○及川参考人 皆さん、おはようございます。初めまして。株式会社農業総合研究所代表取締役会長のCEO、及川智正と申します。
今日は、このような貴重な場をいただきまして、誠にありがとうございます。今回、この場をかりまして、政策提案というよりも、我々が本法案にのっとってどんなことを、どんな事業をやっているかということを是非皆様にインプットしていただければなと思っております。また、農業の課題について、この部分も共有できたらいいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
では、こちらの資料に沿って御説明の方をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、目次、二ページ目なんですけれども、今回、四つの項目に沿ってお話をさせていただきたいと思います。
一項目め、会社概要、自己紹介、そして事業概要、ビジネスモデル、そして市場環境と優位性、そして最後に、農業の課題が本当はどこにあるのかということと、目指す方向性はここじゃないのかというお話を十五分間を使ってお話しさせていただきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、二ページ目を開いてください。会社の概要になります。
会社名を、株式会社農業総合研究所と申します。弊社を知らない方は、何を研究している会社だと思われるかもしれないんですけれども、実は一切研究はしておりません。社名からうそでございます。じゃ、何でこういう会社名にしたかといいますと、農業というのは、僕は、作るだけが仕事じゃないと思っているんですね。何が言いたいかというのは、農業というのは、口に入るまでが農業の仕事、使命じゃないのかなと思っています。なので、作るところから口に入るまでを総合的に研究できるような、そんな農業のベンチャーをやりたいということで私が十八年前につけた、そんな会社名でございます。
設立は二〇〇七年になりまして、今、二人代表で会社の方を運営させていただいております。
本社が非常に地味な和歌山県にあるんですけれども、ありがとうございます、今日、知っているだけでも私を含めて三名、和歌山の方がいるので非常に心強く感じております。ありがとうございます。
資本金は六億円弱ございまして、今、売上げが年間七十二億円でございます。その下に少し聞き慣れない、流通総額という数字があるんですけれども、こちらが百五十七億円でございます。これは何かというと、うちの会社を介して売れた野菜と果物の金額が百五十七億円でございます。我々、手数料だけを売上げに計上しているので、この手数料が七十二億円、この手数料七十二億円が粗利益になるというような、何が言いたいかというと、野菜の総量が売上げになるのではなくて、手数料だけ売上げに計上しているプラットフォーム業の会社だということを理解していただきたいなと思っております。
従業員が二百八十名おりまして、うち百二十名が正社員でございます。
主なビジネスは、農家の直売所事業というものと産直卸事業をやっております。
和歌山が本社なんですけれども、東京、大阪、名古屋に営業所を構えております。ちょっと事業所の下に聞き慣れない言葉が出てくるんですけれども、集荷場、これは何かといいますと、我々、野菜や果物を集める基地、拠点のことを集荷場という名前で呼んでおります。こちらが全国に七十九拠点ございまして、北は北海道、南は九州まで、七十九拠点に拠点をつくって、そこで毎日野菜と果物を集めるというような、そんな仕事をさせていただいております。
この七十九拠点に登録をいただいている農家さん、生産者の数が現在一万四百三十七名おります。
現在、この約八十拠点と生産者一万人と協力いたしまして、国内外のスーパーマーケット約二千店舗に我々の専用コーナーを、全国のスーパーマーケットさんの中に我々の専用コーナーをつくっていただいて、この二千店舗の専用コーナーを全国の生産者にどんどんどんどん開放するという仕事をやっている会社が我々農業総合研究所でございます。
三ページ目を開いてください。三ページ目には、関連会社及び関連役職というものが載っております。
我々、基本的には市場外流通をやっているんですけれども、二〇二三年十一月まで三年間、富山中央青果の株主として、社外取締役として市場の経営もさせていただきました。また、世界市場という、クールジャパン機構と一緒になって組成した会社があるんですけれども、今も年間十億円ぐらいの野菜と果物を海外に輸出する、そんな事業もやらせていただいております。プラス、こちら、弊社とは関係ないんですけれども、個人的に、カネマサ流通ホールディングスという、外食向けのカット野菜、外食向けの加工した野菜等々を納入、若しくはコンビニエンスストア向けのカット野菜を供給する会社の仲卸機能の会社の役員をやらせていただいたり、また、母校は東京農業大学なんですが、こちらの客員教授等々もやらせてもらっています。
何が言いたいかというと、市場外流通のメインの会社なんですけれども、市場流通も、市場も仲卸も経験しているというような、非常にまれな会社なんじゃないのかなと思っております。
簡単に自己紹介をさせていただきたいんですけれども、四ページ目をお願いいたします。
元々、私、出身は東京でございます。でも、どうしても農業をやりたいということで、和歌山県で三年間、自分で農業をやらせてもらいました。そのとき、もうけることができなかったんですね。何を考えたかといったら、なかなかもうかることができないので、じゃ、次は八百屋だということで、大阪で八百屋をやりました。八百屋ももうからなかったんです。そこで思ったのは何かといいますと、作るのも大変だし売るのも大変だ、やはり重要なのはこの交わるところ、水と油が交わるところ、多分、農業は流通を変えていかないと絶対よくならないという気持ちで十八年前につくった会社がこの農業総合研究所です。
何が言いたいかといいますと、現場を、しっかり自分で農家をやって自分で八百屋をやった経験が生きている、そんな会社なんじゃないのかなと思っております。
五ページ目をお願いいたします。
私のやりたいことと会社のやりたいことは全く同じでございます。何がやりたいかというと、持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする。SDGsが言われる十八年前からこちらをビジョンにしているんですけれども、日本から、世界から農業が衰退しない仕組みをつくりたいと思ってつくった会社が農業総合研究所でございます。
六ページ目をお願いいたします。事業概要なんですけれども、大きく分けて二つの事業をさせていただいております。
まずは、向かって左側、農家の直売所事業。先ほど御説明いたしました、スーパーマーケットの中に産地直送コーナー、農家直送コーナーをつくりまして、ここの農家直送コーナーを全国の生産者に開放していく、そんな仕事がこちらの農家の直売所事業でございます。
こちらの農家の直売所事業の特徴は、末端売価を生産者が決められます。もう一つ特徴的なのは、売りたい場所を生産者が決められます。なので、都会のスーパーマーケットの売りたい店舗を生産者が決められて、もう一つ、そこで売りたい金額も生産者が決められる、生産者主体の流通になっているというところが面白い部分じゃないのかなと。七十九か所の我々の集荷拠点に生産者が野菜と果物を持ち込むと、全国二千店舗のスーパーマーケットで、自由に好きな値段で、好きな場所で売れるという、そんなプラットフォームになっているというところが一つの特徴なんじゃないのかなと思っております。
向かって右側、産直事業とは何かというと、これは、生産者から直接仕入れて、我々がブランディングして、スーパーマーケットのPB商品として卸す、そんな事業ですね。こちらの二本柱で仕事の方をさせていただいております。
一つ飛んでいただいて、八ページをお願いいたします。では我々のポジショニングはどこだというのを表にしたものが、こちら八ページでございます。
簡単に言うと、既存の流通と農産物直売所のちょうど中間の流通を形成しているのが我々農業総合研究所なのではないのかなと思っています。既存の流通よりはたくさん売れないけれども、既存の流通よりは手取りがいいですよ、農産物直売所よりは手取りが悪いけれども、農産物直売所よりは手間が少なくて、たくさん売れますよと。
要は、どの流通がいい悪いということではなくて、農業流通には、いろいろな生産物を作っている生産者、若しくは規模も違います。なので、自分で自分の生産規模に合った流通を選ぶという、この選択肢をつくっていくということがとても大切なんじゃないのかなと思っております。
十ページ目をお願いいたします。本法案にも少し掲載されていた内容なので少し重複する部分があるんですけれども、簡単に市場環境を共有させていただきたいなと思っております。
御存じのとおり、十ページ目の向かって左側のグラフでございます。市場全体は少しずつ伸びているんですけれども、市場流通は少しずつ減っていまして、市場外流通は少しずつ伸びているというような、そんな現状でございます。向かって右側、市場経由の農産物も少しずつ減少しているという、そんな現状がございます。
その中、十一ページ目を御覧ください。
こちらも、御存じのとおり、農業者数の減少と、あとは高齢化をグラフにしたものなんですけれども、平均と弊社を比べるとどうなっているかといいますと、うちの会社では登録生産者さんが非常に若い、若い生産者が多い、そんなデータが出ております。これはなぜかというと、主体性を持って流通ができる仕組みだからこそ、若い生産者さんがたくさん登録してくれているのではないのかなと思っております。
では、十二ページ目をお願いいたします。
これは、よく投資家さんからも同じような御質問をいただくんですけれども、なぜスーパーマーケット向けのプラットフォームなんですかというお話をいただきます。
我々農業総合研究所は、一番この農産物流通でポイントは何かというと、物流だと思っています。かさばって、鮮度が要求されて、グラム単価が安いものをどうやって消費者の口元まで届けるか、ここが一番のポイントなんですね。
物流コストを安くしようと思ったら、当たり前なんですけれども、大量流通、大量販売しないとなかなか安くならない。では、今、農産物流通で一番大量に、出口が大きいところはどこかというと、スーパーマーケットが一番大きい。だからこそ、我々は、スーパーマーケット側に出口をつくって、物流コストを安くして、その安くした分を生産者に返すというような、そんなやり方で今会社の方を経営させていただいております。
十三ページ目をお願いいたします。十三ページ目は、我々の強み、優位性でございます。
先ほども申し上げましたとおり、私自身が元々農家だったというところが一つの強みかなと。もう一つは、全国一万人の生産者と八十か所の物流拠点を持っている、ここも私どもの強みなんじゃないのか。そして、今まで十八年間のデータを蓄積している、ここも我々の強みなんじゃないのかなと思っております。
では、十四ページ目をお願いします。
ここからは農業における課題を少し共有させていただきたいと思うんですけれども、今日は農業の専門家ばかりだと思いますのでもう御存じだとは思うんですけれども、農業にはたくさんいろいろな問題がございます。耕作放棄地、食料自給率、そして高齢化、人手不足、肥料高騰、温暖化等々あるんですけれども、いろいろな問題があるんですけれども、農業総合研究所では、問題を一つに集約できるのではないのか、一つの問題が原因になってこの問題を引き起こしているのではないのかなと考えております。
これは何かといったら、真ん中に書いてある、もうからないからです。もうかれば、今言った問題というものは我々は解消できるのではないのかなと思っています。なので、農業総合研究所は、この農業はもうからないという部分をしっかりもうかる仕組みにしていくというところを命題に、中長期計画を組んでいるところでございます。もう一つの要因は天候不順だと思うんですけれども、天候不順は我々の会社ではどうにもならないので、我々としては、もうからないという部分を、流通でもうかる仕組みをつくっていくというところに命題を置いて、会社の経営の方をさせていただいております。
では、十五ページ目をお願いいたします。
では、なぜもうからないのか。要因は、先ほど申し上げましたとおり、天候もあるんですけれども、天候だけではなくて、我々が農業がもうからない理由の本質的な課題と置いているのは、青果の需要と供給のバランスがアンバランスだ、ここが一番の問題なんじゃないのかなと考えております。
こちらのグラフを見て分かるとおり、相場が乱高下して、高くなっても低くなってもなかなか生産者はもうからない、そんな仕組みになっています。なので、この需給のアンバランスをなるべく小さくしていく、このボラティリティーをなるべく小さくしていくことが多分、生産者の手取りを増やす、ここに直結するのではないのかなと我々は考えております。
では、次のページ、十六ページ目をお願いします。
需給アンバランスが発生する要因なんですけれども、我々がなぜ需給アンバランスが発生するかというところを考えたところ、食べる量と生産量が把握できていない、若しくはこの情報が遮断されている、この二つが問題なのではないのかなと思っております。
十七ページ目をお願いいたします。
なので、農業総合研究所、今我々がやっていることは何かといいますと、先ほどから申し上げている農産物のボラティリティーをなるべく小さくするために、需給の見える化と需給をつなげるプラットフォームの構築。今までやってきたプラットフォームでも、ある程度需給のバランスは取れていたんですけれども、まだまだ限定的ですので、今また新たにプラットフォームをつくることによって、この需給バランスをしっかり整えられるようなものをつくっていきたいなと我々は考えております。
十九ページ目をお願いいたします。
では、このボラティリティーをどうやってなくしていくか。「農業を儲かる仕組みに」と書いてあるんですけれども、我々では、今実践しているのは、この二つを実践させていただいています。一つは何かというと、新しい農産物の流通の仕組み、我々、産直委託システムと呼んでいるんですけれども、こちらをしっかりつくっていこうと。もう一つは、AIを活用して、需要と供給のバランスをしっかり図れるような、こちらはNTTさんと組んで、調整をする。この二つをやらせていただいております。
もう少し具体的なお話をさせていただきます。二十ページ目をお願いいたします。
では、どういう新しいビジネスモデルかといいますと、先ほど御説明いたしました産直コーナーと卸売、これを二つ、我々が、我々がやっている事業をミックスして、もう少し生産者に対していい流通がつくれるんじゃないのかなというものを今模索して、ちょっと実践しているところでございます。
産直委託モデルの特徴は何かというと、レベニューシェアになっていて、大量流通、安定販売が可能で、そして事務処理が簡便だと。なので、今までデメリットだった部分を少しずつ解消して、生産者にも、流通会社にも、そして小売さんにも手間のない流通にしていく、そんな仕組みでやらせていただいております。
少し具体的な説明をさせていただきます。二十一ページ目をお願いいたします。今までの流通がどうだったかという説明なんですけれども、今までの流通は二十一ページのような流通なんですね。
生産者さんがいて、生産者はうちの会社に一円でも高く売りたい。うちは、スーパーさんに対して、小売さんに対して一円でも高く売りたい。みんな一円でも高く売りたいですし、逆に、仕入れる側は、我々は生産者から一円でも安く仕入れたいですし、小売さんは我々から一円でも安く仕入れたい。何が言いたいかというと、生産者と生活者の間が遮断されて、各社が自社の利益を優先してしまう、そんな仕組みになっていたんじゃないのかなと思っております。
なので、これだとなかなか持続可能ではないので、今我々が挑戦している流通は、次のページの流通でございます。
では、どういう流通にしているかといいますと、レベニューシェアでちゃんと利益を分けていこう、簡単に言うとそういうことでございます。
どういうものかというと、みんなで価格を決めましょうと。生産者と我々とスーパーさん、三位一体になって、幾らで売ろうというのをしっかり考えて売る、この在庫リスクを生産者に取っていただく。値段はみんなで決めるんですけれども、最終的な在庫リスクは生産者にも取ってもらうことによって生産者の手取りを大きくする、そして、売る場所を、我々の産直コーナーではなくて、今までの既存の青果コーナー、スーパーさんの普通の野菜売場で売るということを現在やらせていただいています。
これをすると何がよくなるかといいますと、受発注がないんですね。受発注がないということは何かというと、DX化がしやすいということでございます。今、青果流通は非常にDX化がしにくいです。これはなぜかといいますと、既存の流通をDX化しようとするから難しいわけであって、新しい流通をつくって、最終的にそれをDX化することによって、かなり簡便な流通をつくることができるんじゃないのかなと我々は考えております。
二十三ページ目をお願いいたします。
もう一つやっていかないといけないのは、AIを使った需給調整プラットフォーム、こちらをつくっていきたいなと思っております。現状、我々も需要、供給のバランスが取れていないですし、既存の流通も取れていないのではないのかなと考えております。
それを、二十四ページを見ていただきたいんですけれども、何をやりたいかといいますと、小売店さんの需要をAIを使ってしっかり予測をいたしまして、これを六か月前に生産者にちゃんと渡していく、この仕組みをつくって、この仕組みがうまくいくのであれば、最終的に既存の流通さんにそのシステムを開放させていただいて、ちゃんと需給のマッチングができるような、そんな仕組みをつくっていきたいなと思っています。
農業総合研究所では、やりたいことは一つです。豊作貧乏をなくしたいと思っております。この仕組みができるまで農業総合研究所は頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。どうもありがとうございました。(拍手)
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