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大門実紀史 ·日本共産党

参議院本会議(2024-12-17)での発言

第216回国会 ·第第6号号 ·2,854字
○大門実紀史君 大門実紀史です。  日本共産党を代表して、二〇二四年度補正予算案に反対の討論を行います。  反対する第一の理由は、八千二百六十八億円もの軍事費、防衛予算が計上されていることです。能登被災地の復旧復興費二千六百八十二億円の三倍以上の金額であり、中身も経済対策とは無関係です。  財政法二十九条は、補正予算について、当初予算作成後、特別の事情が生じ緊急を要するもの以外は計上してはならないと定めています。安倍政権の一二年度補正予算以来、一般会計とは別枠で、補正予算のたびに兵器導入や米軍基地の整備費用を計上することが常態化し、補正予算がまるで第二の財布のように使われてきました。  イージスシステム搭載艦、最新鋭の「もがみ」型護衛艦、哨戒ヘリ、地対艦誘導弾などを取得する経費など、軍事費の四分の三は次年度以降の歳出化経費の前倒しです。まさに財政法二十九条に真っ向から反するものであります。  沖縄県民の民意を踏みにじる辺野古新基地建設、種子島住民の住環境を悪化させる米軍艦載機の夜間発着訓練のための馬毛島基地建設、事故ばかり起こしているオスプレイ移駐、配備のための佐賀駐屯地の整備など、基地強化予算は削除すべきであります。  当初予算と合わせると九兆円に及ぶ軍事費によって、憲法、平和、暮らしを破壊する安保三文書に基づく大軍拡と米軍基地強化を推進することは、断じて容認できるものではありません。  反対する第二の理由は、半導体メーカーのラピダス一社に一兆円もの資金を投入しようとしていることです。過去の政府主導での半導体復活の試み、エルピーダメモリは、公的支援を受けながら、僅か十二年で経営破綻してしまいました。政府が関与することで民間企業の責任意識が損なわれて、モラルハザードがあったと有識者からも指摘されています。  ラピダスにはトヨタなど名立たる日本の大企業が出資していますが、総額はたったの七十三億円です。半導体は家電や自動車に欠かせませんが、製品の安定確保は、電機、自動車など半導体を使う企業が主体となって民間の責任で行うべきです。それでこそ関連産業の自立的な未来も開けます。政府が国民の税金で特定企業を支援するのは、そもそも産業政策として間違いです。  本補正予算案は、国民の暮らしを応援するという点でも極めて不十分です。  能登半島の被災者は、この一年、地震と豪雨の二重の災害によって、物理的にも精神的にも大きなダメージを受けています。補正予算案は、被災した公営住宅、医療・介護基盤の再建などの経費を計上していますが、余りにも不十分です。既に被災地は厳しい雪の季節に入っています。みなし仮設からの退去や避難所の一方的閉鎖などによって、生活の場を失う被災者を決してつくってはなりません。  医療費や保険料等の全額国費による減免措置など、被災された方々に負担が生じないよう十分な支援が必要です。建築費の高騰などにより、被災者生活再建支援法による最大三百万円の支援金ではそもそも住宅再建はできません。六百万円以上への支援金の引上げを急いで実現すべきです。  物価対策で最も効果のあるのは、消費税の五%への減税です。第一に、直接的な物価引下げ効果があります。第二に、物価高騰で最も苦境に追い込まれている所得の低い世帯への最大の支援になります。第三に、一律五%に減税すれば、複数税率を口実に導入されたインボイスを廃止できます。直ちに消費税の減税を決断すべきです。  介護、医療、保育などケア労働者の現場では、低賃金、長時間労働などを苦にした離職が相次いでいます。ケア労働者の処遇は、診療報酬や配置基準など、公定価格、公定基準で決まります。人手不足を解消し、国民に安定したケアを提供するのは政府の責任です。緊急に財政措置をとることを求めます。  介護では、訪問介護の基本報酬引下げで、事業者の倒産、中でも訪問介護事業者の倒産が過去最多になっています。介護が受けられなくなる高齢者や家族が増えています。この介護崩壊ともいうべき事態を打開するためには、基本報酬を戻した上で減額分の補填措置を行うなど、国庫負担を増やし、賃上げ助成を今すぐやるべきです。  また、全国の病院では、看護師不足による病床の閉鎖やクラスターの続発で病床稼働率が低下し、経営の悪化が広がっています。このままでは医療の提供体制が確保できない事態にもなりかねません。大本には政府の社会保障切捨て政策があります。安心できる社会保障への抜本的転換を求めます。  学生、国民の多くが高い学費、重い教育費負担に苦しんでいる下で、追い打ちを掛けるように、国立大学でも私立大学でも学費値上げラッシュが起きようとしています。  ほとんどの政党が高等教育の無償化、負担軽減を既に公約しています。我が党が十一月二十七日に示した緊急提言のように、今こそ政治の責任で値上げラッシュにストップを掛けるべきではないでしょうか。  石破総理は、総裁選挙のときは国立大学、高専の無償化を掲げていましたが、総理になったらあれこれ理由を付けて実行に踏み出そうとしません。公約どおり、学費の無償化に真剣に取り組むべきです。  物価高騰は所得の低い世帯ほど重くのしかかり、生活保護世帯を含め、生活苦による自殺者が増加しています。よりによってこんなときに、財務省の財政審、財政制度審議会は生活保護費を減額せよと血も涙もない建議を出しました。今、生活保護費は引下げどころか増額すべきです。  今まで財政審は、緊縮、規制緩和の一辺倒で、農業予算を削れ、社会保障を削れ、学校教員を減らせと反国民的な建議ばかり行ってきました。特に生活保護制度は、予算委員会で石破総理も言明されたように、憲法二十五条に保障された権利であり、最後のセーフティーネットです。その生活保護まで攻撃するような財政審は、もはや公共の敵です。この際、解散すべきであります。同時に、その大本にある政府、財務省の緊縮姿勢も根本から改めるべきです。  課税最低限の引上げは、我が党も賛成です。私自身、これまで何度も引上げを求める質問をしてきました。  そもそもなぜ政府・与党、財務省は今まで三十年間も課税最低限を据え置いてきたのか。それは、八〇年代後半から、国民の最低生活には税金を掛けない、すなわち生計費非課税の原則を投げ捨て、課税最低限を据え置くことで納税者、納税額を増やす、つまり、広く薄く国民から税金を取ろう、課税ベースを広げる方針に切り替えてきたからです。  現在、政府・与党や財務省が課税最低限の大幅引上げに抵抗している本当の理由は、財源云々ではなく、この方針に固執しているからです。課税最低限を国民から広く税金を取る手段に使うのではなく、生計費非課税の原則に立ち戻り、大幅引上げを実行すべきであります。  以上申し上げて、反対討論といたします。(拍手)

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