○村上参考人 おはようございます。私は、UAゼンセン日本介護クラフトユニオンで副会長を務めております村上でございます。
本日は、参考人としてお招きいただきまして、ありがとうございます。
私ども日本介護クラフトユニオン、略称NCCUと申しますけれども、企業の垣根を越えて、全国の介護従事者で組織しております、日本では珍しい職業別労働組合です。現在、組合員数が八万七千名、私どもと労使関係のある法人が六十三法人でございます。
本日は、介護従事者、労働者という立場から意見を陳述させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、女性の活躍推進の部分につきましては評価をしておりますので、本日はハラスメント対策に絞って陳述をさせていただきます。
遡ること二〇一八年の四月に私どもが実施しました、ご利用者・ご家族からのハラスメントに関するアンケート、こちらの回答者で、実に七四・二%の方が何らかのハラスメントを受けていると回答してきました。
その現場の実態を重く見ました厚生労働省はすぐに検討委員会を立ち上げて、翌年には、介護現場におけるハラスメント対策マニュアルの作成など、様々な対策を講じてくれました。各自治体におきましても、ハラスメント研修に力を入れていただいております。そして、二〇二一年四月に、介護保険法運営基準に事業者のハラスメント防止措置の義務化が追加されました。この一連の迅速な対応につきまして、私どもといたしましては大変感謝をしております。
また、私どもも、労使関係のある法人とつくっております労使の会におきまして、利用者、家族からのハラスメント防止に関する集団協定を締結して、労使でハラスメント対策を行っているところです。
しかし、ハラスメント対策を行っているからといって、ハラスメントはなくなるものではありません。
めくっていただいて、資料の一ページを御覧ください。私どもの調査で、昨年、直近二年間で利用者、家族から何らかのハラスメントを受けたと回答した組合員が二割強になりました。
資料の二ページから四ページになりますけれども、具体的内容を、今日は抜粋をしてありますが、全部で千九十七例挙がってきました。
少しピックアップして読ませていただきますと、まず、二ページ目の右側の十二番、模造の日本刀のさやを抜いて見せつける、エアガンの見せつけなど威嚇行為をされる、サービス提供責任者。めくっていただきまして、三ページ右側の二十二番、殺してやると言われ、傘で目を突かれ暴行された、通所系介護員。それから、下の方の二十六番、体位変換時にお尻を触られる、髪を引っ張る、つねる、かまれる、唾を吐かれる、蹴られる、殴られる、理不尽なサービスを要求する、家政婦扱いされる、訪問系介護員。そして、二十八番、おい、おまえ、ズボン履かせろなど、自身が履けるにもかかわらず大声でどなる、履かせていると、びんたされ、大声で笑っている、入所系介護員。
というようになっておりますが、ただ、資料の五ページにございますように、二〇一八年以降、職場や法人の環境が変わったという回答が約四割。どのように変わったのかというと、相談窓口ができた、ハラスメント研修が行われるようになった・回数が増えたなどとなっております。ですので、国の対策を始め、各自治体の動き、私ども労使の対応というのは、少なからずハラスメント防止につながっているということです。
そして、今回、法律としてカスタマーハラスメント対策の強化が盛り込まれることになるわけで、介護保険法の運営基準より強い縛りになることはとても期待しています。中でも、職場におけるハラスメントを行ってはならないことについて国民の規範意識を醸成するために、啓発活動を行う国の責務を定めるということについて、是非お願いしたいところです。
といいますのも、事業者や労働者がハラスメント予防に取り組んでいても、利用者、家族、顧客といったカスタマー自体の意識が変わらなければ、ハラスメントはなくなりません。介護の現場でも、契約書にハラスメントの禁止をうたっていて、契約時には納得されていても、サービスを開始するとハラスメントが発生するということがよくあります。
そして、資料の六ページ。ハラスメントを受けたとき、離職を考えた人は四割にも上ります。ハラスメントを受けて、実際に離職する人もいるわけですが、介護人材が大変不足している中で、防止できる離職は防止していかなければなりません。ですので、国が国民に対して啓発していただければ、ハラスメント防止の大きな力となります。そのためにも、この法律案が成立し、推進されることを期待します。
その介護人材ですが、介護業界から他産業への人材流出が止まりません。私どもの調査でも、資料の七ページにございますが、労働条件がよくなるなら介護業界ではない他社に転職したいと回答した人が、月給制組合員三〇・九%、時給制組合員二三%。その際、重視することは、賃金が圧倒的に高い選択率になっています。
その賃金ですが、今年の春闘もそうなんですけれども、二年連続で五%を超える高水準で推移しています。しかし、介護サービスは公定価格ですので、サービスに価格転嫁をすることができません。ですので、新たな処遇改善加算のようなプラスする原資がないと、他産業のような賃上げも不可能です。今後、他産業の賃上げが現在のペースで進んでいけば、賃金格差は更に拡大することは容易に想像できます。
資料の八ページを御覧ください。こちらは、先月、居宅介護支援事業所のケアマネジャーと訪問介護事業所の管理者を対象に緊急アンケートを実施し、昨年の介護報酬改定以降の実態を調査した結果となります。
この中で注目していただきたいのは、訪問介護事業所では、前年と比べて事業所収入が減少したとの回答が五五・二%。その原因は、訪問介護員の人手不足により、依頼があっても受けることができなかったためが七三・三%と最も多く、訪問介護員の不足によりサービス提供を断ったことがある事業所も八九・四%に上りました。
また、資料の九ページ。人手不足により、必要とされるケアプランが組めなかったとするケアマネジャーは六八・三%となり、対応ができずに家族に介護をしてもらっている、四一・四%、何も対応ができなかった、一九・三%となり、介護サービスを受けることができていない利用者、つまり介護難民が存在することが明らかとなりました。
実際、介護が必要な方が訪問介護事業所にサービスを申し込んでも、対応するヘルパーがいないのでとお断りするケースや、施設など建物を建てたはいいんですが、働く介護員がいないため稼働させることができないケースというのも発生しています。その結果、介護保険料を払っているのに、なぜサービスを受けることができないんだと、事業所の管理者やケアマネジャーが利用者や家族から叱責されることがよくあります。このような理不尽なクレームの対応も行わなければならず、現場としても困惑している状況です。
今回の調査で浮かび上がってきた、必要なサービスを受けられない実態があることは、カスタマーハラスメントが発生する要因の一つであるとともに、受益者若しくは受益者となり得る者が保険料を負担している介護保険制度、その根幹を揺るがす事態であり、国は危機感を持って事態解消に向けて取り組んでいくべきであるとともに、介護保険制度は介護従事者の不足から制度の崩壊が始まっているということを今こそ真剣に考えるべきです。
では、どうすればいいのか。具体的には、介護報酬の期中改定を行うとともに、介護従事者不足を解消するために、更なる処遇の改善、これを早急に行う必要があると考えます。
この国の未来を考えたとき、増え続ける高齢者をどのように遇するのか、それによって国の品位が問われます。そして、その高齢者に必要な介護サービスを担う介護従事者の確保、定着をどうやって確実なものにしていくのかということをいま一度真摯に考えて取り組んでいく必要があると考えます。
以上で、私からの意見陳述を終了します。ありがとうございました。(拍手)
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○村上参考人 ありがとうございます。
私どもは、以前から、ハラスメント対策として、例えば夜間の介護だとか、あと対応が困難な方に関しては二人体制にしていただいて、二人分の報酬をい…
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○村上参考人 御質問ありがとうございます。
現場におきまして、やはり、先ほども言いましたけれども、利用者とその御家族の皆さんが、こういうことがハラスメントで、ハラスメントという…
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