○荒井委員 まさに債務というのが本当に、経営者にとっては非常に大きく、重くのしかかっているというふうに思います。
今大臣からもお話ありましたが、企業若しくは組織の価値というのは、もちろん金融資産だけではなくて、人的資本を含めて、持っている知財や、そして信頼なんだというふうに思っています。
僕自身は、事業の再生というのは、特に信頼が、これまで積み上げてきた会社の信頼というものが、もちろん金融的な債務は膨らんできたかもしれないけれども、そこさえカットすれば、必ずこの会社、組織は再生ができるということを多くのステークホルダーが信頼しているからこそ、その入口である金融資産をたとえカットしてでもみんなで頑張らせたい、頑張っていきたい、その思いが一つにまとまっていくことがすごく重要だというふうに思っています。
今回のこの法案を通じて、日本全国にそういった、やはり金融の債務を抱えながら苦しんでいる皆さんは多いと思うんですね。先日も、同僚議員の東さんがここで質問したときにも御自身の経験のお話もされていましたが、質問が終わった後に隣の席で少し聞いたときに、やはり本当に、経営者としての苦しさ、この債務をどうやったら返済できるのかというのは誰にも相談できなかったということをおっしゃるわけです。そのとき、たまたまお話しした商工会議所のOBの方がいろいろアドバイスをしてくれた、でも、そこまでは、例えば公的な機関、銀行にも税理士にもなかなか相談ができなくて本当に苦しいと。この思いは僕もすごくよく共感をいたしまして、だからこそ、企業の金融債務をどうやってカットするかというやり方があることが少しでも多くの苦しんでいる経営者の皆さんに知れ渡っていただきたいし、そういう風土をつくっていただけるように経産省としても頑張っていただきたいというふうに思っております。
学校のことを少しお話しさせていただきましたが、今回、事業再生というものを少し学校に照らし合わせて考えてみると、こんなふうにも言えるのかなというふうに思います。
高校の場合には、卒業するのに必要な単位というのがありますので、国語の授業、一教科をちゃんとクリアをした、そういった単位を積み上げていくと卒業に至るわけですけれども、時々、生徒によっては、例えば出席数が足りなかったり若しくはテストの点数が足りなくて、結果的にその学年を、例えば一年生から二年生に上げるときに進級会議というのを行うわけですが、そのときに、授業の担当を受け持っている先生がつまり一をつけるみたいな形で、その子がその教科の単位を取得できないということが往々にしてあるわけです。
そうなった場合に、どのようにして学校が対応するかというと、大きく三つあるわけです。
例えば、留年という措置があるわけですね。もう一度一年生をやり直してもらうということ。これは今回のケースでいうと民事再生みたいなものに近いのかなというふうに感じていまして、つまり、留年すれば当然もう一度一年生に、本来二年生だったはずの人がいるわけですから、ある種公開になるわけですね。でも、別に学校としては、もう一回一年生をやってもらうことで、この子は必ず次に向けて頑張ってくれるだろうと。大変厳しい措置であるとは思うものの、まさに留年という形でもう一回一年生をやり直してもらうということが民事再生に非常に近いというふうに感じました。
もう一つ、それよりも軽いオプションとして、補講を受けるということがあるわけです。学年末に、国語の単位や音楽の単位が足りなければ、先生と特別に、何か宿題をもらって、一生懸命それを受けて、それによってその先生が認めて、その教科をクリアし単位を取ったということで、晴れて二年生に上がれるわけですね。この補講という仕組みに関しては、ほかの多くの生徒は、その子が赤点を取ったかどうか、補講を受けたかどうかというのは知りませんので、普通に二年生に上がれる可能性が出てくるわけです。
ところが、この補講の措置を取るかどうかというのは、実は、多くの学校でそうだと思いますが、職員会議という全体の先生が集まる中で、まさに債権者としての先生たちが、例えば国語の先生や音楽の先生たちが補講を受けさせることをよしとするかどうかということを話し合うわけですね。
やはり当然ながら先生たちも自分のプライドを持って授業を行っているわけですが、その授業の取得に至らないというふうに思ったからこそ一をつけて、授業の態度や本来ならやるべきことをやってこなかったことに対して、そこは教育者として、指導者としてそういった措置をするというのは当然し得ていいわけですが、そういった人たちが集まって補講を受けさせるかどうかを決める。これがもしも補講を受けられないということになれば留年をすることになり得るわけですが、その場合に、おおよそ、全体の先生たちがそれをよしとするという形になれば受けられるというのがあるわけです。
これがいわゆる事業再生ADR的な感じで、全員の債務者がこれを認めるということは事業再生ADRに近いのかなというふうに思うわけですが、時々、どうしてもやはり、自分の授業をあれだけ受けなかった生徒を補講によって、たった数日の補講で一年間分の授業を受けたことにするのは許せない、そういうケースだってあり得るわけですね。そういうときに、例えば学年主任だったり若しくは校長の特別的な配慮によって、つまり一部の債務者が、まあまあそれは、でも、そうは言うかもしれないけれどもという形で、もう少し大きな目線で見て補講を受けさせようじゃないか、そういうようなことがある。
もちろん、ちょっと比喩としては適当ではないかもしれませんけれども、僕もやってきた学校の感覚からすると、今回の早期事業再生というのは、改めてそういった枠組みをできるだけ早めに提供し、全員合意は取れないかもしれないけれども、多くの人たちの同意を得れば進めていこうじゃないかというのがこの法案の趣旨で、そこは割と、つまり、それぞれの学校やこういった多くの社会で行われていることなのかもなというふうに思っているわけでもあります。
あと、もう一つ、そもそも再生が難しいだろう、つまり留年しても補講を受けてもこの生徒はなかなか我々の教育というものを経てよりよくはならないだろうというときには、どうしても退学という勧告があるわけです。これは会社でいうと破産みたいなことになり得るのかもしれません。ちなみに、学校では転学を推奨しますので、やり直しが利くような、そういった制度にはなっていますが。
でも、一貫して言えることは、つまり、こういう再生には、鍵は本人が頑張ろうとする気持ちというのが非常に重要で、学校なり、若しくは金融債務を持っている人たちとかがどんなに思っていても、生徒本人、若しくは会社でいうと経営者から働いている人たちまで、やはりこれをもう一回やり直そう、今までのことは多々いろいろな経験はあったかもしれないけれども、次のチャンスをもらってやり直していこうというまさに信頼があってこそなんだというふうに思いますので、今回の事業再生法案の魂みたいなところが、そうやって頑張ろうとする人たちを応援する、そういうものであってほしいなというふうに思っています。
その意味でも、働いている人たちの頑張りを応援することが大前提になるということは、先日来、再三ここの質疑においても、また大臣や経産省の答弁でも、働いている人たちの頑張りを認めてもらうこと、そういった言葉がありましたので、私からはこれ以上は労働者のことについての質問は問いませんけれども、どうぞ、その気持ちを持った法律であることを願っております。
そして、今日僕が大きく質問してみたいのは、今回は、金融機関などの一部の債務の権利変更によって、多数決で決めていくことなわけですが、これは、いろいろと審議会の資料とか委員会の資料とかを拝見していくと、憲法との整合性というのが少しテーマに上がったというふうに伺っております。
具体的には、憲法十四条の法の下の平等、二十九条の財産権、こういったことに対して、早期の、また多数決による債務の変更というものが大丈夫なのかということもあった上で今回法案として準備されたというふうなことですが、憲法との整合性をどのようにつけられているのか経産省に伺いたいと思います。
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2025-12-05 · 衆議院文部科学委員会
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