○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、日米首脳会談について総理に質問します。(拍手)
まず問いたいのは、パレスチナ・ガザ地区の住民を強制移住させ、米国が土地を長期的に所有するというトランプ大統領の発言に対する態度です。国連事務総長、ドイツ、フランスなど米国の同盟国も批判の声を上げる中で、総理が日米首脳会談でなぜ批判的言及を一切しなかったのか、お答えください。
イスラエルのジェノサイドによって深く傷ついたガザの人々への人道支援を強化し、停戦を恒久化するために国際社会が力を尽くすべきときに、住み慣れた土地から追放し、観光地にするというのは、余りにおぞましい構想です。総理は、首脳会談後の会見で、トランプ氏について、世界に対する強い使命感を持つ方と持ち上げましたが、余りに卑屈なおもねりと言うほかないではありませんか。
戦時の文民保護を定めたジュネーブ条約は、占領地域から住民を強制移送することを固く禁止しています。国連憲章は、力ずくで領土を取得することを禁止しています。トランプ氏の主張が国連憲章と国際法を深刻にじゅうりんするものであることは、余りにも明瞭ではありませんか。総理にはその認識はありますか。
日米共同声明では、中国などを念頭に、力による現状変更の試みへの強い反対を明記しましたが、最悪の力による現状変更の試みであるトランプ氏の発言を黙認するならば、ダブルスタンダードそのものになるではありませんか。
日本政府を含む国際社会の大半は、パレスチナ国家の樹立を支持し、イスラエルとの二国家共存を求めています。トランプ氏の主張は、二国家共存を根本から否定するものであり、日本政府の方針に照らしても許容できないものではありませんか。事は法の支配に基づく国際秩序を根底から揺るがす大問題です。今からでもトランプ氏に撤回を求めるべきです。答弁を求めます。
総理は、日米首脳会談で、トランプ大統領が気候変動対策のパリ協定から離脱したことに対しても、一切言及しませんでした。なぜですか。世界各地で洪水や山火事などが相次ぎ、日本でも猛暑、豪雨、豪雪、農漁業の被害が起こり、気候危機対策は文字どおり待ったなしです。地球温暖化はでっち上げだと語り、掘って掘って掘りまくれと石油や天然ガスの増産に突き進むトランプ氏の暴走に対して、国際協調の重要性を説き、翻意を促すことが必要だと考えませんか。
ところが、総理は、米国の貿易赤字の穴埋めのために、液化天然ガスを新たに購入する約束までしてきました。これでは、気候危機打開に逆行するトランプ大統領の暴走にあからさまに加担することになるのではありませんか。お答えいただきたい。
総理が、日米共同声明で、日米同盟の抑止力、対処力の更なる強化を宣言した上で、二〇二七年度より後も抜本的に防衛力を強化していくことを約束したことは極めて重大です。
政府が二二年十二月に閣議決定した安保三文書の防衛力整備計画では、二三年度から二七年度までの五年間で軍事費を四十三兆円増額した上で、二七年度以降は防衛力を安定的に維持するとされています。ところが、共同声明では、二七年度以降も抜本的に防衛力を強化していくと明記されています。
総理、維持から抜本的強化に変わったのはなぜですか。その理由を明確にお答えいただきたい。これは、軍事費をGDP比二%より更に増やすという誓約ではありませんか。こんな重大なことを、国会に諮ることもなく、閣議決定すら行わずに、アメリカに約束してきたのですか。
総理は、大軍拡の理由として、日本を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しいと繰り返しています。
それでは、伺います。政府が今進めている空前の大軍拡計画を実行すれば、日本を取り巻く安全保障環境が改善するというのですか。日本が大軍拡を進めれば、相手も軍拡を加速させ、軍事対軍事の悪循環に陥り、かえって戦争のリスクを高める、いわゆる安全保障のジレンマに陥ってしまう。総理は、その危険をどう考えますか。
大軍拡によって暮らしの予算が圧迫されています。来年度政府予算案は、軍事費だけが前年度比九・五%増と異常突出し、社会保障予算、文教科学予算、中小企業予算など暮らしの予算は、どれも物価上昇に追いつかない、実質マイナスの予算となっています。高額医療費の上限引上げ、大学学費の値上げラッシュなど、暮らしの予算を削りに削りながら、軍事費だけは異常突出を続ける。
総理、戦後最も厳しいレベルにあるのは国民の暮らしですよ。それを無視した予算案ではありませんか。
平和も暮らしも壊す大軍拡を中止し、現にASEANが実践しているように、対話の徹底した積み重ねで東アジアに平和をつくる外交にこそ心血を注ぐことを強く求めて、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
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MCP: search_diet_speeches(speaker="志位和夫")