のところ、食料生産に加え流通面について、十九条の中では、食料生産に加えて流通面に言及している点。これにつきましては、食料生産だけではなく物流システム、これらがいかに重要であるか、どんなにものを作っても、必要なところに必要なものを必要なときに届けられるシステムというのが必要と、それらを構築していく必要があるということを今回の農業基本法の中で言及されているというのは、非常に評価できる部分だろうなというふうに思ってございます。  あとは、ちょっと条文とはずれますが、衆議院の決議の中での附帯決議、参議院の中で衆議院の話をして大変恐縮ではございますが、附帯決議の八項目めのところで、多様な農業者が地域農業に大きな役割を担っているという点を取り上げてくださっております。  私ども系統組織、農協としては、当然、担い手の方々、地域を代表する法人なり集落組織であったりという担い手の方々を中心に集落の農業は構築されていかなければならないということはございますが、反面、その中で、規模は小さくても地域の中で十分大きな役割を果たしている農業者というのがいらっしゃいます。その方々に光を当てて、その方々が十分農業を営める対策を当然つくっていかなければならないというふうに思っておりますので、この附帯決議の中の一言、一項目は非常に有り難いというふうに考えてございます。  これらを踏まえて、資料の方にお出ししておりますが、JAグループの政策提案ということで、これは先般、自民党さんの方にもお出しさせていただいたような内容でございますし、JAグループの政策提案として発表しているものでございます。  ちょっとページを振っていなくて大変恐縮でございますが、表紙をめくっていただいて、もう一枚、二枚めくっていただいて、(5)経営安定対策の強化というところがございます。そこを御覧いただきたいと思います。  ここの中で、三行目のところに、現在のセーフティーネットを組み合わせても補い切れない生産資材価格の高騰に対応し得る政策を充実させることということを提案させていただいております。  先ほど、価格転嫁がなかなか難しいというお話をさせていただきました。実際、日本の資本主義の中で価格転嫁を強制的にやるというのはなかなか難しいことだと思います。ですので、農業者に対するセーフティーネットの充実、単価がなかなか確保できない、販売をしても赤字になるというようなところを補填できるようなセーフティーネット、今現在も様々なセーフティーネットを設定していただいております。それをいかにコストが上がった分を含めて充実させていけるか、そういう点を是非実現できるような農業基本法、それが第一義として実現できるような農業基本法にしていただきたいというふうに思っております。  また、こちらの提案の方に、もう一枚めくっていただきまして、資料、次のページの(3)の①というところで、担い手、多様な農業者、サービス事業体への支援ということで、多様な農業者という格好で提案をさせていただいております。  中で、①のところで、二行目から、地域計画に位置付けられた多様な農業者への施策を抜本的に拡充することというふうな提案をさせていただいております。  先ほども若干お話し申し上げましたとおり、地域の中では多様な担い手がいらっしゃいます。また、大型の農家の方々、大型の法人なり集落組織の方々が地域の農地を引き受けてくださって、農地を農地として維持してきていただいております。ただ、それも限界に近づいている地域も多数ございます。そうなると、受けれない、経済的な部分で考えると受けれない、だけどその農地を耕作放棄地にするわけにいかない。そうなった場合には、その多様な担い手、地域の中で農業を小規模だけれども農業をやっていく方々、そういう方々をやはり残していかないと、その地域は日本全国ぽつんと一軒家だらけになってしまうという危惧がございます。  ですので、そのような大きな担い手の方々、中小の方々への支援を並行して進めていただければというふうに思っております。  農村地区、私も実は農村地区に住んでおりますが、人口減、担い手不足、耕作放棄地の増加という問題点を抱えてございます。それに対して、集落組織なり法人化により地域のコミュニティーを維持しようというふうに取り組んできてございます。その中でも限界になっている、農地を受け得る、農業を受ける法人、もうこれ以上無理だという限界になっているところも多数ございますので、そこら辺を含めて、セーフティーネットを充実させることによって中小規模の農家でも十分生活できるところ、ただ不必要な農地の貸し剥がしのようなことは不要だと思いますが、地域としてそのコミュニティーを維持するための対策というものを今後十分に検討した中での法律を作っていただければというふうに思っております。  済みません、ちょっと話が前後したりして聞きづらかった点があろうかと思いますが、以上で私からの意見陳述とさせていただきます。大変本日はありがとうございました。

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