○松沢成文君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の松沢成文です。
会派を代表して、グローバル戦闘航空プログラム、いわゆるGCAPの政府間機関、GIGOの設立に関する条約について、以下、防衛大臣に質問いたします。
まず、条約の前に、その前提となる防衛装備品の移転、いわゆる武器輸出の在り方について伺います。
日本を取り巻く安全保障環境が戦後最悪と言われる中で、平和を維持していくためには、我が国の防衛力を抜本的に強化すると同時に、同盟国、同志国との安全保障協力を深化させていくことが欠かせません。
一昨年閣議決定された国家安全保障戦略では、防衛装備品の第三国移転を日本にとって望ましい安全保障環境創出の重要な政策的手段と意義付けています。にもかかわらず、今回の国際共同開発による防衛装備の完成品については、一般的原則として第三国への直接移転を認めず、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機に限り認め得るとしたのは、余りにも分かりにくく、腰の引けた消極的な対応ではないでしょうか。これで日本にとって望ましい安全保障環境が創出できるのでしょうか。見解を伺います。
〔議長退席、副議長着席〕
今後、防衛装備品については、次期戦闘機に限らず、高性能化、高価格化していくのは必然です。先端技術を駆使した新兵器の開発競争が加速し、そうした防衛装備品の開発は一国では難しく、国際共同開発の流れは止まらないと想定されます。
その中で、日本だけが複雑な手続を設け、その都度、移転可能な対象として例外的に承認をするような体制では、時間的にも手続の面でも共同開発国に敬遠され、支障を来す可能性が大きいのではないでしょうか。見解を求めます。
今後の防衛装備品の在り方については、運用指針に設けた制限を撤廃し、防衛装備移転三原則の原点に立ち返るべきです。
我が国では、昭和から平成にかけて、武器輸出に対して何と二十一件の個別の例外措置が重なったために、改めて防衛装備移転三原則を設けました。にもかかわらず、共同開発した防衛装備品の第三国への移転を運用指針でその都度判断して今回のような例外化措置を設けていくのは、極めて場当たり的な対応です。これでは国際的にも透明性に欠け、企業にとっても予見可能性に欠けます。
今回の防衛装備品の輸出は、平和国家としての三原則を堅持した上で、複雑で分かりにくい運用指針の制限は撤廃すべきです。その上で、第三国への移転に関しては、安全保障環境を勘案し、国際的な安全保障環境を勘案し、客観的、合理的にその妥当性を個別に判断していくべきと考えますが、見解を求めます。
そして、政府が今後、共同開発した次期戦闘機を第三国に輸出する場合、これまで同様、事前に与党と協議した上で閣議決定することになりました。しかし、防衛装備品の輸出という日本の安全保障上最も重要な問題に、なぜ国民の代表である国会が関与できないのでしょうか。与党だけではなく、国会の議論も経て判断すべきです。米国では連邦議会への事前通告と拒否権が与えられています。国会の関与の必要性について見解を求めます。
それでは、GIGOの設立条約に関連して伺います。
日英伊三国は今回の共同開発で第六世代の戦闘機を造ろうとしていますが、それはどのような機能と特徴を持ったものなんでしょうか。現在使われている第五世代の戦闘機に比べ、どのような進化が期待されるものなんですか。第六世代の戦闘機の導入によって日本の航空優勢はどのように実現できるのでしょうか。
国際共同開発は、協議、交渉が長引き、予定どおりに進まないことが多々あると聞いていますが、二〇三五年の初号機導入には本当に間に合うのでしょうか。GIGOでの三か国協議が少しでも遅れていけば、次期戦闘機の配備時期が遅れ、日本の防衛力が劣化してしまいます。もしそうなったら、どう対応するのですか。
その場合の保険として、二〇三五年に退役予定のF2戦闘機の延命措置が必要だと考えますが、それは技術的に可能なのでしょうか。見解を伺います。
条約の合意内容を見ると、英国の主導権が強いと思われます。GIGOの本部は英国に置かれ、企業側の共同事業体制の本部も英国に置かれます。もちろん使用言語も英語です。今後、GCAPに係る主要事項は英国主導で協議、決定されていくものと想定されます。英国は外交手腕にたけた国です。この英国主導体制の中で、日本はどのようなリーダーシップを発揮していくのでしょうか。見解を伺います。
英国とイタリアは、これまでに戦闘機の多国間での共同開発を複数回経験し、トーネードやユーロファイターという戦闘機を開発、生産、輸出してきました。そのノウハウを蓄積しています。これに対して、日本は初めての経験で、今後の協議、交渉で主導権を握るのはかなり難しいと思われます。政府はどのような戦略をもって対応していくのでしょうか。
また、日本側で開発の中核を担うとされる三菱重工は、国産初のジェット旅客機、スペースジェットの開発を断念しており、戦闘機を造るには経験が不足だと思われます。英国のBAEシステムズやイタリアのレオナルドのような経験豊富な企業を相手にどのような役割が期待できると考えているのか、見解を伺います。
開発された戦闘機をどのように同志国、友好国に売り込んでいくかも大きな問題です。英国とイタリアはこれまでの経験から輸出後のサポートのノウハウも持っていますが、日本にはその経験がありません。装備品のバーター取引、いわゆるオフセットへの対応も課題とされます。その上、日本の輸出対象は防衛装備品・技術移転協定の締約国に限定されます。そうした中でどのような輸出戦略を考えていくのか、見解を伺います。
本条約における機密の保持について伺います。
条約の加盟国内では、様々な品目や情報を可能な限り移転させなければならなくなります。そうであれば、日本としては、機密情報を守るために、日本と防衛装備品・技術移転協定と情報保護協定の二つを締結している国以外は新規の加入を認めるべきではないと考えますが、見解を伺います。
また、GIGOの実施機関には、専門的な技術を有する者であれば日英伊の国民でない者も入り込む余地があります。スパイが侵入するのを防ぐために適性検査を厳しく行う必要があると考えますが、専門人材の参加の可否判断はどのように行うのでしょうか。
GIGOの締約国と実施機関における機密情報の保持、漏えい防止はどのような措置がとられるのか、伺います。
最後に、改めて申し上げますが、世界全体の安全保障環境が極めて厳しい状況にある中で、日本の防衛と世界の平和を実現するには、もはや一国平和主義では不可能であり、無責任です。権威主義国の力による侵略を防ぐには、自由、人権、民主主義、法の支配という価値観を共有する同盟国、同志国と連携、協力して、抑止力、対処力を強化しなければなりません。
日本維新の会は、このような積極的平和主義に立って我が国の安全保障政策を確立してまいります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣木原稔君登壇、拍手〕
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