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武正公一 ·立憲民主党・無所属

衆議院憲法審査会(2025-06-12)での発言

第217回国会 ·第第9号号 ·2,383字
○武正委員 武正公一です。  国会機能強化並びに国民投票法について、全体スケジュールをあらかじめ示せたことにより党内議論の充実が図られ、原則党を代表して発言することにより議論の拡散を防ぐことができました。また、これまで扱っていないテーマとして選挙困難事態の立法事実、臨時会召集期限を取り上げ、議論を深めることができました。  国民投票法については、広報協議会について幹事会、意見交換会などを通じ議論を進めることができ、フェイクニュースについて参考人質疑を行うことができましたが、さらに、海外からのサイバー攻撃など、参考人から意見を聞くことが必要であると考えます。  憲法審査会事務局の調べでも、東日本大震災と同じ規模の震災が衆議院選挙前に起きても八割以上の選挙区で選挙が行えることから、被害を受けている選挙区は繰延べ投票を行い、できるだけ速やかに議員の選出を目指すことで対応可能と考えます。また、選挙の一体性はないと言ってよいと思います。  それよりも、インターネット投票の導入や、当該選挙区を離れて避難所でも投票できるような対応が必要です。選挙名簿のバックアップ並びに郵便投票の拡充や期日前投票の充実は今できることです。とりわけ、政令市では横浜市が先駆けて検討している共通投票所は、避難所での投票を想定した準備にも活用できると考えます。  選挙困難事態において議員任期を延長するということは、ルールを変更するというだけでなく、選挙権を行使し得る期間について制限を加えるということになりますから、参考人によれば、ルールと原理が交錯する問題と言うことができます。  選挙困難事態として議論すべき事象について、我々は、立憲的統制が可能な非常事態に関わるものであり、大規模災害と感染症の爆発的流行を対象とすべきであり、いわゆる緊急事態の場合、国家緊急権として議論されるような場合については、除外するべきと考えています。  国家緊急権として議論される事態は、革命、クーデター、内乱、戦争などでありますが、立憲的統制の可能性についてはグラデーションがあること、すなわち、カール・シュミットが憲法破棄だとか憲法停止などと分析したように、革命、クーデター、内乱が既遂に至れば、権力の実効支配の変動が生じてしまうことから、憲法が破棄ないし停止される事態に至ります。  ただし、それ以前の段階であれば、完全な立憲的統制は不可能でありますが、部分的に憲法を遵守できる段階、ほぼ憲法は遵守できるが部分的に遵守が不可能となる段階があり得ます。それぞれの段階においては、選挙の執行が不可能である場合もあれば、選挙の執行も可能である場合もあり得ます。  そもそも、立憲的統制が困難である以上、想定外を想定して憲法改正ということは意味を成さないと考えます。最も極端なケースでいえば、革命やクーデター、内乱が既遂に至ってしまう場合を想定して憲法のルールを作っても意味を成さないからです。  以上のように、選挙困難事態の立法事実はないと改めて申し上げます。  臨時会召集期限の明記は、権力の抑制に関するテーマであることから、他の論点と切り離して行うのであれば、憲法改正の検討の余地があるものと考えます。  衆議院解散権の制約は、法律若しくは憲法で検討を進めるべきと考えます。去る十日、立憲民主党は解散権濫用防止法案を衆議院に提出しました。なお、法案提出が憲法の議論を妨げるものでないと考えています。  ほか、党憲法論議の指針項目の国政調査権、国民の知る権利などに加え、性同一性障害特例法に関する最高裁違憲判決、同性婚高裁違憲判決、そして予算、財政等の国会の権限強化などは、憲法審査会での議論を深めるべきと考えます。  今後の進め方について述べます。  二〇二一年、可決、成立した憲法改正国民投票法案には、附則四条に検討条項として、国民投票運動の広告、ネット広告制限、資金制限、並びにネットの適正利用が盛り込まれています。この検討条項がある間は憲法改正の発議はできないと発言してまいりました。  我が党は、民放連が法成立時に示していた自主規制がなくなってしまったことから、全運動期間の放送広告規制の強化を求めています。また、資金規制、有料ネット広告規制、ネットの適正利用を提起してきました。また、アーカイブ化などの有料ネット広告規制や、付随的情報提供などフェイク対策も求めてきました。これら党内の議論を深めていきます。  秋の臨時会以降、公選法の投票環境整備に関する三項目の憲法改正国民投票法改正案の審議については、党の考え方をもって協議に臨みたいと考えます。衆議院政治改革に関する与野党各会派の協議会の議論も踏まえて臨むことは論をまちません。  また、自民党を始め複数の政党から、議員任期延長案をもって憲法改正条文起草委員会設置の提案があるようですが、憲法改正には衆参両院の三分の二以上の賛成がなければ発議できないので、我が党などが立法事実はないとしていることから、あり得ないと考えます。  自民党のみならず、複数の政党の参議院から、緊急集会についての見解が、今日幹事会で示された任期延長骨子案と異なるとの声が聞こえてきます。憲法改正の議論は、衆議院だけ議論が進むことがないように、両院足並みをそろえることが肝要ではないでしょうか。幹事懇談会で議論を始めた広報協議会規程の議論などもその一つです。幅広い政党の賛同が得られるテーマについて議論を深めることを御提案します。  そのためにも、憲法審査会規程にある、憲法、憲法に密接に関わる基本法制の広範かつ総合的な調査は、回り道のように見えても、多くの政党の賛同を得る項目を見出すためにも大事な手続であると考えます。

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