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石破茂 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2024-12-03)での発言

第216回国会 ·第第4号号 ·8,148字
○内閣総理大臣(石破茂君) 前原誠司議員の御質問にお答えをいたします。  政策活動費についてであります。  政治資金に関するルールにつきましては、各党各会派で御議論いただくべきものというふうに認識をいたしておりますが、総裁としてあえて申し上げれば、政党から各級議員に支出され、その先の最終的な使途が公開されていない政策活動費は廃止することといたし、我が党として、所要の法案を提出いたしてまいります。  この結果、政党における最終的な支出先等については、基本的に全て公開をすることとなり、もはや従来の政策活動費ではなくなりますが、外交上の秘密、支出先のプライバシーあるいは営業秘密を害するおそれに配慮すべき場合など、一部の限定された支出については、相手方との信頼関係等にも関わることから、公開を行いつつも、公開の方法には工夫が必要であると考えております。  我が党としては、これらの支出につきましても、政治資金に関する第三者機関が中立的な立場から厳格な監査を行い、支出の適正を担保することを想定しており、不透明な支出を存置するというものでは全くございません。  今後、どのような公開の仕方があり得るのか、第三者機関の在り方をどうするかなどについて、我が党としても、各党各会派と真摯に議論を行いたいと考えております。  調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費につきましては、本年五月、我が党の岸田前総裁と御党の馬場前代表との間において、衆参議長の下に置かれる協議の場において前向きに議論を行い、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずることについて文書で合意が交わされております。  私も、自民党総裁として、その合意を引き継いでいるものというふうに認識をいたしております。  調査研究広報滞在費に関するルールの在り方につきましては、既に衆参の調査研究広報滞在費に関する協議会において御議論をいただいている、このように承知をいたしておりますが、総裁としてあえて申し上げれば、その使途公開と残金返納について年内に必要な法整備が図られるよう、我が党といたしまして誠心誠意尽力をいたしてまいります。  企業・団体献金等についてであります。  政党助成制度は、政党が民主主義の重要な担い手であることに鑑み、その費用を国民全体で負担するために導入されたものと承知をいたしております。  ただいま前原議員から、政党交付金は企業・団体献金を禁止する代替措置として創設されたとの趣旨の御発言がありましたが、政治資金規正法の平成六年二月の改正附則第十条が、改正法の施行後五年を経過した場合に、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附の在り方について見直しを行うものとすると規定していることから明らかなとおり、企業・団体献金の禁止が政党交付金の前提となっていたという事実はないものと承知をいたしております。  その上で、政治資金に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会において御議論をいただいており、政府としてお答えすることは差し控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、企業・団体献金は、長年の議論を経て、政党等に対するものに限定されるなど、様々な改革がこれまでも行われてきたところであります。  その上で、更なる規制の強化につきましては、最高裁判決でも認められている企業の政治活動の自由に関わるものであることから、必要性や相当性をよく議論する必要があるものと考えております。  政党として避けなければならないのは、献金によって政策がゆがめられることであります。これには、個人献金も企業・団体献金も違いはございません。我が党としては、企業・団体献金自体が不適切とは考えておりません。  他方で、企業・団体献金を含む政治資金について高い透明性を確保することは、政治資金規正法の目的及び基本理念に照らして、極めて重要であります。  政治資金規正法第一条は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公開などを行うと規定しております。また、同法第二条は、企業・団体献金を含む政治資金を民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるとした上で、その収支の状況に関する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないようにしなければならないとしております。  我が党としては、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築に取り組む方針であり、これにより、企業・団体献金を含む政治資金の透明性が飛躍的に高まり、国民の皆様の御判断に資することになると考えております。  教育の無償化についてのお尋ねを頂戴しました。  御指摘の高校段階の支援につきましては、所得制限を設けることで捻出した財源により低所得世帯への支援を拡充してきたところであり、このような基盤となる国の制度と、地域の実情を踏まえて地方自治体が上乗せして実施する支援が一体となって行われることが適切と考えております。  教育の機会均等という要請の中で、どこまで家計の負担軽減を図るべきかということにつきましては、引き続き考えるべき課題と考えております。  高等教育費につきましては、本年度から、授業料等の減額等の対象を多子世帯の中間層等に拡充をし、令和七年度から、無償化の対象となる多子世帯の所得制限をなくすことといたしております。まずはこうした拡充を着実に実施に移し、その上で、教育の機会均等や少子化対策の観点から、その効果を見定めつつ取り組んでまいります。  これらを考える際には、子供、子育て加速化プランにおいて児童手当の抜本的拡充や先ほど申し上げた高等教育費の負担軽減を進めているところであるなど、家計を支援する様々な施策を総合的に考慮する必要があると考えております。  いわゆる百三万円の壁についてのお尋ねでございますが、今般の経済対策におきましては、自由民主党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁については、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだところであります。  経済や地方税等の税収への影響など、専門的な観点も含めて様々考えねばならない論点があるものと認識をいたしております。そうしたことも踏まえ、今後、各党の税制調査会長間などで更に議論を深めていただきたいと考えております。特に、地方の首長の皆様の御意見は十分理解できるところであり、丁寧にお応えしてまいりたいと考えております。  いわゆる百三万円の壁、第三号被保険者、公務員の扶養手当支給基準についてのお尋ねを頂戴しました。  今般の経済対策におきましては、自由民主党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁については、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだのは、先ほど来申し述べておるとおりでございます。  経済や税収への影響など、専門的な観点も含めて様々考えなければならない論点があるものと認識をしており、そうしたことも含めて、今後、各党の税制調査会長間で更に議論を深めてもらいたいと考えております。  第三号被保険者の在り方につきましては、従来からその縮小に向けて被用者保険の適用拡大を進めてきたところであり、引き続き、年末の取りまとめに向け、社会保障審議会年金部会の議論を進めてまいります。  国家公務員の扶養手当につきましては、本年の人事院勧告において、配偶者の働き方に中立的な給与制度を目指し、配偶者に係る扶養手当の廃止及び子に係る扶養手当の増額が示されたところでありますが、引き続き、人事院勧告尊重の基本姿勢に立ち、適切に対応いたしてまいります。  いわゆる百六万円の壁についてでありますが、被用者保険の更なる適用拡大につきましては、次期年金制度改正に向けた議論の中で論点の一つと相なっております。  その際、百六万円の賃金要件につきましては、近年の最低賃金の引上げに伴い、週二十時間という労働時間要件を満たせば賃金要件を満たす地域や事業所が増えていることも踏まえ、検討が行われるものと承知をいたしております。  引き続き、働き方に中立的な制度を構築する観点から、関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力をいたしてまいります。  基礎控除及び給付つき税額控除についてでありますが、基礎控除の趣旨は、一定の額までの少額の所得については負担能力を見出すに至らないと考えられることから、税を課さないというものであります。  基礎控除を含む課税最低限につきましては、生計費の観点とともに、公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性などを踏まえ総合的に検討されてきており、その中で基礎控除の額も決定されてきたものと理解をいたしております。  今般の経済対策におきまして、先ほど来申し述べておりますとおり、いわゆる百三万円の壁については、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んでおります。  今後、各党の税制調査会長間で更に議論を深めてもらいたい、繰り返しになって恐縮でありますが、そのように考えております。  給付つき税額控除につきましては、財源確保という課題に加えまして、企業や地方自治体の事務負担、現行制度では把握をしておらない非納税者等の所得や世帯所得の正確な把握、所得は低いが資産を多く持っている場合の取扱い、生活保護などのほかの低所得者支援制度との関係を十分に整理する必要といった課題が考えられるため、その導入には慎重な検討が必要であると考えております。  社会保障制度改革についてでありますが、少子高齢化が進む中にあっても、国民が安心できる社会保障制度を構築するため、現役世代の負担を軽減し、誰もが年齢にかかわらず能力や個性を生かして支え合う全世代型社会保障を構築いたしてまいります。  その際、公的医療保険制度において、医療をより受ける方の保険料を引き上げることは課題が大きいと考えておりますが、昨年末に取りまとめられた改革工程におきましては、健康の保持増進の推進や患者負担に係る様々な施策が盛り込まれており、患者に対する必要な保障が欠けることのないよう、見直しにより生じる影響を考慮しながら、政府として、具体化に向けた丁寧な検討を進めてまいります。  補正予算の規模、経済対策の検証についてでありますが、我が国経済は、コストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にございます。今回の経済対策、補正予算は、この移行を確実なものとすることを目指して、必要な施策を積み上げたものであります。  具体的には、現下の賃上げができますよう、価格転嫁や省力化、デジタル投資を促進するとともに、将来の賃金、所得の増加に向けて成長力を強化する施策を盛り込んでおります。さらに、能登半島の一刻も早い復旧と創造的復興を一層加速するための対応を始め、国民の安心、安全の確保に万全を期するための施策も盛り込んでおります。こうした施策の積み上げの結果、昨年を上回る規模となったものでございます。  経済対策の経済効果につきましては、内外の経済動向や金融資本市場の動きなど、経済対策以外の影響もございます。したがって、専ら経済対策の効果だけを特定することは困難でございますが、各施策の執行状況や成果などの進捗管理を行っており、引き続きそのフォローアップに努めてまいります。  米国の政府効率化省と行政改革についてのお尋ねを頂戴いたしました。  行政運営が経済社会の変化に応じてその時々の重要課題に的確に対応してまいりますためには、議員御指摘のとおり、行政の無駄や非効率を排除し、行政機能を高める不断の努力が必要と考えております。  政府効率化省を始めとした米国の次期政権の動向について、引き続き注視をいたしてまいります。  東京の子育て環境及び今後の地方創生についてでありますが、御指摘のように、地方から東京を含む首都圏に若年世代が移住してきている状況があることや、東京の子育て環境につきましては住居費や教育費が高い等の実情があることは、よく承知をいたしております。  東京に続く第二極の育成との御提案でありますが、政府といたしましては、日本全国で今の子育て世帯に続く若者が増えることが重要であると考えており、若者や女性にも選ばれる地方づくりに取り組んでまいります。  このため、昨年末に取りまとめられましたこども未来戦略や働き方改革など、子育て支援を強力に推進するとともに、持てるポテンシャルがまだまだ眠っている地方の産業の高付加価値化など、地方創生二・〇に取り組み、多様性のある地域分散型社会をつくってまいります。  首都直下地震等の巨大災害の発生時に、首都中枢機能の継続性を確保することは極めて重要であります。  昨年七月に閣議決定をした国土形成計画では、巨大災害リスクの軽減のため、人口や諸機能が分散的に配置される国土構造の実現を目指しますとともに、政府機能等の中枢管理機能のバックアップを強化することを図りたい、このように考えておるところでございます。  これらに基づき、行政の代替機能につきましては、首都直下地震における緊急災害対策本部の代替機能の確保等に係る取組を推進いたしますとともに、経済中枢機能につきましては、企業における事業継続計画の策定等を促進してまいります。  地方への財源と権限の移譲についてでありますが、地方の自主性、自立性を高め、地域の実情に応じた自治体行政を推進するため、地方からの提案募集方式に基づき、規制緩和や事務、権限の移譲、それに伴う財源措置などを着実に進めてまいりました。  人口減少やデジタル化の進展など社会経済情勢の変化も踏まえながら、引き続き、地方の自主性、自立性を高めるための改革に取り組んでまいります。  前原議員御指摘の道州制につきましては、国と地方の在り方を大きく変更するものであり、国会における御議論も踏まえつつ対応する必要がある、このように認識をいたしております。  地方創生二・〇は、単なる地方の活性化策ではなく、日本全体の活力を取り戻す経済政策であり、国民の多様な幸せを実現するための社会政策であります。  持てるポテンシャルがまだまだ眠っている地方の産業や文化、これらを支える人材の力を最大限に引き出し、日本全体を創生していくことを目指しております。  この実現のために、産官学金労言の地域のステークホルダーが、いま一度、若者や女性にも選ばれる地域とするにはどうすべきかなどを真剣に考え、課題解決に向けた行動を起こすことが必要であります。  各省庁の縦割り、ばらまきを排するため、こうした持続可能となる取組に、交付金や規制・制度改革等の統合された施策を重点的に講じてまいります。  地方創生二・〇におきましては、多様性のある地域分散型社会をつくっていかねばならないと考えており、この点について御党の構想と同じ方向ではないかと考えております。  我が国の防衛構想と、米国と連携した防衛力、抑止力の増強につきまして、我が国として、力による一方的な現状変更の試みの深刻化や、北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射など、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、国民の命と暮らし、我が国の独立、平和を守り抜くため、防衛力の抜本的強化に努めております。  また、日米間では、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組の推進に加え、指揮統制、防衛装備・技術協力、同志国との連携に加え、南西諸島におけるプレゼンス、領域横断作戦等、幅広い分野での協力を進め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するための取組を着実に実施していく考えであります。  トランプ次期大統領に対しましても、こうした我が国自身の努力としての防衛力の強化、また、日米両国が共に協力していくことが、相乗的に、日本の国益にも合衆国の国益にもなり、インド太平洋地域の平和と安定にも資するものである、このようなことを説明してまいりたいと存じます。  トランプ次期大統領とも率直に議論を行い、同盟を更なる高みに引き上げたいと考えております。  USスチール買収案件についてもお尋ねを頂戴いたしましたが、本件につきましては、個別の企業の経営に関する事案であり、コメントは差し控えたいと存じます。  その上で申し上げれば、日米相互の投資の拡大を含めた経済関係の一層の強化、インド太平洋地域の持続的、包摂的な経済成長の実現、経済安全保障分野における協力等は、互いにとって不可欠であると認識をいたしており、平素から日米の間で幅広く議論を行ってきておるところでございます。  合衆国次期政権の気候変動対策と我が国の温室効果ガスの排出量削減の取組方針についてでありますが、気候変動問題は世界全体で取り組むべき喫緊の課題であり、引き続きCOP等における気候変動交渉に積極的に対応いたしてまいります。  次期削減目標の策定とその実現策について、国の審議会で検討を深めております。脱炭素とエネルギーの安定供給、経済成長の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度C目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績等を踏まえつつ、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。  実効ある地球温暖化対策のためには、我が国に比べても排出量の多い国々の取組が必要であり、その取組強化に向け、対話を進めてまいります。  次期政権発足後の合衆国政府による政策につきまして政府として予断を持ってコメントすることは差し控えますが、我が国としては、引き続き各国と連携し、気候変動問題に取り組んでまいります。  憲法改正についてであります。  総理大臣の立場から、憲法改正についての議論の進め方について直接申し上げることは差し控えます。  自民党総裁としてあえて申し上げれば、我が党では、憲法改正について議論を加速すべく、本年七月以降、衆参の実務担当者等から成るワーキングチームで議論を重ね、衆参所属議員双方における共通認識の確認や論点整理を進めてきたところであります。本年九月には自衛隊の明記について論点整理が行われたところであり、総裁として、これは引き継いでまいる考えでございます。  引き続き、これまでの議論の積み重ねの下、国会による早期の発議の実現に向け、自民党の憲法改正実現本部における党内での議論を加速してまいります。その上で、国会による発議の実現に向け、憲法審査会において、建設的な議論が行われ、国民的な議論を深めていただくことを期待いたしております。  北陸新幹線敦賀―新大阪間のルートにつきましては、平成二十八年度に与党のプロジェクトチームにおいて、米原ルートを含めた三案のうち、関係自治体等からのヒアリングを経て、速達性、利便性等を総合的に勘案し、小浜・京都ルートとすることが決定されたものと承知をいたしております。まずは、詳細な駅位置、ルートを絞り込んだ上で、着工五条件の検討を深め、一日も早い全線開業を目指してまいります。  以上でございます。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――

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