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谷口信和 ·東京大学名誉教授

参議院農林水産委員会(2024-06-06)での発言

第213回国会 ·第第15号号 ·1,476字
○参考人(谷口信和君) 先ほどの絵でも示しましたけど、日本近海が世界で最も高温の地域になっちゃっている現実があります。それ自体がまたどんどんどんどん上がっているということになれば、雨がじゃあじゃあじゃあじゃあ降るということがもう避けられない事態に進んでいます。しかも、今年の冬、見て分かるように、全然雪降っていないんですよね、地域で。で、雪降っていないか、間違いなんですね。雪になるものは全部雨になっているんですよ。だから、雨は降っているんです。降水量は増えているんですね。こういうのが状況変化なんです。  そういう中で、傾斜地のところを平らにして水田作ってきた歴史を、もう一回傾斜地になってもいいような状態の畑に変えていくことが果たして妥当なのかどうか。単純にその農業生産だけじゃなくて、地域、風土に見合った食料の確保という視点から見たときに妥当性があるかどうか。  例えば、なぜヨーロッパは、元々トウモロコシが餌ではなかったのか。餌ではなかったんですね。元々は麦なんですよね。麦のうちの大麦、あるいは燕麦といった、ライ麦といったものが、小麦に比べると相対的に飼料に向かっていったんですね。  これができていった段階で、今どこまで来ているかと、ドイツでもそうですけど、小麦の四〇%はもう餌なんですよね。食べなくなれば餌に回せばよいということなので、それぞれ国が一番得意な主食たる作物を作ってきた歴史があって、技術があって、それが余るんであればそれを肉食べているところに回すということで迂回生産になってきた歴史があるわけですから、それぞれの国にふさわしいその飼料穀物、作物を見付けることが必要なんですけれども、日本の場合には、残念ながら様々な宗教的な理由やいろんな理由があって、お米を豚に食わせることはいかぬという気持ちが強いわけですね。でも、それは越えなきゃいけない。豚に食わすのがいかぬであれば豚肉食べちゃいかぬということなんですよね。鳥肉も食べちゃいかぬと。トウモロコシ、じゃ、トウモロコシを主食にしている国に、トウモロコシ取り上げていっていいのかという話になるわけですよね。ですから、そういう意味で、農業と風土と文化、食料、この関係をもう一回見直す必要が、必要だろうと思います。  それから、もう一つ、ちょっとだけ言っておくと、ヨーロッパで条件不利地対策を取っているときに、よく山の方が、傾斜地だから、条件が悪いから、条件不利地、いや、山岳地という条件でもって金払っている、単純な見方されていますけれども、一番根本的なことを分かりやすく言うと、山間部での酪農をした場合に、山間部では飼料穀物を栽培することは不可能なんですよ。年間の積算温度が二千四百度に上がらないような地域では、どうしても牧草に偏らざるを得ない。牧草に偏れば、当然、濃厚飼料ではないですから、収量が下がってきちゃうんですね、現実問題として。  他面、平らなところであれば、平らなところであれば、ここは周りにたくさん穀物を作るところがあって、しかも、かつてであれば、外国から輸入する、ロッテルダム、一番近い場所に皆立地しているわけですから、移動コストも安いんですね、運賃も。そして、穀物が入ってくる。したがって、こちらは濃厚飼料になっている。これ、条件による差なんですね。これを補っているんですよ。  だから、条件不利ってそういうふうに考えていくと大事なのに、日本の場合はそれが不明確で、中山間地域直接支払が提供されている唯一の、いわゆる単純な条件不利でない地域が……

谷口信和 の他の発言

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○参考人(谷口信和君) 今日は、報告の機会をいただき、ありがとうございます。  私は、改正基本法と食料供給困難事態対策法案、長過ぎですけれども、これの関連という視点から報告したい…
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○参考人(谷口信和君) そういうことで、受皿の問題をやっぱりしっかり議論して、いろんなことを考えなきゃいかぬということだけ申し上げて、終わります。  ちょっと超過しました。失礼し…
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○参考人(谷口信和君) 私は、いろいろありますけど、一言で言えばサステナビリティーだと思います。サステナビリティーというのは、別に農業だけじゃなくて、今、地球も含めてそれが最大の課…
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○参考人(谷口信和君) やはり、何というかな、励まされるということが少な過ぎるんですね、農業は。いつも駄目だ駄目だばっかり言われていて、教育でも、全てそうですけど、日本人、今欠けて…
2024-06-06 · 参議院農林水産委員会
○参考人(谷口信和君) 価格変動が大きいときに対応するのは、厳密に分析して、これこれの価格が必要だとやるとすごく時間が掛かりますから、取りあえずこのぐらいで我慢してくださいねという…
2024-06-06 · 参議院農林水産委員会
○参考人(谷口信和君) 個々の技術がどうこうという議論は余りしてもしようがないんですね。例えば、空中で防除するという体制を、今始めたんじゃなくて昔からずっとやっているわけです。当時…
2024-06-06 · 参議院農林水産委員会
○参考人(谷口信和君) はい。  北海道の浜中なんですけれども、ここは平らだけれども牧草しかできないからなんです。こういうことをもっともっと日本に広げていけば、条件変わってくるだ…

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