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小西洋之 ·立憲民主・社民・無所属

参議院本会議(2024-12-24)での発言

第216回国会 ·第第8号号 ·3,519字
○小西洋之君 会派を代表し、議案の三法案に賛成の立場から討論をいたします。  この度の改革は、自民党の裏金パーティー事件に怒り、大きな不信を抱く国民の皆さんの総選挙の投票の力によって実現されたものです。  衆議院における歴史的な与党過半数割れと我々参議院での論戦によって、自民党が野党七党案を丸のみし、政策活動費の全面廃止に至ったことは、議会政治の進展としても誠に画期的なことであります。  また、政治資金監視委員会、両議院合同協議会は、総務省の形式審査権のみの制度に実質審査権を導入する大改革であります。  一方で、時の国会多数派による政治活動の自由への侵害を絶対に排除する必要があり、参議院の審議において、合同協議会の国政調査の権能の範囲、監視委員会の実質調査権の目的等が確認されたことは極めて重要です。その他、立憲法案にも盛り込まれていた収支報告書のオンライン提出、データベース化などの措置も画期的な改革であります。  これらが三案に賛成する主な理由でありますが、しかし、総選挙の民意を裏切り、大きく取り残された抜本改革があります。企業・団体献金の廃止であります。  石破総理は、裏金パーティー事件は収支の不記載の問題であり、企業・団体献金の問題ではないと繰り返していますが、反省ゼロにして国民を愚弄する詭弁と言わなければなりません。  企業、団体の莫大な資金力なくして、一晩で億円単位のパーティー券を売り上げることも、派閥内あるいは派閥間でその営業合戦も繰り広げることもできません。企業・団体献金の廃止こそ、自民党の裏金パーティー事件に対する政治改革の本丸中の本丸と言わなければなりません。  そもそも企業・団体献金は、リクルート事件後の平成六年政治改革の中で廃止と決まっていました。このことは、当時の細川首相が、規正法附則十条の趣旨について、全面禁止は法律の附則で五年後に見直すとした、激変緩和の意味と報道インタビューに答え、さらに、当時の河野自民党総裁においても、公費助成が実現したら企業献金は本当は廃止しなきゃ絶対におかしい、しかも、激変緩和のための五年後に見直すと法律の附則に書いたと衆議院の議長オーラル・ヒストリー事業において同様の趣旨を述べていることからも明らかであります。  石破総理は、この間、附則十条の条文を棒読みし、企業・団体献金の廃止と日本語で書いてないからと答弁していますが、戦後最大の政治改革を担った細川首相と河野総裁の条文解釈を石破総理が否定することは、議会政治と法の支配への冒涜であり、歴史の改ざんと言わなければなりません。  そもそも企業・団体献金が悪で個人献金が善であるという立場には立っておりませんなどと、とんちんかんな石破構文に終始する石破総理は、平成六年改革の本旨を全く理解できていません。選挙と政治資金の両輪の大改革の目的は政策本位、政党本位の政治の実現です。  にもかかわらず、政策をゆがめるがゆえに廃止とされた企業・団体献金を、派閥に代わる政治の担い手とされた政党が政党支部を含め大量に受領できる現行制度は、平成六年改革の本旨に真っ向から反することは明々白々であります。  だからこそ、平成六年の政治改革関連法案の基盤となった第八次選挙制度審議会答申においては、相当規模の公費助成とともに、政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましいと明記され、その趣旨が附則十条の政治資金の個人による拠出の文言に結実していたのであります。  実は、こうした平成六年改革の方針を体現し、個人献金の税額控除の拡充とセットで企業・団体献金の廃止に真剣に取り組んだ責任政党があります。かつての民主党です。  民主党政治改革本部は、二〇一一年三月十日の総会で企業・団体献金禁止法案等の骨子を了承し、当時、事務局次長として法案の立案等を担っていた私が、予算成立後の国会提出に向けて、翌三月十一日、参議院決算委員会の第一委員会室を離れ、衆議院の院内で長妻昭事務総長に条文案などを説明していたまさにそのときに東日本大震災が発災したのであります。もし未曽有の国難がなければ、企業・団体献金の廃止等の実現によって日本の政治は根本的な変容を遂げていたはずなのであります。  こうした歴史的な使命感に加え、裏金パーティー事件に対する我々立憲会派の国民への責任感からすれば、石破総理の政治改革への姿勢は情けないの一言に尽きるのであります。  衆院で企業・団体献金の禁止は憲法二十一条に抵触すると発言した石破総理は、杉尾秀哉議員の予算委質疑であっという間に答弁修正に追い込まれました。  しかし、実は、そもそも平成二十二年の参議院の枝野官房長官答弁において、企業・団体献金の全面禁止は現行憲法に照らして許されないものでは必ずしもないと明言されています。特別委員会では、この官房長官答弁とこの度衆議院で提出された政府統一見解が法的に同じ内容であること、さらに、これらは共に一九七〇年大法廷判決の法理と整合すると答弁されました。要するに、公共の福祉による制約として必要性や合理性が認められれば、企業・団体献金の全面禁止は憲法上可能というのが一貫した政府見解なのであります。  さらに、石破総理は、二言目には禁止よりも公開と述べ、その根拠として、規正法一条、二条の目的、基本理念で国民の批判と監視のための収支の公開がうたわれていると述べています。しかし、これも言語道断の詭弁です。  規正法一条の目的規定の定めは、政治資金の収支の公開並びに政治資金の授受の規正を講ずることにより政治活動の公明と公正を確保するであり、これらを総務省選挙部長は大きな二本の柱と答弁しました。  皆様、お分かりでしょうか。石破総理は、この臨時国会を通じて、一貫して規正法の目的の一つだけをもっともらしく述べて、企業・団体献金の廃止という政治資金の授受の規正による政治活動の公正の確保という、規正法のもう一つの柱の議論から逃げ回っていたのであります。もはや、ここに至っては、石破総理こそが改革の抵抗勢力、石破総理こそが裏金パーティー事件に対する政治改革における最大の抵抗勢力と言わなければなりません。  いずれにしても、参議院の審議によって石破構文の詭弁は全て論破され、企業・団体献金の廃止に当たっての憲法上、法律上の問題は何もないことを申し上げさせていただきます。  今あるのは、この議場に集う我々政治家の歴史的な使命、重大な責任のみであります。  平成六年政治改革は一九九四年、本年は二〇二四年、ちょうど三十年であります。思うに、この間のまさに失われた三十年を日本にもたらした政治面の最大の原因こそが自民党型派閥政治の弊害であります。利権、世襲、政務三役の派閥人事といったあからさまな弊害が支配する愚かな政治は、先進国で日本だけです。しかし、この弊害は、派閥の政治資金パーティーの開催を含め、法律上は全く手付かずで残っています。  失われた三十年の間に日本は国際競争力が三十八位に、昨日も一人当たり名目GDPが韓国に初めて抜かれ二十二位となりました。世界最大の高齢化、人口減などの国難に直面する日本において、我々政治家は、まだ経済一流、政治三流と言えた平成の政治改革を超越し、せめて政治が一流となってほしい、政治の力で生活、人生、社会の困難を救ってほしいと切望する国民の願いに応える真の政治改革を実現しなければなりません。  真の政策本位、政党本位の政治を実現するためには、利権政治を根絶する企業・団体献金の廃止に加え、政党助成法を改正し、選挙区を含めた世襲を禁止し、国会議員の立法、行政監督、行政経営の専門能力を錬成する政党のシステムなどを導入する必要があります。  来年、新年を迎えた参議院が、企業・団体献金禁止法案について精力的に議論を行い、令和六年度末に結論を得るとの申合せを行った衆議院の取組を指をくわえて眺めていることは断じて許されません。  特別委員会では、衆院と同様の企業・団体献金廃止の議論を、自民党型派閥政治などの失われた三十年の弊害を打破する真の政治改革の議論とともに、その実行について懸命に委員長にお願いをさせていただきました。  良識の府の真価を党派を超えて国民国家のために体現し、真の政治改革を来年の通常国会で実現する決意を議場の先生方に心よりお願いを申し上げまして、私の賛成討論とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

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