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岩屋毅 ·自由民主党・無所属の会 ·外務大臣

衆議院安全保障委員会(2025-03-11)での発言

第217回国会 ·第第1号号 ·3,545字
○岩屋国務大臣 外務大臣の岩屋毅です。  安全保障委員会の開催に当たり、遠藤委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げるとともに、安全保障政策の所信を申し述べます。  国際社会の分断や対立が深まり、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれる中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持することの重要性がより一層高まっています。  外交と防衛は表裏一体をなし、国の根幹を成すものであります。私自身、政治家として一貫して外交、安全保障に携わってきた経験を生かし、激動する国際情勢から我が国を守り抜き、地域や国際社会の平和と安定に取り組んでまいる決意です。  我が国の外交、安全保障の基軸である日米同盟の充実と強化は、石破政権の最優先事項です。先般の日米首脳会談の成果を踏まえ、日米同盟を新たな高みに引き上げてまいります。  この観点から、自由で開かれたインド太平洋を実現するため、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化に取り組んでまいります。具体的には、同盟の指揮・統制枠組みの強化、南西諸島のプレゼンス強化、拡大抑止の一層の強化、防衛装備や技術協力の強化などの優先事項を重点的に進めてまいります。  また、在日米軍の態勢の最適化に向けた取組を進めてまいります。同時に、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指して辺野古移設を進めるなど、沖縄を始めとした地元の負担軽減と米軍の安定的駐留に取り組んでまいります。  日米同盟を更に発展させていく上では、外交、安全保障と経済を一体として議論していくことが重要です。こうした観点から、経済安全保障分野での協力を始め、経済分野における協力を更に拡充し、深化させてまいります。  法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持することにより、インド太平洋地域、ひいては世界全体の平和と繁栄を確保していくことが重要です。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けては、G7、ASEAN諸国、豪州、インド、韓国、EU、NATO、太平洋島嶼国などとの協力関係を更に強化し、日米豪印、日米韓及び日米比を始め、実践的な協力を進めてまいります。  同盟国、同志国間のネットワークを重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、防衛装備品の共同開発や移転を始めとする安全保障分野での協力を一層強化していく考えです。  英国及びイタリアとの間で行う次期戦闘機の共同開発についても、我が国の安全保障環境にふさわしい戦闘機を実現すべく、引き続き三か国で緊密に連携して進めてまいります。  近隣諸国などとの間の懸案の解決も重要な課題です。  日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を負っています。価値を共有する同盟国、同志国との確固たる連携を前提とした上で、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な関係を構築するという大きな方向性の下、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために互いに努力していく必要があります。  中国との間では、様々な可能性とともに、尖閣諸島情勢を含む東シナ海、南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、我が国周辺での一連の軍事活動を含め、数多くの課題や懸案が存在しています。また、台湾海峡の平和と安定も重要です。  特に、尖閣諸島周辺の我が国領海で独自の主張をする海警船の活動は、国際法違反であり、認められません。我が国の平和と安定、尖閣諸島を含む我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、かかる行為に対しては冷静かつ毅然と対応してまいります。そして、力や威圧によらず、国際法に基づき紛争を平和的に解決することが重要であると引き続き強調してまいります。  今後も中国の軍事活動を注視しつつ、その透明性の向上を働きかけてまいります。  韓国は、国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国です。目下、韓国には内政上の動きがあり、また、日韓間には隣国であるがゆえに難しい問題もありますが、現下の戦略環境の下、日韓関係の重要性はいささかも変わりません。  竹島については、歴史的事実に照らしても、国際法上も日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応してまいります。  北朝鮮による核・ミサイル開発も推し進められています。一連の北朝鮮の行動は、我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。  さらに、北朝鮮兵士のロシアへの派遣やウクライナに対する戦闘への参加、ロシアによる北朝鮮からの弾道ミサイルを含む武器弾薬の調達及び使用といったロ朝軍事協力を強く非難します。こうした動きは、ウクライナ情勢のみならず、我が国周辺地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に懸念しています。  米国、韓国を始めとする国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めてまいります。  日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を実現するとの方針に変わりはありません。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸課題を解決するため、総理自身の強い決意の下、総力を挙げて最も有効な手だてを講じてまいります。  ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。今なお続くロシアによる一連の攻撃を改めて強く非難します。ロシアによる核の威嚇、ましてや使用は断じてあってはなりません。  その上で、現在行われている米国、欧州を含む各国による外交努力が、国際社会の結束の下で、長年にわたる戦闘行為の終結と一日も早い公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要です。こうした我が国の立場に基づき、G7と連携しつつ、今後もウクライナ支援と対ロ制裁を継続してまいります。  日ロ関係は引き続き厳しい状況にあります。ロシア側による一方的な発信や措置には毅然と対応してまいります。同時に、漁業や我が国周辺の安全に係る問題のように、隣国として解決しなければならない懸案事項があり、ロシア側と適切に意思疎通を行っていく必要もあります。  北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持しつつ、最優先事項の一つである北方四島交流訪問事業の再開については、特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を強く求めてまいります。  地域、国際社会が抱える諸課題への対応にも全力で取り組みます。  中東情勢は引き続き予断を許しません。ガザ情勢については、人質の解放と停戦に関する合意の誠実かつ着実な履行が必要です。  シリアにおいては、シリア人による対話を通じた包摂的な政治的解決の実現のための支援を行ってまいります。イスラエルとレバノンの停戦合意の完全な履行も不可欠です。  引き続き、関係国、機関と緊密に連携しながら、事態の早期鎮静化、人道状況の改善、イスラエルとパレスチナの二国家解決の実現、そして中長期的な地域の平和と安定の確立に向け、外交努力を重ねてまいります。  また、我が国は中東地域に原油輸入の九割以上を依存しています。世界経済の安定と成長にとり不可欠であるエネルギーの安定供給、そしてこれを支える中東地域における航行の安全の確保に万全を期してまいります。  グローバルサウスとの連携も極めて重要です。八月の第九回アフリカ開発会議、TICAD9などの機会も捉え、様々な課題への解決策をアフリカとともにつくり上げてまいります。  核軍縮・不拡散については、NPT体制を維持強化し、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を行ってまいります。  また、サプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応、重要・新興技術の保全と促進など、経済安全保障の課題にも全力で取り組んでまいります。  政府安全保障能力強化支援、OSAの推進や、サイバー対応能力の向上、テロ及びサイバー犯罪を含む国際組織犯罪分野での協力の強化にも取り組んでまいります。  そして、人間の安全保障の理念の下、貧困、気候変動、自然災害などの複合的危機への対応についての国際協力を進めるとともに、地球規模課題におけるルール形成の議論を主導してまいります。  また、女性・平和・安全保障、いわゆるWPSについても国際的な協力を進めてまいります。  以上、当面する諸課題についての所信を申し述べました。  議員各位、そして国民の皆様の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。

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