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伊藤孝江 ·公明党

参議院法務委員会(2024-03-22)での発言

第213回国会 ·第第2号号 ·2,497字
○伊藤孝江君 今、個別具体的なオンラインでの流れというのが分からない中での一般論としてのお答えをしていたわけですけれども、私自身も、相続関係を確認をしていくという仕事、弁護士としてやっていた中で、戸籍を見て相続人が誰なのか、また、相続人を探すためにどういう戸籍をたどっていかないといけないのか、どういう除籍が必要なのかということも含めて、かなりやはり悩ましいところでもありますし、複雑な問題を抱えていると。これを一般の方が、法的な知識がない方が、自らこの相続が発生をしたときに、相続人を、法定相続人が誰なのかを登記を追って確定するとか必要なものを探していくというのは、やはりなかなか難しいのではないかというふうに現実思います。  その中で、オンラインサービスで登記を集め、法定相続人が誰かを確定していく作業、これはやはり、専門的な知識があっての、助言や回答も駄目だという話もありましたけれども、そういう相談業務も相まって作られているのではないかというのはやはり推測されているところでもあります。  司法書士の先生方が、一般的に相続登記を行う場合にどういう業務の流れをされているのかというのを、ちょっと具体的に地元でお伺いをさせていただきました。  まず、面談による聞き取りを行う。次に、依頼者の確認ですね、人の確認を行う。次に、登記事項の調査、物の、物権の確認をする。次に、被相続人と不動産の登記名義人が同一であるということを確認をする。次に、それに伴って、書類の取り寄せ並びに公的書類の確認をし、戸籍などの読み取りを行っていくと。そして、申請書のデータを入力し、次に、相続関係説明図を作成する。そして、委任状、遺産分割協議書等の作成書類等の書類説明並びに署名押印時の意思確認を行うと。次に、登録免許税の計算、もし評価が、土地の評価、不動産の評価がない場合には、法務局に近傍の土地の評価の取り寄せをし、計算をする。そして、申請書を作成し、添付書類をつづり、次に、申請をし、これは原則オンライン申請を現状されている。そして、登録免許税のオンライン納付、若しくは印紙を貼り付け、法務局に持ち込み、これは郵送も可能です。そして、完了日の確認をし、補正通知の場合はその対応をして、登記が完了し、開始をすると。そして、その上で、申請事項が登記された事項と相違ないことを確認し、登記識別情報の返却並びに保管方法などの説明をする、いわゆる登記識別情報の説明を御本人に行うと。そして、後日の質問などに対する対応としてアフターフォローまでする。  というような、番号で並べると十九項目に並べていただいたんですけれども、これだけの作業を、しっかりと専門家の知識の中で、的確に何が必要かを判断し、それに即して適切に対応するということをされているというのが現在の実情です。  このことを考えたときに、オンラインで自分で登記、簡単にできますよというのが本当なのだろうかというところも疑問に思うところでもあります。実際にこのオンラインサービスの中でこれまでに利用をされた方の声では、相談に丁寧に応じていただいて、教えていただいて助かりましたであるとか、助言をしていることがうかがわれるような声というのもたくさん上げられているものもあると。そう思ったときに、このオンラインサービスが、一見依頼者、ごめんなさい、一見この利用者の方に簡便な仕組みを提供しているように見えて、本来であれば専門家が適切に判断をして的確な対応をするための、きちんとした、貴重な、それこそ本来であれば守られるべき権利を奪ってしまうことにもなっているんじゃないだろうかと。  ここにも、しれっとというのか簡単に、先ほど遺産分割協議書も作りというのも簡単に書いていただいていましたけれども、もう大変難しいことでもありますし、遺産分割協議書を、本当に相続人の複数の方が自らの意思でその結論を、しっかりと効果も理解をして、またそもそもの権利も理解をして書類を作っているのかどうかというのも、法的知識がない方にお任せをするとやっぱりそれは難しいし、そうなると後日の紛争の種にもなってしまうというのが実情です。  これらが、一つ一つの手続に意味があって、法的な効果もしっかりと理解をした上で進めなければならないからこそ専門家である司法書士あるいは弁護士にしかできないんだというふうにされているということを、しっかりと知っていただかなければならないのではないかということを考えています。  今、規制緩和の流れが、まあ今というよりも、ずっと規制緩和の流れもあります。昨年の臨時国会のときには、私自身も定款認証制度の見直しの問題も取り上げさせていただきました。また、様々な分野でオンラインサービスも増え、便利さや簡便さが強調されるようになってきております。これからオンラインサービスがなされる分野もますます広がっていくと思われますが、民間事業者のサービスが本来司法書士と弁護士しか対応できない業務まで対象とするというのは、決して許されることではありません。  以前、平成三十一年ですけれども、そのときには民間事業者によるウェブを通じた商業登記書類の作成という問題もありまして、このときも私も取り上げさせていただいた中で、その後には、この民間のサービスはもうしないと、撤回するというような形になりました。  そのときにも私も指摘をさせていただいたんですけれども、司法書士の先生方の仕事は、申請書に単に必要事項を記入する作業ではなく、その本質は、これに至る前段階を含む全体のプロセスを踏んで、各段階で適正に判断し対応できる資格者だからこそ認められた必要事項の記入作業であると。これを軽んじるということは、まさにその資格制度の根幹を揺るがしかねない問題であるというふうに私自身は考えております。  国民の利益を擁護するという観点からしても、法務省は違反のおそれがある情報を把握した場合には迅速かつ厳正に対処をする必要があると考えますが、いかがでしょうか。

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