○内閣総理大臣(石破茂君) 小川淳也議員の御質問にお答え申し上げます。
APECにおきます私の所作について、様々な御批判、御叱声、御指摘があることは重々承知をいたしております。私自身、足らざる部分が多々ございました、そのように認識をいたしておるところであります。謙虚に、真摯に受け止めた上で、改善に努めなければならないと痛感をいたしておるところであります。
衆議院解散・総選挙の振り返り、所感についてであります。
解散時期につきましては、新内閣の発足に当たりまして、国民の皆様方の御意思を確かめる必要があると判断をいたしました。この判断は憲法の趣旨にも沿うものだと考えております。
衆議院選挙におきまして、自由民主党は、国民の皆様方から厳しい御批判を頂戴し、審判を頂戴したところであります。この結果は、自由民主党の、あるいは私の姿勢に対します国民の皆様方の叱責というふうに受け止めておるところであります。
先般の選挙で示されました国民の皆様方の声を踏まえまして、比較第一党として、自由民主党と公明党との連立を基盤に、他党にも丁寧に御意見を承り、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、謙虚に、そして真摯に、国民の皆様方の安心と安全を守るべく取り組む所存であります。
衆議院総選挙におきます公認の方針、党内人事等についてであります。
お尋ねは政党の内部運営に関わることであり、政府としてお答えをすることは差し控えますが、自民党総裁として申し上げれば、さきの衆議院議員総選挙におきましては、自民党党則における選挙における非公認よりも重い処分を受けた者などについて非公認とするという判断をさせていただいたものであります。
党内人事につきましては、人材育成の観点も踏まえつつ、適材適所で党において判断をいたしております。
また、無所属で再選した議員の会派入りにつきましては、円滑な国会運営に向けて判断をいたしたものであります。
再選を果たした関係議員は、政治資金収支報告書の不記載について真摯に反省し、それぞれの選挙区において主権者である国民の審判を受けてきたものであり、国民の負託に応えるため、引き続き力を尽くしていただくことを期待いたしております。
自民党の支部政党交付金についてのお尋ねを頂戴いたしました。
お尋ねは政党の内部運営に関わることであり、政府としてお答えをすることは差し控えますが、その上で、総裁としてあえて申し上げれば、お尋ねの支部政党交付金は、党の政策を国民の皆様方に御理解いただくための広報活動など党勢拡大のために使用していただくべく、政党支部に対して党として支給をいたしたものであります。
非公認の候補者となる見通しの方が支部長を務めている政党支部に対しましては、支給通知書に、党勢拡大のための活動費であることを明記いたしており、これが非公認候補者の選挙運動に使われることはないことから、裏公認料、事実上の選挙資金といった御指摘は当たりません。
なお、選挙区支部自体が存在しない場合には、当然、支部政党交付金は支給しておらないものでございます。
さきの衆議院総選挙におきます政策活動費の支出についてお尋ねがありました。
政策活動費につきましては、現在、合法なものではありますが、その使い方は抑制的でなければならないと考えていたところであり、さきの衆議院議員総選挙においても、選挙運動のための政策活動費の支出は行っていないものと認識をいたしております。
党首討論における発言等についてのお尋ねを頂戴いたしました。
我が党から依頼を受けた外部の弁護士が本年二月に取りまとめた聞き取り調査に関する報告書には、収支報告書に全く記載されず裏金として使用可能な金銭の招来を防ぐことができなかったとの指摘がございます。これは政治資金規正法上の不記載に当たるものであり、我が党として真摯に反省しなければなりません。
関係議員においては、事実関係を確認し、収支報告書の訂正を行っており、党としても再発防止に取り組んでいるところでございます。
なお、不記載相当額の二倍を自民党から寄附をするとの御指摘がありましたが、党として、これまで公表した資料にそのような内容を記載したものはなく、また、何らかの方針を決定しているというものでもないことから、コメントをすることは差し控えさせていただきます。
自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題に関する事実関係の確認についてであります。
事実関係につきましては、第三者である検察により、厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたところであります。
また、党においても、可能な限りの調査を行い、その結果を国民の皆様に説明をいたしてまいりました。さらに、各々が、政治倫理審査会の場を含め、あらゆる場を積極的に活用して説明責任を果たすよう、党として促してきたところであります。
大切なことは、二度とこのような事態を繰り返さないということであります。政治と金の問題には厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいります。
また、政策活動費の廃止を始め、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進め、政治資金規正法の再改正を含めた必要な法整備に誠心誠意尽力してまいる所存でございます。
最低賃金の引上げについてのお尋ねを頂戴いたしました。
最低賃金につきましては、先日、私の政権で初回となる政労使の意見交換を開催し、最低賃金を引き上げていくための対応策を来春までに取りまとめるよう、関係閣僚に指示をいたしました。
持続的、構造的賃上げに向けた価格転嫁等の取引適正化の推進、省力化、デジタル化投資の推進、人への投資の促進及び中堅・中小企業の経営基盤の強化、成長の支援といった、生産性を向上させるための支援策などについて検討してまいっておるところであります。
今後も、政労使の意見交換を開催し、官民挙げて問題の深掘りや環境の整備を図り、政権として、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けてまいります。
国立大学等の授業料と学校給食費についてのお尋ねを頂戴いたしました。
国立大学等の授業料を含め、高等教育費につきましては、本年度から、授業料の減額等の対象を多子世帯の中間層等に拡充し、令和七年度から、無償化の対象となる多子世帯の所得制限をなくすことといたしており、まずはこうした拡充を着実に実施に移し、その上で、教育の機会均等や少子化対策の観点から、その効果を見定めつつ取り組んでまいります。
学校給食費につきましては、今回の経済対策において、現在の物価高などの状況を踏まえ、地域の実情に応じた保護者負担の軽減の観点から、学校給食費の支援も行えるように重点支援地方交付金を追加しております。
学校給食費の無償化につきましては、学校給食の実態調査の結果を踏まえつつ、給食未実施校や、実施校でも喫食しない児童生徒には恩恵が及ばないといった児童生徒間の公平性、低所得世帯の児童生徒は既に無償化されていることに伴う支援対象の妥当性、給食費に係る就学援助について、いわゆる三位一体改革により税源移譲、一般財源化を図った経緯を踏まえ、国と地方との役割分担、少子化対策としての政策効果、給食に係る経費の負担を定めた学校給食法の在り方などの法制面等、考えられる課題を整理いたしてまいります。
こうした際には、子供、子育て加速化プランにおいて、児童手当の抜本的拡充や、先ほど申し上げた高等教育費の負担軽減を進めているところであるなど、家計を支援する様々な施策を総合的に考慮する必要もある、このように考えております。
総裁選の公約についてのお尋ねを頂戴いたしました。
新しい地方創生本部の創設、防災庁の設置、自衛官の処遇改善等につきましては、既に十月の所信表明演説で方向性を示させていただき、現在、具体的な取組や検討を進めております。
下請代金法の改正、住宅支援などは、今般の所信表明演説や経済対策において方向性や具体的取組の第一歩を示しておるところでございます。
そのほか、総裁選で私が取り組みたいと示したその他の政策案につきましては、引き続き真摯に検討を進め、結論を得たものから速やかに実施をいたしてまいります。
金融所得課税についてのお尋ねを頂戴いたしました。
金融所得課税につきましては、税負担の公平性を確保することが重要である一方、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにすることも重要であります。これらを総合的に考えていく必要があるものと考えており、現時点では、金融所得課税の強化について具体的に検討する考えはございません。
アベノミクスと金融政策についてお尋ねをいただきました。
アベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。他方、一人当たり平均の実質賃金が伸び悩むとともに、個人消費も力強さを欠いていたと認識いたしております。
岸田内閣が進めてきた取組を着実に引き継ぎ、更に加速、発展させることで、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現いたしてまいります。
金融政策の具体的手法については、日銀に委ねられるべきものと認識をいたしておりまして、政府としてコメントすることは差し控えます。日銀には、引き続き、政府と緊密に連携を図り、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営が行われることを期待いたしております。
消費税についてお尋ねを頂戴しました。
消費税につきましては、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全世代型社会保障制度を支える財源であり、今後とも重要な役割を果たすべきものと考えております。現時点では、消費税率の引上げを含む将来の消費税率の在り方について、具体的に検討いたしておるわけではございません。
専守防衛と非核三原則についてであります。
我が国としての取組は憲法や国際法の範囲内で行われるものであり、平和国家として専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならないとの基本方針は、今後もいささかも変わるものではございません。
また、非核三原則を政策上の方針として堅持いたしており、これを見直すような考えはございません。
御指摘の学会での発言につきましても、核抑止の考え方を説明いたしたものであり、我が国の核保有については、その必要はない旨、併せて明示的に発言していることを申し添えます。
憲法改正について、総理大臣の立場から内容について直接申し上げることは差し控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、自民党においては、憲法改正の条文案の起草に向けた議論が行われており、本年九月には自衛隊の明記について論点整理が行われたところであります。党として行われたこの議論は、私も引き継いでいく考えであります。
なお、憲法審査会におきましては、これまでも長年にわたり様々な議論が行われてきたところであり、これらの積み重ねの下に建設的な議論が行われ、国民的な議論が深まることを期待いたしております。
森友学園案件、加計学園案件、桜を見る会案件についてお尋ねをいただきました。
いずれの件も、それぞれ経緯や状況は異なるものと承知をいたしておりますが、国民の皆様方からの様々なお尋ねに対しまして、関係府省において今後とも丁寧に説明していく必要があるものと考えております。
文書公開につきましては、情報公開法等の関係法令に基づき、適切な対応がなされるべきものでございます。
旧統一教会と自民党との関係についての調査についてのお尋ねを頂戴しました。
自民党におきましては、令和四年に、各議員が旧統一教会との過去の関係を詳細に点検、報告するとともに、それ以降に新たな接点が明らかになった場合には、その都度、追加的に報告、説明を行うよう求めてきたところであります。
当該団体は、長年にわたり、多様な組織形態や名称の下で様々な活動を展開しており、個々の議員が全ての接点を網羅的に把握し切れない場合があることも事実であります。新たな接点が判明いたしました場合には速やかに報告、説明するとともに、未来に向かって当該団体と関係を持たないことを徹底することは大切であると考えており、引き続きこの方針を堅持いたしてまいります。
沖縄振興予算についてでありますが、沖縄振興予算は、厳しい財政状況の下、毎年度、必要な予算を積み上げて決定されているものであり、見せしめ、あるいは脅しという指摘は全く当たりません。
令和六年度当初予算につきましては、強い沖縄経済の実現に向けて総額二千六百七十八億円を計上しており、また、先般閣議決定した令和六年度の補正予算におきましても、沖縄における水道施設の老朽化対策の支援等を実施しますため、総額二百八十億円の沖縄振興予算を計上しております。
これらの予算を効果的、効率的に執行するとともに、来年度におきましても、必要な予算を確保し、沖縄振興の経済効果を十分に沖縄県内に波及させ、それを実感していただけるよう、沖縄経済の強化に向けて支援を継続いたしてまいります。
中東外交についてでありますが、日本政府として、現下の中東情勢の緊張の高まりを深刻に懸念いたしております。私自身も、地域における人道状況の悪化に心を痛め、超党派人道外交議連のメンバーとして活動いたしてまいりました。
我が国は、独自の取組を通じて、これまで中東各国と良好な関係を築いてまいりました。こうした外交資産の土台の上で、関係国、国際機関とも緊密に連携し、中東の緊張緩和と情勢の安定化、そして国際機関による人道支援活動が可能な環境の持続的な確保に向け、積極的に外交努力を行ってまいります。
政治改革実現に向けて決意をお尋ねいただきました。
御指摘の海士町の取組は、改革を自ら実行するという前町長の山内様の姿勢が町民に波及し、相乗効果を生んだというすばらしい事例であり、お聞きして教訓とすべき点が多々あるように感じたところでございます。
亡くなられました山内前町長とは、生前、個人的に大変親しくさせていただいておりました。私自身、海士町を訪問し、遅くまで山内さんと語り合ったことをよく覚えております。みたまの安らかならんことを心よりお祈りをいたすものであります。
この事例は、先般御紹介いたしました伊仙町の事例とも相通ずるものがあろうかと思います。その精神には学んでいかなければなりません。
政党の在り方や政治資金の在り方など、議会政治の根幹に関わります問題につきましては、各党各会派で御議論いただくべきものではございますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党としても、謙虚に、真摯に、誠実に国民の皆様方と向き合いながら、その共感を得られるよう、政策活動費の廃止、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進め、政治資金規正法の再改正を含めた必要な法整備に誠心誠意尽力をいたしてまいります。
御指摘の有人国境離島につきましては、領海、排他的経済水域等の保全という目的に加えて、外海遠隔離島であるという著しい条件不利性に鑑み、特別の措置として、その他の離島よりも手厚く航路、航空路の運賃低廉化を図っております。
離島航路に対する支援につきましては、唯一かつ赤字の航路に対する欠損補助と運賃割引額への補助を基本としつつ、離島航路の海運事業者の生産性向上を図るための交通DX、GXを支援しております。
令和六年度当初予算に加え、今般の経済対策に盛り込んでおる予算も活用して、離島航路始め地域交通の維持、確保に努めてまいります。
今後の教育指針についてでありますが、御指摘の鳥取市青翔開智高校、御来県いただきまして誠にありがとうございました、青翔開智高校の建学の精神にはこのようにございます。「情熱と好奇心をもって物事を探究し、自律と協調の両立をはかり、共に成長し、たゆまぬ挑戦と努力の継続でさらなる飛躍を目指す事ができる有為な人材の育成を目指す。」とございます。私も、この精神には大いに共感をするところでございます。
正解のない時代に、自ら問題を探求し、他者と協調しながら、自ら考え、自由に人生を設計し、飛躍していく能力の育成を目指してまいります。
小川議員の教育の在り方につきましての御所見、共感するところは多くございます。御指摘、誠にありがとうございました。
洋上風力発電の推進についてであります。
洋上風力発電は、再エネの主力電源化に向けた切り札であります。これまで、再エネ海域利用法等に基づき、全国で五百十万キロワットの案件形成を進めてまいりました。
今後とも、二〇四〇年において三千万から四千五百万キロワットの案件形成を実現するという目標に向け、国が前面に立ち漁業者等と調整するとともに、排他的経済水域への設置を可能とする制度整備や技術開発など、浮体式を含め洋上風力発電の導入を積極的に進めてまいります。
温室効果ガスの削減目標についてでありますが、気候変動問題は世界全体で取り組むべき喫緊の課題であります。エネルギー起源CO2の排出量で見れば全世界の約三%を排出しております我が国は、世界全体での一・五度目標の実現に向け、これまでも着実に排出を削減してきております。
現在、次期削減目標の策定とその実現策について、国の審議会で検討を深めておるところでございます。脱炭素とエネルギー安定供給、経済成長の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績等を踏まえつつ、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。
実効ある地球温暖化対策のためには、我が国に比べても排出量の多い国々の取組が必要であり、その取組強化に向け、対話も進めてまいります。
今後の介護施設の整備及び職員の処遇についてであります。
高齢化が進む我が国において、今後とも必要な介護サービスを提供していくことが必要であります。その際、御指摘のあった介護施設だけでなく、在宅サービスもバランスよく整備をし、全体として、地域で高齢者を支える体制を計画的につくってまいります。
その中でも、介護職員の人手不足は喫緊の課題であります。介護職員の賃金は、全産業平均とは差があるものの、累次の処遇改善の措置により四・五万円程度改善してきております。令和六年度の報酬改定におきましても賃上げの措置を行うとともに、今般の経済対策でも介護人材の確保及び職場環境の改善に資する新たな事業を盛り込んだところでございます。引き続き、介護分野の更なる賃上げ等の支援の取組を進めてまいります。
集団的労使関係及び労働基本権についてでありますが、労働組合は、集団として労働者の意見をまとめ、使用者と交渉し、労働者の働きやすい環境をつくっていく重要な役割を担っているものと認識いたしております。他方、その結成又は加入につきましては、基本的には労使自治に委ねられるべきものと考えております。
中小企業等の労働者であっても、労働基本権を有することは当然であります。その上で、労働者の処遇の改善や働く環境の整備に引き続き取り組んでまいります。また、労働者が労働組合法を始めとする労働関係法令について知ることは、労働条件の確保の観点から重要であると考えており、引き続き、その周知等にも取り組んでまいります。
ネット上の言論を健全な民主主義の発展につなげていくための取組についてお尋ねをいただきました。
ネット上の偽情報、誤情報は、短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識をいたしております。
多様な関係者と連携協力を行いながら、ネット上の情報には偽情報、誤情報も含まれ得る等の認識を幅広い世代に広めていきますとともに、大規模なプラットフォーム事業者に対して、情報の削除を求められた場合に迅速に対応すること、こうした取組の状況の透明化を進めることなどを求める法改正に取り組むなどの対策を講じてきております。
鈴木総務会長の発言は承知をいたしており、引き続き、表現の自由に十分配慮しながら、現行法で対応できるかを検討し、必要に応じ、法規制も含めた更なる対応を検討してまいります。
最近の選挙の認識についてでありますが、選挙は、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、民主主義の根幹を成すものと認識いたしております。一定のルールの下、立候補者は選挙運動を通じて政見を訴え、有権者は各々の自由な意思に基づき投票先を選択するものと考えております。
議員御指摘のように、最近の選挙では、これまで経験したことのない特異な状況が発生いたしております。これに問題意識を持った与野党が集まり、法改正に関する議論を行うなどの動きが出ていると承知をいたしております。
他方、社会には様々な意見が存在しており、選挙を通じて、御指摘のような風潮も含めた多様な民意の反映と意見の集約を図ることは、民主主義を健全に機能させるためには重要であります。
もとより完全な選挙制度は存在せず、これまでも様々な試行錯誤が重ねられております。国民が政治に関心をお持ちになり、国民から信頼される政治を確立するために、各党各会派が選挙制度の在り方について真剣に議論していくべきであると考えております。
貧困と格差の拡大についてでありますが、格差や貧困を測るための国際的な指標には様々なものがありますが、我が国におきましては、近年、経済状況の好転や年金等の社会保障、税による再分配の効果により、これらの指標は基本的には横ばい又は改善傾向にあると認識いたしております。
その上で、貧困等により厳しい生活を送られている方々にきめ細かく対応いたしますため、生活困窮者自立支援制度における相談支援、最低賃金の引上げ、非正規雇用労働者の正社員への転換の促進といった総合的な対策を講じております。
また、誰もが地域で孤立せずに暮らせるよう、地域共生社会の実現を図るとともに、身寄りのない高齢者等が抱える問題への対応について検討を進めておるところでございます。
全ての人に安心と安全を。それが私の思いであり、国民お一人お一人が将来への希望を持つことができるよう、今後とも力を尽くしてまいります。
少子高齢化に伴う影響についてのお尋ねを頂戴しました。
社会保障制度については、これまでも、社会保障と税の一体改革の着実な実施など、給付と負担のバランスを図りつつ、制度の持続可能性を維持する改革に取り組んできたところです。引き続き、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障の構築に向け、昨年末に策定した改革工程に基づき、歳出改革を含む歳出の最適化を進めてまいります。
また、今回の物価上昇は、食料やエネルギー等の国際的な高騰を契機に、円安の進行も相まって、輸入物価が上昇したことを起点とするものであると認識しております。
こうした中、今回の経済対策では、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現するまでの間、賃上げの恩恵を受けにくい方々を支援するため、物価高の影響を受ける低所得者世帯向けの給付金や地域の実情に応じた物価高対策を後押しする重点支援地方交付金など、総合的な対応を講じてまいります。
食料やエネルギーの国産化につきましては、引き続き取り組んでまいります。
その上で、我が国経済は、バブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景に、他国と比べて低い経済成長が続いてまいりました。そうした中、実質賃金は、ほかの先進国では中長期的に上昇傾向にある一方で、我が国では横ばい傾向となっており、こうしたことから、物価上昇が家計に負担を生じさせる状況と認識をいたしております。
こうしたことから、賃金の上昇傾向を定着することが急務であり、総合経済対策に賃上げ環境の整備のための具体策を盛り込み、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現に向けて取り組んでまいります。
年金については、前年の物価等の変動に応じて年金額を改定することを基本としながら、マクロ経済スライドによって調整を行う仕組みとしております。これは、保険料負担が過重とならないようにするためのものであり、必要な措置であると考えております。
非正規雇用労働者につきましては、近年では特に高齢者などの労働参加が進む中で、柔軟な働き方として増加してきた面があります。他方で、非正規雇用労働者は、相対的に賃金が低いこと、雇用が不安定であることなどの問題や、いわゆる不本意非正規の割合は減っているものの、若年層では割合が高い等の課題があると認識をいたしております。
労働者派遣制度につきましては、労働者の多様な雇用機会を確保しながら、その処遇の改善を図ることが重要であると認識をしており、これまでの法改正を通じて、派遣労働者の雇用の安定のための措置の導入や、同一労働同一賃金の導入等による公正な待遇の確保を進めてきたところであります。
非正規雇用労働者の処遇改善に向けましては、引き続き、希望する方々の正社員への転換を支援するとともに、同一労働同一賃金の遵守徹底を図ることが必要と考えております。このためには、短時間正社員制度など多様な正社員制度の普及促進を図ることも重要と考えており、こうした総合的な対策を進めてまいります。
我が国経済は、バブル崩壊以降、金融システム問題やリーマン・ショックなど様々な困難に見舞われてまいりました。こうした中、企業は、賃金や成長の源泉である投資を抑制し、結果として、消費の停滞や物価の低迷、さらには成長の抑制がもたらされました。
こうした状況により低物価、低賃金、低成長というデフレの悪循環につながったことは、失われた三十年の基本的な構造であったと認識をしており、御指摘のように、この悪循環を逆回転させるということが必要でありますが、今まさに、約三十年ぶりの高い水準の賃上げなどの明るい兆しが表れており、我が国経済は、長きにわたったデフレマインドを払拭し、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にございます。
このため、今般の経済対策では、コストカット型経済から高付加価値創出型経済へ移行するため、円滑かつ迅速な価格転嫁を進めるとともに、省力化、デジタル化投資の促進などの支援を盛り込んだところであります。人への投資や官民連携の国内投資によって、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力を高めるなど、将来も継続的に所得が増加する手だてを講じてまいります。
社会保障の給付と負担及び資産との関係についてでありますが、少子高齢化が進行する中にあっても、社会保障制度を持続可能なものとするとともに、現役世代の負担を軽減していくことは重要な課題であります。このため、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築いたしてまいります。
これに向けて、昨年末に策定した改革工程に基づき、医療DXによる効率化、質の向上や医療の提供体制の改革を始め、医療、介護保険における金融資産等の取扱いの検討など、歳出改革を含む歳出の最適化を進めてまいります。
人口減少や少子高齢化等の経済社会の構造変化が進むとともに、税率の累進緩和等がなされる中、議員御指摘のように、所得再分配機能を有する相続税、贈与税は重要な役割を果たすものと考えております。
今後の相続税、贈与税の在り方につきましては、経済社会の構造変化に加え、再分配機能をどの程度発揮させるべきかという観点も踏まえつつ、税制全体の中で考えていくべき課題であると認識をいたしております。
政治に求められる機能についてのお尋ねでございますが、個別論を束ねる全体構造を示すことが政治の役割である、御提案につきましては、私自身は同じ認識であります。独立した、持続する日本の在り方を見出したいという思いで今後とも取り組んでまいります。
全ての人に安心と安全を。十月の所信表明で申し述べたとおりでございます。これを基盤として、お一人お一人が将来への希望を持ち、多様な幸せを実現していただける豊かな国づくりを進めたいと考えております。
この実現のためには、三つの重要課題に立ち向かってまいります。第一に、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、我が国の独立と平和、国民の命と暮らしを守り抜く。第二に、極めて深刻な人口減少の中にあっても、地域や経済全体の活力を取り戻す。第三に、激甚化する自然災害や頻発化する犯罪から国を守り抜く。こうした課題を乗り越えた先に、私どもが掲げます日本創生が実現できるものと考えております。
先般の選挙で示されました国民の皆様方の声を踏まえ、自由民主党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に御意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られますよう、真摯に、謙虚に、国民の皆様方の安心と安全を守るべく取り組んでまいります。
残余の質問については、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
〔国務大臣中野洋昌君登壇〕
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=石破茂
MCP: search_diet_speeches(speaker="石破茂")