○伊藤孝恵君 本改正の目的の一つ、住宅団地の再生でございます。
一九六〇年代から、人口増加の受皿として東名阪の郊外を中心にいわゆるニュータウンと呼ばれる住宅団地が開発され、子育て世帯が一斉に入居をいたしました。私も、一九七五年生まれの第二次ベビーブームで、まさに父が三十歳で二十五年のローンを組んで買ったマンモス団地で育ちました。当時は定年が五十五歳だったので、かつ木造だったので、三十年ローンが組めずに二十五年ローンだったというふうに父が言っておりました。
最初は、家の周り、何にもなかったんですけれども、ある日、団地側に駅の改札ができて、そして大型スーパーが誘致されて、それから団地の中に大きな公園とか幼稚園もできて、子供会の行事は常にありましたし、鍵っ子だった私を近所のおじちゃんとかおばちゃんがみんなで見守ってくれていたというような記憶がございます。それが今では、週末に帰ると、なじみの商店は撤退をしていたり、それから近所のおじちゃんもおばちゃんも亡くなっていたり、そして施設に入られている方が多かったりして、空き家が目立つようになりました。
この空き家の相続人というのは大概子供世代ですけれども、都会に働きに出ておりますので、そこに戻る気はなく、売却のために更地にするとしても大体三百万から五百万ぐらい掛かってしまうので、結果、放置をしているといった状態です。庭の木の枝は道路にはみ出るぐらいに荒れておりますし、車も十年以上放置されていてほこりがかぶっていたりして、これいけない状態なんですけれども、こんな景色が普通に広がっているニュータウンというのが今全国におよそ三千か所存在し、親たち世代の高齢化と住宅の老朽化、空き家の増加とコミュニティーの弱体化、生活利便性や地域の足の脆弱性などが指摘をされております。
国土交通省が住宅団地の実態調査を行いましたけれども、ニュータウンのおよそ七割というのが建築物の用途制限が厳しい住居専用地域に指定されており、うち戸建て住宅のみが全体のおよそ半数を占めております。
分譲マンションの場合は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律に基づき、老朽化が進んで維持、修繕が困難なため建て替えるマンションには容積率等の緩和特例がある一方、戸建て住宅を主体とするニュータウンには同様の制度はありませんでしたので、本法案で土地利用規制の見直しが行われることは評価に値します。
一方で、肝腎なPPPですよね、官民連携の推進体制については課題があると思っておりますので、その辺りを私は今日は中心に大臣に御所見を伺ってまいりたいと思っております。
このニュータウンに対する問題意識を六二・九%の市区町村が持っておりますが、再生に係る取組をしているのは現在およそ二割でございます。そして、その内容は、高齢者対応、若年世帯転入促進、空き家利活用支援などいわゆる対処療法的なものが中心で、抜本的な取組とは程遠い状態にあります。
理由として挙げられているのは、ノウハウ不足と人的資源の不足。だからこそ、本法案では、民間団体等が市町村に対して再生事業計画を提案できる仕組み、第十七条を創設したのだと思いますけれども、このノウハウ不足を理由に再生に着手できなかった自治体が、どの程度これ事業計画の見聞きができるのだろうかという疑問は残るところであります。
そして、令和五年六月、デジタル田園都市国家構想実現会議の資料の中には、今後高齢化の進展により地域コミュニティーの衰退や空き家対策の増加が懸念される郊外住宅団地について、住民や民間事業者等と連携した再生の手法について検討を行い点々々とあります。
このニュータウン開発時の事業主体は三二・一%が地方自治体です。土地区画整理事業が六三・一%でしたけれども、事この再生に関しては、同じ者が行うことはもう極めて困難です。
鉄道事業者や不動産会社、ハウスメーカー等、ニュータウンの再生がビジネスとして成立し得る、この民間事業者をいかに巻き込むか、つまり、この民間事業者の事業性をいかにして高められるかに注力しなければならないにもかかわらず、この本法案にはその視点が足りないように思うんですけれども、大臣、これどのように民間事業者の参画を促すか、教えてください。
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