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福島みずほ ·立憲民主・社民

参議院本会議(2024-05-15)での発言

第213回国会 ·第第18号号 ·5,537字
○福島みずほ君 立憲民主・社民の福島みずほです。  私は、会派を代表し、ただいま議題となりましたデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案について質問します。  マイナンバーカードの不正成り済まし事件について質問します。  自民党の市議が、偽のマイナンバーカードを成り済ましで使われ、スマートフォンの機種変更がされ、高級時計を購入されるなどの被害を訴えています。このようなマイナンバーカードの成り済まし詐欺事件数は、警察庁もデジタル庁も把握していないとのことでした。マイナンバーに関する政策を強引に進める割に、このような件数を把握していないというのは無責任ではないでしょうか。  また、今回の事件のように、マイナンバーカードを身分証明として使える場面で店頭や民間企業が目視で正規のものかを確認するケースがあります。しかし、成り済ましを防ぐためのカードリーダーの設置は義務付けられていません。このような事件が発生するということは、制度的にも運用的にも欠陥があるということではないでしょうか。どのような対策を考えていますか。大臣の答弁を求めます。  今回の法改正でマイナンバーカードがスマートフォンへ搭載されれば、スマートフォンの盗難や紛失などにより犯罪が起きる可能性が増大し、また、成り済ましや乗っ取りなどのリスクが増大することは明らかです。このような危険性について対策ができているでしょうか。問題ではないですか。  デジタル社会の実現に向けての政府の政策について質問します。  二〇二三年六月九日、デジタル社会の実現に向けた重点計画が閣議決定されました。社会全体のデジタル化は、安全、安心を前提とした人に優しいデジタル化を実現するとしています。しかし、個人情報とマイナンバーのひも付け誤り等、安全、安心とは言えません。また、反対の声が多い健康保険証の全面廃止を決めるなど、人に優しいデジタル化ではありません。  政府は、人に優しいデジタル化を進めているとお考えですか。どこが優しいとお考えでしょうか。大臣の答弁を求めます。  政府は、デジタル社会形成のための基本十原則としてオープン・透明、公平・倫理を挙げています。しかし、健康保険証の廃止など、オープンでも透明でも公平でも倫理的でもありません。政府自身がデジタル社会形成のための基本十原則を全く守っていません。  デジタル庁は、二〇二三年十二月二十日、AI時代の官民データの整備・連携に向けたアクションプランを発表しました。少子高齢化、人口減少社会において求められるサービスの実現としてデジタル化を挙げています。  ところで、少子高齢化に対する切り札がデジタル化なのでしょうか。大臣の答弁を求めます。  高齢者の皆さんと話をしていて、デジタル化をしてほしいという声を聞いたことがありません。少子高齢化の中でみんなが望んでいるのはケアを社会の真ん中に据えた社会です。安全、安心に暮らしていく社会を望んでいます。  地域の疲弊を生んだのは、政府の第一次産業の切捨て政策です。少子化を生んだのは、政府の非正規雇用四割をつくった労働法制の規制緩和という雇用の破壊であり、ジェンダー平等を実現しない政策です。その根本原因を解決しないまま、デジタル化すれば問題が解決するかのように多くのエネルギーや予算を投入することは間違っています。  デジタル化はあくまでも手段にすぎません。本来手段にすぎないデジタル化を徹底することだけが政府の政策として述べられており、手段にすぎないものを自己目的化してしまっているのではないでしょうか。マイナンバーカードの普及率向上を目的とした政策ばかりが実行されているのではないでしょうか。  政府・自民党は、少子高齢化を口実に地方公務員を減らすと言い、地方公務員を減らす口実にデジタル化を言い、官民の情報を集め、管理と民間の金もうけのためにデジタル化を進めようとしているのではないですか。答弁を求めます。  費用対効果の悪さについて質問します。  二〇二〇年九月から、マイナンバーカードの取得を推進するための予算規模三千億円弱のマイナポイント事業が開始されました。二〇二二年六月からは、マイナポイント事業の第二弾として一・八兆円もの予算を確保し、テレビCM等の広報にも力を入れています。政府によるデジタル化は、湯水のごとく多額の税金を効果の薄い政策につぎ込んでいる状況ではないでしょうか。  これまでの政府によるデジタル化の三十年来の失敗を繰り返さないためには、手段にすぎないデジタル化を自己目的化してきた歴史を今こそ建設的に政策転換すべきではないでしょうか。  二〇二〇年に国連事務総長の公表した最高の願望、人権のための行動の呼びかけは、最新テクノロジーは監視、抑圧、オンラインでの嫌がらせやヘイトスピーチを通じ、権利やプライバシーの侵害に利用されることが余りに多くなっていると指摘しています。  福祉制度のデジタル化は、効率性を高める可能性があるものの、最も必要としている人々を排除する危険性があると考えます。新しい技術の進歩が、人権を侵食し、不平等を深め、既存の差別を悪化させるために利用されないことが重要です。  この人権のための行動呼びかけは、日本の政策においてどのように生かされているのでしょうか。このような視点は一切ないのではないでしょうか。  改正法案の問題点について質問します。  マイナンバー制度は、当初は社会保障、税、災害対策分野の三分野を利用範囲として運用が開始をされました。しかし、二〇二三年、マイナンバー法が改正され、三分野以外に利用範囲を拡大するとともに、法律で定められた事務に準ずる事務は、省令で定めさえすれば、マイナンバーを利用し、情報提供できるようになりました。  今回の法改正は、電子証明書のほか、新たに券面記載事項もスマートフォンに搭載可能にすることで電子証明書の利用を促進するものです。しかし、携帯し紛失の危険のあるスマートフォンの安全性とともに、電子証明書の発行、シリアル番号をIDとして利用し、個人情報をひも付けていく利用拡大には危惧があります。シリアル番号の利用規制は不十分ではないでしょうか。大臣の答弁を求めます。  今回の改正で、次期個人番号カード導入に当たり、性別は券面から削除するということを盛り込んでいます。券面から削除するとしても、国が開発、無償配布するというアプリでは性別情報を読み取ることができるとしており、結局それは意味がないのではないでしょうか。アプリを見ることができる対象をどう限定し、どう規制をするのか、お聞かせください。  保険証と運転免許証を統合したマイナンバーカードを紛失した場合、再発行するときの身元保証としては主にパスポートを使うことになりますが、パスポートを持たない人もいます。複数の本人確認が一体化されていくと、紛失した場合に身元確認が困難になるという問題が生じます。運転免許証とマイナンバーカードの統合は行う必要がないのではないでしょうか。  一般社団法人情報システム学会の「マイナンバー制度の問題点と解決策」に関する提言にもありますが、身元確認機能と真正性確認機能と属性情報確認機能の三つを一枚の物理的なカードに全て収める理由は存在しません。世界的にこの三つが一緒になっているカードは存在するのでしょうか。存在しないと思いますが、いかがですか。  発生している問題点への対応について質問します。  二〇一九年に発生したリクナビ事件は、リクルートキャリア社が提供する大手就職情報サイト、リクナビにおいて、学生の閲覧履歴等を基に、同社が作成したアルゴリズム、計算方法に基づいて、顧客企業に対して学生ごとの内定辞退率スコアを提供していたという事件です。リクナビを利用する学生にとって極めて不利益の大きい方法でデータの取扱いがなされていました。利潤のためにこのようなプライバシー侵害、人の情報が売られるということが行われています。  デジタル社会のこのような問題点をどう考えるか、どのような規制をしていくのか、大臣の答弁を求めます。  公正取引委員会の役割についてお聞きをします。  GAFAなどと呼ばれるアメリカの巨大IT企業をめぐっては、アメリカやヨーロッパ当局などが市場の独占で自由な競争を妨げているとして規制強化に乗り出しています。日本の公正取引委員会も、グーグルがLINEヤフーの広告事業を不当に制限したのではないかということで、独占禁止法違反の疑いで調査に乗り出しました。二〇二四年三月、グーグルに対して確約手続に係る通知を実施、グーグル社は公正取引委員会に対して改善計画を提出し、公正取引委員会は処置内容の十分性と確実性を認めたことで確約手続が完了しました。  この件だけではなく、新たな時代の流れの中で、公正取引委員会はこれまで以上に大きな役割を期待されていると考えますが、公正取引委員会委員長の答弁を求めます。  AIの規制について質問をします。  各国でAIによる問題が次々と起こっています。例えば、二〇一八年、アマゾンが差別的な人材採用AIを廃止しました。AIが意図的に差別をするわけではなく、既に社会にある偏見や差別がバイアスとしてAIに投入された結果、負の循環を引き起こしてしまうのです。  また、とりわけAIを戦争目的で利用する問題は現実のものになっています。例えば、現在、ガザに対してイスラエルが行っている戦闘ではAIが実際に使用され、女性や子供たちが亡くなっています。  まず、政府において、現在、AIをどのように活用しているのか、お聞かせください。政策形成や質問主意書の答弁などに使っていますか。デジタル大臣の答弁を求めます。  日本の個人情報保護法では、そもそもアルゴリズムの透明性に関する規定はなく、EUのAI規制案やデジタルサービス法などと比べれば十分ではありません。アルゴリズムを第三者がチェックすることが全くできません。法律で規制をする必要があると考えます。  マイナ保険証について質問をします。  デジタル大臣が自民党国会議員に配布した文書は大問題です。マイナ保険証が利用できない医療機関があった場合、マイナンバー総合フリーダイヤルに通報するよう支援者への呼びかけを依頼する内容です。利用率が低いのはトラブルだらけだからであり、医療機関のせいにして密告を奨励するのは大問題です。  マイナンバーカードの取得は任意であるのに、なぜ医療機関から患者は声を掛けられなければならないのでしょうか。デジタル大臣の答弁を求めます。  マイナ保険証への対応が困難であったり、事務局を更に増やさなければならないことの負担など、様々な理由から医院を閉鎖するという声を聞きます。また、患者さんから、かかりつけ医の先生が対応できないので医院を閉鎖すると言われたが、何とかならないかという声も大変多く聞きます。  どうですか。結局、大事な医療機関を潰していくことにつながっていると考えますが、政府はその声や実態をどのように捉えているのでしょうか。デジタル大臣、厚生労働大臣の答弁を求めます。  健康保険証の廃止というのは強制です。マイナンバーカードの取得は任意ではないんですか。マイナンバーカードの取得は任意であるということと健康保険証を一切使えなくなるということの論理的関連性について説明ください。デジタル大臣の答弁を求めます。  二〇二二年六月の通常国会まで厚生労働省は、健康保険証は廃止をしません、マイナンバーカードの取得は任意なので健康保険証を使い続けたい人は使うことができますと国会で何度も答弁をしてきました。国会で何度も確認答弁を取ってきたのに、それが河野大臣の鶴の一声で何でほごにされるんですか。鶴の一声でほごにされるのであれば、国会審議は意味を成しません。国会を一体何だと思っているんですか。国会無視じゃないですか。デジタル大臣、厚生労働大臣の答弁を求めます。  マイナンバーカードの取得は任意であるというマイナンバー基本法を踏みにじり、人々や医療従事者の負担や疑問を踏みにじり、ひたすら全ての人にマイナ保険証を無理強いで持たせようとしています。医院が潰れることなど歯牙にも掛けません。水俣病患者の声も聞きません。三分で自動的に音声を切るなど、あってはならないことです。これらこそ、国民の声を聞かず、ごり押しをする自民党傲慢政治の象徴ではないでしょうか。  課税について質問します。  GAFAは日本でどれだけ税金を納めているのでしょうか。教えていただいていませんが、企業の社会的責任という観点から開示すべきではないですか。財務大臣の答弁を求めます。  二〇二五年にOECD条約案で、巨大ITなどを対象にデジタル課税が発効すると言われています。OECDにおける日本の役割は大きいと考えますが、どのように考えていますか。財務大臣の答弁を求めます。  そこ行けそこ行けデジタル法が通る。そこ行けそこ行けマイナ保険証が通る。ごり押しで、国民の利害や気持ちや利便やそういうことを全く考えず、成り済ましや様々な被害に頬かむりしてやることは問題です。  誰一人取り残さない社会をつくるべく政治は全力を尽くすべきだと申し上げ、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕

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