○山添拓君 日本共産党を代表し、岸田総理の訪米報告について総理に質問します。
総理は九年ぶりの国賓待遇での訪米でした。米国はその理由をどう説明しましたか。
前回は二〇一五年四月、安倍元総理が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した翌年でした。今年の日米首脳共同声明は、GDP比二%への軍事費増額、敵基地攻撃能力の保有決定、統合作戦司令部の設置、防衛装備移転三原則と運用指針の改定を米国が歓迎するとしています。国賓待遇は、安保三文書の閣議決定で米国に都合の良い安保政策の大転換を進めた御褒美だったのではありませんか。
最大の焦点は、米軍と自衛隊の指揮統制の連携強化を一層進め、日米軍事同盟の歴史的大変質をもたらそうとしていることです。
共同声明は、作戦及び能力のシームレスな統合を可能にし、平時及び有事における自衛隊と米軍との間の相互運用性及び計画策定の強化を可能にするため、二国間でそれぞれの指揮統制の枠組みを向上させるとしています。
シームレスな統合とは何か。防衛大臣は十六日の外交防衛委員会で、日米が共同対処等を行う場合に、陸海空及び宇宙、サイバー、電磁波など、様々な領域での作戦や能力をシームレスに連携させていく必要があるという趣旨だと述べました。共同対処という以上、日米の部隊同士が文字どおり一体化するということではありませんか。
米インド太平洋軍司令官アキリーノ氏は三月二十日の米下院公聴会で、我々が持つ同盟国及びパートナー国との力強いネットワークは、長期にわたる競争において最も重要な非対称のアドバンテージだと述べ、対中国で、米軍の優位性は同盟国の存在であると公言しています。自衛隊は、事実上米軍の指揮下で、あたかも米軍の一部隊のように扱われるということではありませんか。
トマホークを始め敵基地攻撃能力の運用は日米共同作戦が前提です。標的の探知、追尾、攻撃による効果の判定など自衛隊単独では困難であり、情報収集とその分析能力で圧倒的な米軍との共同が不可欠だからです。
自衛隊と米軍が日米共同作戦計画の策定を進めていると報じられます。今回の共同声明における合意は、日本の敵基地攻撃能力保有に伴い共同作戦計画が進展したことから必要となったのではありませんか。
米国の軍事シンクタンクCSISは昨年六月、退役海軍少将マーク・モンゴメリー氏の論考を発表しています。日米の部隊協力は、一九七〇年代には互いの衝突回避というパートナーシップだったのが、二〇一〇年代までにはよく調整された関係となり、統合部隊の側面を現し始めているとし、自衛隊と米軍ほどの高い相互運用性を備える国は地球上にないとまで評価しています。その上で、米国は、今後五年間に直面する事態で中国を抑止し打ち負かすことができない、日米が統合され、かつ効率的な指揮統制を図ることが侵攻の抑止に大きな効果を持つなどとあおっています。共同声明に言う統合も、こうした評価と狙いに基づくものですか。
米国は、米国が中心となり同盟国と関係を結ぶハブ・アンド・スポークから、米国の同盟国同士の連携を強める格子状の同盟へと変容を迫っています。軍事的な同盟関係をネットワーク化し中国と対峙しようとする米国に、日本も同調するのですか。
米英豪の排他的な軍事枠組みであるAUKUSと先端軍事技術で日本が協力すれば、地域における軍事的緊張と対抗を激化させ、悪循環を招くのは明らかではありませんか。
今年の外交青書には、中国との関係について、双方が共通の利益を拡大していく戦略的互恵関係の推進が五年ぶりに明記されました。対話を重ね、共通の諸課題については協力する関係を掲げながら、米国主導の軍事ブロックづくりに加担し、圧力を強めるのは矛盾ではありませんか。答弁を求めます。
共同声明は、抑止力の強化を繰り返し強調し、日米で兵器の共同開発、生産を進めるために日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議を開催すると宣言しています。優先分野に掲げるミサイルはどのような性能を想定したものですか。日米から輸出することも検討しているのですか。新たなミサイルの開発、生産が抑止力を高めるとする根拠は何ですか。
日米は二〇〇六年度から迎撃ミサイルSM3ブロックⅡAを共同開発し、昨年納入され、イージス艦への配備が進められています。SM3を含むミサイル防衛システムの導入は二〇〇三年末に決定されました。以後今日まで、ミサイル防衛予算の累計は幾らになりますか。日米合作でミサイル防衛強化をやみくもに進めた結果、地域の緊張関係を一層高める現状をもたらした事実をどう認識していますか。今後も続けるなら、果てしない予算を注ぎ込み、終わりのない軍拡競争となるのは明らかです。やめるべきです。
共同声明にはまた、米海軍艦船などの日本の民間施設での共同維持整備が盛り込まれました。米国は、なぜこんなことまで要求しているのですか。
米海軍長官のカルロス・デル・トロ氏は二〇二二年十二月の講演で、損傷を受けた艦船でも迅速に戦闘に復帰できるよう、可能な限り戦闘地に近い場所で修理する必要があるなどと述べています。中国との戦闘を念頭に、米軍の戦闘継続を支えるために日本の民間企業をも動員するつもりですか。答弁を求めます。
共同声明は、米国の拡大抑止を引き続き強化するとし、次回の日米2プラス2の機会に拡大抑止に関する突っ込んだ議論を行うよう求めるとしています。突っ込んだ議論とは何を期待しているのですか。日本に米国の核兵器を置くことの検討を求めるなど断じて認められないと考えますが、総理の認識を伺います。
四月二日、米軍横田基地にB52戦略爆撃機が通告なく飛来しています。拡大抑止だと言い、こうした核戦力の運用を拡大強化させるつもりですか。
総理が、広島出身を語りながら核兵器禁止条約に背を向け続け、核抑止力論にいつまでもしがみつくのは到底許されないことを指摘いたします。
日米同盟の抑止力を理由に、沖縄辺野古新基地建設を唯一の解決策として強行すると明記したことに断固抗議します。総理は、沖縄県民多数の意思が辺野古新基地建設に反対であることをバイデン大統領に伝えましたか。
普天間基地の米軍オスプレイが傍若無人の飛行を続けています。事故による運用停止の解除後、日米で合意した午後十時以降の離着陸は何回ありましたか。騒音防止協定違反をやめるよう求めましたか。そもそも事故原因すら明らかにしないことに沖縄を始め全国から抗議の声が上がっています。運用停止と撤去こそ求めるべきではありませんか。
首脳会談のファクトシートに記された環境問題に関する協力とは何ですか。米軍基地由来と見られる有機フッ素化合物、PFASの問題について、基地内での調査と対策を求めましたか。米国環境保護局は、総理が訪米中だった四月十日、法的強制力を伴う飲料水の規制値を決定しました。日本の目標値の六倍厳しい値です。米国の基準を在日米軍基地でも適用させますか。答弁を求めます。
首脳会談や米国議会の演説ではにかむ総理の様子からは、日米軍事同盟の下で現にある国民の苦難に寄り添う姿勢は全く見受けられません。それどころか、軍事的対抗を強め、一層の危険と負担をもたらす同盟関係の大変質へ突き進んでいます。
今必要なことは、地域の全ての国々を包摂する対話と協力の枠組みをつくり発展させる外交による平和の創出であることを強調し、質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
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米中央軍は八日、イラン船籍のタンカー二隻をオマーン湾で攻撃したと発表しました。イラン側は、国…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=山添拓
MCP: search_diet_speeches(speaker="山添拓")