○内閣総理大臣(石破茂君) 玉木雄一郎議員の御質問にお答えを申し上げます。
能登地域の災害への予算面での対応についてお尋ねをいただきました。
今般策定することといたしております経済対策の裏づけとなる補正予算においては、能登地域の災害からの復旧復興にも対応することといたしております。一方で、予備費であれば更に迅速な対応ができること、一般予備費に十分な残額があることを踏まえ、予備費も活用して切れ目なく被災地の支援を行うことにより、能登地域の早期の復旧復興に向けた対応に万全を期してまいる所存であります。
解散についてのお尋ねをいただきました。
内閣は、憲法第六十九条の場合に典型的に表れておりますように、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるような場合には、衆議院の解散権を行使することができると考えております。その法的根拠としては憲法第七条の規定であり、今般表明した衆議院の解散につきましても、同様に考えております。
衆議院解散権の行使につきましては、その濫用を慎むべきことは言うまでもありませんが、今回、新しい内閣が発足したことに伴い、国民の御意思を確かめる必要があるとの観点から、衆議院の解散を行うとの判断をいたしました。
今般の解散についてのお尋ねであります。
この度、新内閣が発足したため、できる限り早期に国民の皆様方の御判断をいただくことが重要だと考えております。
一方で、総選挙に向けては、国民の皆様方に御判断をいただける材料を真摯に提供することも重要です。引き続き、自分自身の言葉で語り、誠心誠意、国民の皆様方に御判断いただくための材料を提供いたしてまいります。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題等に関する認識と再調査についてのお尋ねをいただきました。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する一連の問題につきましては、御指摘があった公職選挙法違反の件も含め、第三者である検察による厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたものと承知をいたしております。
また、様々な報道等があることを承知しておりますが、自民党における外部の弁護士を交えた聞き取り調査などでは、捜査権がなかったり、書類の保存期間を経過していたりという制約の中でも、可能な限りの事実関係の把握、解明の努力が進められてきたものと認識をしております。
国民の信頼を回復するために今後更に行うべきことにつきましては、これまでの取組の経緯等を踏まえつつ、適切に判断をいたしてまいります。
政治資金収支報告書に不記載があった議員の公認の方針等についてのお尋ねをいただきました。
公認につきましては、昨日、自民党総裁として公表したところでありますが、自民党党則における選挙における非公認よりも重い処分を受けた者などは非公認とし、その他の不記載があった議員についても、比例名簿には登載しないこととするとの方針を示したところであります。
具体的に誰を公認するかにつきましては、選挙対策本部において、各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ、適切に判断をいたしていくことになります。
このような厳しい姿勢で臨むことにより、ルールを守る自民党を確立いたしてまいります。
アジア版NATOについてのお尋ねをいただきました。
アジア版NATOにつきましては、これまで、私自身、一国会議員としての考え方を累次申し述べてまいりました。これは、一朝一夕で実現するとは思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障の課題等に取り組んでいく必要があると考えております。
同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から検討し、対応いたしてまいりますが、具体的な態様につきまして予断を持ってお答えすることは差し控えてまいります。
日米地位協定改正及び国外犯処罰規定の整備についてのお尋ねをいただきました。
日米地位協定に関しましても、これまで、私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、これも一朝一夕で実現するとは思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、その強靱性、持続性を高めていくとの観点から、検討し対応いたしてまいります。
自衛隊の国外犯処罰規定につきましては、海外における自衛隊の活動が一層増加、多様化していることを踏まえ、その過失行為に係る処罰規定の在り方について検討を進め、成果を得たいと考えております。
東京と平壌における連絡事務所についてお尋ねがございました。
我が国の北朝鮮に対する基本方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するというものであります。
とりわけ、拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であるとともに、その本質は国家主権の侵害であり、政権の最重要課題であります。
御質問の点も含め、今後の対応について具体的にお答えをすることは差し控えますが、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下、総力を挙げて取り組んでまいります。
基礎控除等の引上げ及び年少扶養控除の復活についてお尋ねをいただきました。
基礎控除等の引上げは、何年も物価上昇や構造的賃上げが継続的に持続する局面においては検討課題となり得るものでありますが、我が国経済は、現時点では、デフレを脱却できるかどうかの瀬戸際にいるものと認識をいたしております。物価高の影響を特に受ける低所得者世帯向け給付金などにより、足下で物価高に苦しむ方々への支援をきめ細かく行うとともに、物価上昇を上回って賃金が上昇するといった成長と分配の好循環を実現していくことが重要であると考えております。
年少扶養控除の復活につきましては、児童手当の抜本的拡充など、主として歳出面で前例のない規模で子供、子育て政策の強化を図っておるところであり、検討課題とはいたしておりません。
教育、科学技術予算と奨学金の返済免除についてお尋ねを頂戴いたしました。
人的資源への最大限の投資を行い、あらゆる人が最適な教育を受けられる社会を実現するとともに、科学技術、イノベーションを推進し、日本経済の活性化と成長を加速させるため、必要な教育、科学技術予算を措置してまいります。
一方で、教育国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があると考えております。
奨学金の返還免除につきましては、教職の高度化を図る観点から、教師について、令和七年度より教職大学院修了者等に限り免除することといたしておりますが、他の分野については、返還を完了した方との公平性や職業間の公平性等の観点から、慎重な検討が必要であると考えております。
燃料油及び電気・ガス料金に係る補助等についてお尋ねをいただきました。
燃料油の激変緩和対策につきましては、年内に限って支援を継続することとされ、岸田前総理は、経済対策の策定と併せて、骨太二〇二四を踏まえ、早期の段階的終了に着手すべく取り組むと表明しております。
電気・ガス料金につきましては、酷暑乗り切り緊急支援として、八月から十月の使用分に限って支援を実施しており、十月末で終了することといたしております。
エネルギーコストを含めた物価高対策につきましては、状況を丁寧に見極めながら、低所得世帯向けの給付金や重点支援地方交付金を含め、今後、経済対策について議論していく中で、総合的に検討いたしてまいります。
御指摘の揮発油税の減税につきましては、ガソリン等の流通現場や国民生活に混乱を与えないようにするといった実務面の課題、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情等を踏まえる必要があり、税率を引き下げることは考えておりません。
また、再エネ賦課金につきましては、カーボンニュートラルを実現する観点から、国民負担を抑制しつつ、再エネの最大限の導入を図ることが政府の基本方針として重要であります。引き続き、この方針に沿って、制度を着実に運用してまいります。
原子力発電所の利用に対する私の考え方についてお尋ねをいただきました。
AI時代の電力需要増加が見込まれる中、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めるため、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギーの拡大とともに、安全性の確保を大前提とした原子力発電の利活用も必要であります。
省エネや再エネの最大限の追求により、将来、結果として起こり得るとしても、原発のウェートを減らすことが目的ではなく、使える技術は全てを使い、可能性を最大限に引き出しながら、日本経済をエネルギー制約から守り抜くという私の考えは、一貫しておるものでございます。
消費税率の引下げについてのお尋ねをいただきました。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
一方で、今後、経済対策を早急に策定し、足下で物価高に苦しむ方々に対しての支援を行うとともに、成長分野に官民挙げての思い切った投資を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図ってまいります。
尊厳死の法制化についてお尋ねを頂戴いたしました。
いわゆる尊厳死につきましては、国民の生命観や倫理観に関わる問題であり、法律に定めるかどうかも含めて、幅広く国民の間で議論がなされるべきものであると考えております。
政府としては、これまで尊厳死を定める法律案の検討は行ってはおりませんが、人生の最終段階の医療、ケアについて、本人が家族等や医療、ケア関係者と繰り返し話し合うプロセスが重要であると考えており、その普及啓発に取り組んでまいります。
水田活用の直接支払交付金と米に対する直接支払い制度等についてお尋ねを頂戴いたしました。
議員御指摘の交付金要件の見直しは、本交付金が水張りの機能を有する水田を活用した生産を支援するものであることを明確にするものであり、適切なものであると考えております。
輸入に依存する麦、大豆等の生産支援につきましては、主食用米の需要が減少を続ける中、必要なものと考えております。
また、所得を補償する政策は、農業者の創意工夫や日々の努力にブレーキをかけ、また、農地の集積、集約化が進まなくなるおそれがある等の指摘もございます。
新たな食料・農業・農村基本計画を今年度中に策定することといたしており、米政策につきましても、関係者の御意見をよく伺いながら、方向性を示してまいります。
以上であります。(拍手)
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=石破茂
MCP: search_diet_speeches(speaker="石破茂")