○内閣総理大臣(石破茂君) 森山幹事長の御質問にお答えを申し上げます。
楽しい日本についてお尋ねをいただきました。
我が国は、これまで、明治維新の中央集権国家体制において強い日本を目指し、戦後の復興や高度経済成長の下で豊かな日本を目指してまいりました。
一方で、我が国は急速な人口減少に直面し、かつての活力を維持できなくなってきております。今こそ、こうした状況を反転させ、活力を取り戻す必要があります。
そのためには、全ての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦し、今日より明日はよくなると実感できることが不可欠であります。その結果、多様な価値観を持つ一人一人が、互いに尊重し合い、自己実現を図っていけるようになると考えております。
私は、楽しい日本とは、こうした活力ある国家であると考えておりまして、その実現に向け、地方創生二・〇を令和の日本列島改造として強力に進めてまいります。
安倍政権以来の基本姿勢の継承についてお尋ねをいただきました。
安倍政権、菅政権、岸田政権と継承されてまいりました基本姿勢につきましては、これまでの政権と同様、継承し、これを更に発展させてまいりたいと考えております。
経済再生に向けた決意についてでございますが、議員御指摘のように、我が国経済は、現在、六百兆円超の名目GDP、三十三年ぶりの高い水準となった賃上げが実現するなど、成長と分配の好循環が動き始めており、賃上げと投資が牽引する成長型経済へと移行できるか否かの分岐点にあると考えております。
このチャンスをつかみ、コストカット型経済から高付加価値創出型経済へ移行することで、今日より明日はよくなると実感できる楽しい日本を実現してまいりたいと考えております。
所得が増え続け、暮らしにゆとりを感じられる経済の実現についてのお尋ねをいただきました。
我が国の持続的な成長のためには、賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇する、それが企業の売上げ、業績につながり、新たな投資を呼び込み、企業が次の成長段階に入り、また賃金が上がるという好循環が必要であります。
こうした好循環の実現に向け、賃上げこそが成長戦略の要との認識の下、物価上昇に負けない賃上げを起点として、国民の皆様の所得と経済全体の生産性の向上を図ってまいります。
中小企業の賃上げについてでありますが、多くの中小企業に利益を上げていただき、物価上昇に負けない賃上げを実現していただくためには、取引の上流から下流まで、適切な価格転嫁や生産性向上を実現することが極めて重要であります。
協議に応じない一方的な価格決定の禁止などを盛り込んだ下請法改正法案の提出や、各業種の実態に即した省力化投資計画の実行、人材、経営基盤を強化する事業承継やMアンドAの後押しなど、日本全体で賃金が上がっていく環境をつくり出してまいります。
官民連携による付加価値の創出に関してであります。
科学技術・イノベーション基本計画の改定を進め、AI、量子、バイオ、宇宙、フュージョンなどの戦略分野での投資を促してまいります。
本日、経済界の皆様方とともに、国内投資拡大のための官民連携フォーラムを開催し、新たな国内投資目標を示します。規制改革の検討を進め、大胆な国内投資促進策を具体化することを通じ、投資立国の取組を強化いたします。
自衛官の処遇改善についてでありますが、自衛官が十分に充足されていないことは極めて深刻な課題であります。昨年、関係閣僚会議で取りまとめました基本方針に基づき、三十を超えます手当等の新設、金額の引上げなど、過去に例のない取組を令和七年度から実現いたします。自衛官の処遇の魅力向上、若くして定年退職を迎える自衛官が退職後も活躍できる環境構築などを内容とする法案を提出いたします。
基本方針で取りまとめた各施策の実効性を確保することが重要であり、引き続き、関係閣僚会議の場で効果を検証し、施策の深化に向けた検討を行ってまいります。
能動的サイバー防御の実現に向けた取組及び生成AIの適正利用についてのお尋ねを頂戴いたしました。
我が国のサイバー対応能力の向上は、現在の安全保障環境に鑑みますと、ますます急を要する課題であります。国、重要インフラなどに対するサイバー攻撃を排除するため、能動的サイバー防御を可能とする法案を今国会に提出をいたします。
この法案におきましては、我が国のサイバー安全保障分野の政策を一元的に総合調整する新たな組織を設置する方向で現在検討を進めているところであり、サイバー安全保障を強化するための人員や予算につきましても、併せて措置をいたしてまいります。
生成AIをめぐる技術革新は、生産性の向上や労働力不足の解消などのメリットをもたらす一方で、偽・誤情報の拡散、犯罪の巧妙化などのリスクも存在するところであり、適正性、透明性の確保が重要であります。
このため、イノベーションの加速とリスクへの対応を両立させる法案を今国会に提出する方針であり、安全、安心で信頼できる、世界のモデルとなるようなAI制度の構築に向けて取り組んでまいります。
防災庁設置の必要性についてであります。
我が国は世界有数の災害発生国であり、風水害が頻発化、激甚化しておりますほか、南海トラフ地震や首都直下型地震につきましては、いつか来るではなく、いつ来るかという意識が求められているところであります。
いかなる地域で災害が発生したといたしましても、被災者の方々を苦難の中に置き続けるということがあってはなりません。平時の備えにより被害の最小化を図りますとともに、被災者の方々が避難所において発災直後から尊厳ある生活を営める環境を整備することは、国家の重要な責務であると考えております。
この責務を全うするためには、平時、発災時の司令塔となります強力な体制が必要であります。専任の大臣を置き、十分な数の災害対応のエキスパートをそろえた防災庁を令和八年度中に設置すべく、準備を加速いたしてまいります。
防災庁の設置により、人命、人権最優先の防災立国を構築し、我が国を世界一の防災大国にすべく取り組んでまいります。
新たな地方創生の推進についてのお尋ねをいただきました。
楽しい日本を実現するための政策の核心は、地方創生二・〇であります。
地方創生二・〇は、官民が連携して地域の拠点をつくり、地域の持つ潜在力を最大限に引き出し、ハードだけではないソフトの魅力が新たな人材の流れを生み出す。新技術を徹底的に活用し、一極集中を是正し、多極分散型の多様な経済社会を構築していくというものであります。
これを令和の日本列島改造として、厳しい国際競争の中、日本全体の活力を取り戻すべく、強力に進めてまいります。
トランプ政権との関係についてでありますが、日米同盟は、我が国の外交、安全保障政策の基軸であります。
当然のことながら、米国には米国の国益があり、我が国には我が国の国益がございます。だからこそ、率直に意見を交わし、両国の国益を相乗的に高め合うことで、自由で開かれたインド太平洋の実現に資することができる、このように考えております。
トランプ政権との間では、できるだけ早い時期に日米首脳会談を実現し、率直に議論を行い、強固な信頼、協力関係を構築し、日米同盟を更なる高みに引き上げていきたいと考えております。
その際、日米両国が、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け共に手を携えて努力をしていくことが、地域、そして世界の平和と安定に大きく寄与するものであること、我が国は同盟国として責任を共有し、応分の役割を果たす用意があることを米新政権に伝えてまいりたいと考えております。
日中関係についてでありますが、日中両国間には、様々な可能性とともに、数多くの課題や懸案がございます。両国は、地域と国際社会の平和と繁栄にとって共に重要な責任を有しております。
価値を共有する同盟国、同志国との連携を前提としつつ、中国との間では、習近平国家主席とも確認した戦略的互恵関係を包括的に推進いたしますとともに、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていくというのが日本政府の方針であります。
中国との間では、この大きな方向性の下で、首脳レベルや、先日、森山議員も出席されました日中与党交流協議会のような政党間のものも含めまして、あらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化し、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくべく、共に取り組んでまいりたいと考えております。
憲法改正についてでありますが、森山議員御指摘のとおり、憲法は、あるべき国の形を示す国家の基本法であり、社会情勢や国民意識が大きく変化する中にあって、現行憲法が今の時代にふさわしいものであり続けているかどうかを考えることは、大変に重要なことであります。
憲法改正は、最終的には主権者である国民の皆様方が国民投票でお決めになるものであり、憲法のあるべき姿について国民の皆様方に案をお示しすることは、我々国会議員の責務であります。
内閣総理大臣の立場からは、憲法改正についての議論の進め方などについて直接申し上げることは差し控えますが、憲法改正を党是とする自民党の総裁としてあえて申し上げれば、これまでの様々な議論の積み重ねを踏まえ、各党各会派とも更に建設的な議論を行い、国会による発議と憲法改正の早期実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
政党や政治団体の規律の在り方についてお尋ねを頂戴をいたしました。
御指摘のとおり、政党や政治団体は民意を適切に反映した政治を行う上で重要な役割を果たしており、それゆえに政党助成制度も設けられております。政党などが透明性を持ちながら社会に対する説明責任を果たし、国民の信頼を得ていくためには、ガバナンスの強化が重要であります。
自由民主党では、令和四年、他党に先駆けてガバナンスコードを自主的に制定し、運用してまいりました。また、平成元年に我が党が決定した政治改革大綱では、政党法の検討に入ると明記されておるところであり、その後も政党法の制定を求める様々な声が聞かれるところであります。
政党などの規律の在り方を法で定めることにつきましては、政治活動の自由を尊重する観点から、慎重な御意見も存在することは重々承知をいたしておりますが、自由民主党総裁としてあえて申し上げれば、政治に対する国民の信頼を確保するため、規律と担保方策、そのための法制度の在り方について議論を深めてまいりたいと存じます。
大阪・関西万博の成功に向けた取組についてお尋ねをいただきました。
今月、私自身、大阪・関西万博の名誉会長に就任いたしますとともに、万博会場である夢洲を視察いたしました。
より多くの方々に万博に行ってみたいなと思っていただけますよう、万博で何が見られるか、どのような体験ができるかを効果的に発信をし、伝えていく取組を、博覧会協会を始めとして関係者が一丸となって、更に強化する必要があるものと考えております。
あわせまして、万博へおいでになった方々が日本各地へと足を延ばしていただけますような取組を官民で進め、地方創生につなげることも重要であります。
万博の成功に向け、政府も、国際博覧会条約に基づく招請国政府として、最大限の力を尽くしてまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁をさせていただきます。(拍手)
〔国務大臣城内実君登壇〕
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今、古川委員御指摘のように、これを合…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=石破茂
MCP: search_diet_speeches(speaker="石破茂")