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伊藤岳 ·日本共産党

参議院本会議(2024-05-15)での発言

第213回国会 ·第第18号号 ·2,969字
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。  会派を代表して、デジタル社会形成基本法等の一部改正案について質問します。  デジタル化は、新しい科学技術の発展であり、その活用は国民生活の利便性を大きく高めるものです。同時に、デジタル技術や最先端のAIなどを開発、利用するGAFAなどの巨大IT企業は、圧倒的な世界市場のシェアの下で革新的技術の独占とデータの囲い込みによって巨大な利益の獲得を競っています。  全ての国民がデジタル技術にアクセスできる権利、不利益、不公正な取引や詐欺などにさらされる危険から消費者を擁護する仕組み、個人情報保護の徹底と自己情報コントロール権などの保障が不可欠であり、デジタル関連の諸施策を進める上では、十分な情報公開の下で国民の理解と納得を得ること、地域住民の意思と地方自治体の主体的な判断が尊重されるべきです。  ところが、岸田政権は、これらを全く置き去りにしながら、国、地方等が持つ行政情報の利活用を求める財界の意向を最優先に、強引かつ高圧的なやり方で政府のデジタル政策を押し付けています。  第一に、岸田政権があくまでも現行の健康保険証を廃止するとしている問題です。  武見厚労大臣は、マイナ保険証の利用率にかかわらず、二四年十二月二日から健康保険証の発行を終了すると言い放ちました。国民の不安をあおり、マイナ保険証の利用を迫ることはやめるべきであります。武見大臣、マイナンバーカードの取得もマイナ保険証の利用も任意であり、義務ではありませんね。明確な答弁を求めます。  総点検とは別に、データを住基台帳と照合した結果、新たに判明した保険証のひも付け誤りは何件になるのですか。マイナ保険証のひも付けは、住基台帳のデータベースを使った個人の特定の中で、氏名や住所の表記などからどうしても誤りが生じてしまうという構造的な欠陥があり、政府の総点検では全く解決されていません。マイナ保険証のひも付け誤りは、判明したもの以外にも更にまだ残っているのではありませんか。残っていないと断言できますか。以上、武見大臣の答弁を求めます。  マイナ保険証の利用率は、四月時点で六・五六%です。武見大臣、マイナ保険証の利用が依然として低い水準にとどまっている原因をどう分析していますか。国民の不信が背景にあると考えませんか。  河野大臣は、マイナ保険証の利用を受け付けていなかったり、マイナ保険証の利用者に紙の保険証の提示を求める医療機関があれば、専用窓口に連絡するように呼びかける文書を配布しました。河野大臣、密告を勧めるおつもりですか。マイナ保険証の利用を強要する保険証の廃止は撤回すべきです。答弁を求めます。  次に、スマートフォンへのマイナンバーカード機能の搭載についてです。  本法案は、個人を特定する機微な情報であることからマイナンバーカードにしか記載されてこなかった氏名、住所、生年月日、性別のいわゆる四情報と顔写真をスマートフォンに搭載するものです。スマートフォンを使ってマイナンバー法上の本人確認が可能となり、利用範囲が更に広がることは、同時に、紛失や盗難などを通じてマイナンバーカードの搭載情報が他人に渡る危険性も格段に高くなり、詐欺の標的にもなる危険性をはらむものとなります。既にマイナンバーカードの目視確認を悪用して他人のスマホを乗っ取るSIMスワップ詐欺が相次いでいます。  政府は、マイナンバーカードは安全、安心と繰り返してきました。河野大臣、安全、安心の過信が詐欺犯罪の狙い目になったのではありませんか。読み取りアプリの無償提供などを表明していますが、イタチごっこにならない保障はありますか。併せて答弁ください。  松本大臣、施設に入所する高齢者、障害を持つ方などに対応して総務省が発行した暗証番号を不要とする顔認証マイナンバーカードは、スマートフォンに搭載できるのですか。  消費者基本法に基づき、二〇二五年には第五期消費者基本計画が決定されます。基本計画の策定に向けた基本的方針では、高齢化の進展やデジタル技術の革新で消費者を取り巻く環境には著しい変化があるとして、デジタル社会における誰しもが不利益、不公正な取引にさらされる可能性に配慮した消費者利益の擁護を掲げています。  自見大臣、マイナンバーカード機能のスマホ搭載は、高齢者を含めた多くの国民が言わば常に実印と身分証明書を一緒に持ち歩く状況をもたらします。どのように対応するのですか。答弁を求めます。  国の情報システムと自治体情報システムの標準化についてです。  デジタル庁は、国の行政機関が行う情報システムの整備、管理に関する必要な予算を一括して要求し、確保しています。河野大臣、二〇二一年度補正予算以後二〇二四年度の当初予算までにデジタル庁に一括計上された国の情報システムの整備、運用経費の合計額は幾らですか。  デジタル庁は、二〇二〇年度の時点での政府情報システムの運用等経費及び整備経費のうち、システム改修に係る経費を二〇二五年度までに三割削減することを目指すとしています。しかし、国の情報システムの整備、運用に係る経費の全体は、毎年度増額する傾向です。運用等経費などの三割削減は達成できるのですか。  本法案は、法人の商業登記や不動産登記のデータベースを公的基礎情報データベース、すなわちベース・レジストリとして整備し、行政機関の間で情報連携をさせます。  河野大臣、これまで官報の印刷などのために国立印刷局が保有してきた法人などのデータを一括管理し、これを活用し、情報連携を行うならば、情報漏えいの危険性は高まるのではありませんか。この業務の主務大臣に内閣総理大臣を加える必要がなぜあるのですか。  国の行政機関等のガバメントクラウドは、アマゾンなどの海外クラウドサービスに圧倒的に依存しています。国の行政機関等のデータが海外事業者のクラウドに保有されることの危険性について考えていますか。  自治体情報システムの標準化への移行が地方自治体に大きな苦痛をもたらしています。  二〇二五年度までの移行期間に間に合わない自治体は、二十の政令指定都市の全てを含め百七十一団体に上り、人口では約五千万人に及びます。  自治体情報システムの標準化は、自治体の施策を国が構築するシステムの鋳型の範囲に収め、自治体が住民福祉のために行う独自施策を大きく制限するものです。全ての自治体を対象に、期限を決めて二十もの基幹業務をガバメントクラウドに構築された標準準拠システムに移行させるやり方には無理があります。しかも、システム構築の設計書となる標準仕様書が、定額減税の導入など岸田政権の都合で繰り返し改版されてきたことは重大です。  河野大臣、標準仕様書が二〇二二年八月以降二〇二四年四月までに三回以上改版されたのは、二十の対象基幹業務のうち幾つあるのですか。  自治体の持ち出しが増えています。松本大臣、デジタル基盤改革支援補助金の上限を撤廃し、同補助金は二〇二五年度以降も延長すべきではありませんか。  以上、答弁を求め、質問とします。(拍手)    〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕

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