○有本参考人 おはようございます。有本と申します。
私のちょっと自己紹介から始めたいと思います。
私は、政策研究大学院大学の客員教授、それから国際学術会議のフェロー、それから政府科学助言国際ネットワークのボードメンバーを現在務めてございます。関連で、科学技術的助言あるいは科学技術外交につきまして、海外のアカデミーや科学技術顧問、あるいはOECD等と頻繁に議論をいたしてございまして、幾つか本とか論文も書いてございます。
一方で、学術会議の本体の方では客員連携会員をやらせていただきまして、これはプロジェクトベースでございますけれども、後で御紹介したいと思います。関連で、今年の三月まで、学術協力財団というものが学術会議の外郭財団としてございましたけれども、これの民間寄附金のところの運営の副委員長ということで、若手の研究者の支援に携わってまいりました。
こういう観点から、運営面あるいは実務面のところを中心に、今日は幾つか御紹介をさせていただきたいと思います。
まず、激変する世界の下でのアカデミーの重要性、それからアカデミー間の国際連携というものが極めて重要になっているということでございます。
先ほど来ありますように、各国はそれぞれの歴史とか文化、これによってアカデミーができているわけでございますけれども、先生方御存じのように、米、英、独、仏、その他も政府から独立した法人ということになってございまして、私は、日本学術会議も法人化が重要というふうに思ってございます。
近年は、先進国だけじゃなくて、途上国でも非常にアカデミー活動が活発になっているということ、それから、多国間、OECDとか国連のユネスコ、こういうところでも、今は大転換期ですので、科学とか技術、あるいはアカデミー、学術の在り方、あるいは研究のシステム、ファンディングとか、こういうものを再設計をやらないといけないということが盛んに行われておりまして、そういう意味で、学術会議は、法人化をし、是非機能を高めて、この世界のダイナミズム、こういうものにどんどん入っていただきたい。今もやっておられるわけですけれども、私は、外から見ますと、もう少しいろいろなダイナミズムがあるのではないかというふうに思ってございます。
それで、ちょっと客観的に申します。科学技術、学術というのは、今、途上国も含めて、各国の国力ですね。国力というのは、決して安全保障というだけじゃなくて、研究技術水準、産業競争力、それから社会課題の解決力、こういうものについて全般としての国力というもので、科学技術あるいは学術がどう支えるかというところは、各国、全体としての今大きな流れになっているというふうに私は理解をしてございます。
ちなみに、学術会議は、先生方よく御存じのように、物理学とか化学とか天文学とか、こういう個別の分野の学会活動とは違って、その分野を超える、あるいは組織を超える、あるいは国境を越えた異分野連携ということで、社会課題の解決とか学問のフロンティア開拓というものに対して助言をするという非常にユニークな組織でございます。
例えば、海外のアカデミーで、独立した法人としての柔軟性ということで、国連のSDGsの解決に対して非常にダイナミックに、グローバルなレベルから、アジア、アフリカ、それから国内はもちろんですけれども、ローカル、こういう意味でのいろいろな活動をやられておるというわけでございます。
一つ、私が見る限り、学術会議が世界レベルで貢献した事例を申し上げておきたいと思います。
一九九九年ですけれども、ちょうど二十一世紀に入る直前でございましたけれども、ハンガリーのブダペストで、二千人以上の科学者、技術者、企業家、それから各国の行政、ジャーナリストも集まって、二十一世紀の科学と科学的知識の使用について、いわゆるブダペスト宣言というものがまとまりました。
これは非常に大事な、今も非常に各国の科学技術政策、学術政策の基本になっていると私は理解しておりますけれども、二十世紀を反省して、二十一世紀は、知識のための科学、科学論文を書くだけではなくて、平和のため、あるいは持続可能な開発のため、それから、社会の中の、社会のための科学というもの、これを推進する必要がある、いわゆる四本柱ということで、ここでもよく議論になりますけれども、サイエンス・フォー・ポリシーというものがここで宣言をされた、非常に大事な原点というふうに思ってございます。
この作成には、当時の日本学術会議は非常に大きな貢献をいたしました。こういうものの貴重なレガシーがあるわけですね。これをきちっと組織の記憶として今後のいろいろな活動に、あるいは若手に伝えていただきたいというふうに思ってございます。
三点ほど、ちょっと実務的になりますけれども、機能強化について申し上げたいと思います。
私は、先ほど来申しましたように、国際的な科学助言のネットワークに入ってございますけれども、もう一つは学術会議の特任連携会員ということで、東北大震災、福島の原発事故、それから自動車の自動運転、このプロジェクトに参画をしまして、助言のプロセスに実際に自分も入っていました。それで、やはりこれは、かなりその方法とかテーマのセッティングとかというものを時代に合わせて変える必要があるんじゃないかというふうに個人的には思っています。
非常に学術会議自身、努力をされているとは思いますけれども、やはりデータとデジタルの時代であるということを踏まえた上でのテーマのセッティングの仕方、あるいはプロセスの中での方法、あるいはデータの収集とか分析、こういうものについて、是非新しい方法論なりを実践あるいは開拓していただきたい。このためには、行政や研究機関、シンクタンクもあります、それから企業、こういうものとの連携が必須でございまして、これは法人であることが非常に大事になるんじゃないかというふうに思います。
ちなみに、海外のアカデミーは、先生方よく御存じだと思いますけれども、若手の方々を、まだ会員じゃないんですけれども、いろいろ雇った上で、この連中にそういう作業もやらせるし、それから、将来この人たちが会員になったときのキャリアパスというものとして戦略的に養成をしているということもございます。
それから、第二に、多様な人材の選任と育成でございます。
ちょっと世界の全体の流れを申しますと、二十一世紀の科学者、技術者というのは何者かということが今盛んに議論されているわけです。ずっと科学は、もちろん、ファーストプライオリティーは知識を生産すること、新しい学問、フロンティアを開拓し、それを論文にして世界の共有の財産にする、これが第一でございます。二、三、四として、二番目は、そういう知識を統合して社会を変えていくという意味での統合者とかシンセサイザーとかデザイナーといっていますけれども、三番目に、これを今度は社会とか政治あるいは行政につなぐ仲介者、あるいは科学的助言者といっています、それから最後に、科学コミュニケーターですね。
こういう大きな十九世紀以来の科学者の在り方、あるいはそれを支える科学のコミュニティーというものについての今変革の時代を迎えているということで、私が見る限り、学術会議の若手アカデミーがいろいろ国際会議をやったり、新しい提言、十課題の提言をやったりして、結構いろいろな活動をされています。こういうものも是非応援したいというふうに思ってございます。
そういう意味での、法人化によって、若手の支援の強化、あるいは外国人を会員にするということも含めて多様な人材の選任、特にもう一つ強調しておきたいのは、学術会議の会長ほか運営を支える専門スタッフ、これは非常に大事です。この辺をしっかり確保するということではないかというふうに思います。
そういう意味で、海外のアカデミーは、法人としまして、公的資金や民間寄附金、シンクタンクやNGOとの共同事業、あるいは多様な人材交流といういろいろな手段をミックスした上で柔軟に、戦略的に活動しているということで、日本の学術会議は、国の機関としてはなかなかそれが難しい状況であるんじゃないかと思います。法人化をして、資金を拡充あるいは多様化をして、戦略的に内外の交流を行っていただきたいというふうに思ってございます。
最後に、アジアの件でございます。
二〇二六年に、世界科学会議がインドネシアで行われます、それから国際学術会議が北京で行われる。二〇二七年に、政府科学助言世界ネットワーク、私はボードメンバーですけれども、これの総会がマレーシアで開催されます。この二年間は、アジアで集中的にこういう大きな世界の会議がございます。
これに対して、是非学術会議がインナーに最初から入って、プログラム設計あるいは運営に関わるということが、非常に今の日本にとってもアジアにとっても、それも、高飛車に、上から目線ではなくて、一緒に共同してやるということが分断の時代には大事じゃないかというふうに思っている次第です。これによって、学術会議に参加しようとしている若手の研究者、中堅もありますけれども、それからスタッフというものがおのずから育っていくということでございます。
以上で私の発言を終わります。ありがとうございました。(拍手)
有本建男 の他の発言
2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
○有本参考人 ありがとうございます。
先生方御存じですけれども、今、世界的に見ますとサイエンス・フォー・ポリシーですね。これは、ポリシーというのは様々なポリシーがあるわけですね…
2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
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2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
○有本参考人 私も、法人化に賛成でございます。
繰り返しでございますけれども、私、冒頭申し上げましたけれども、法人化によって、非常に戦略的、弾力的に、もちろん資金の方もそうです…
2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
○有本参考人 ありがとうございます。
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2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
○有本参考人 どうもありがとうございます。
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2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
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2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
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2025-05-07 · 衆議院内閣委員会
○有本参考人 私は、法文上の議論につきましては是非国会で更に詰めていただきたいと思いますけれども。
私は、ここに出ましたのは、運用上が大事だと思っています。さっきの繰り返しです…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=有本建男
MCP: search_diet_speeches(speaker="有本建男")