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石破茂 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2025-02-14)での発言

第217回国会 ·第第5号号 ·3,759字
○内閣総理大臣(石破茂君) 阿久津幸彦議員の御質問にお答えいたします。  高額療養費制度の見直しについてお尋ねがありました。  高齢化の進展や高額薬剤の急速な普及等により、高額療養費の総額が医療費全体の倍のスピードで伸びております中で、現役世代を中心に保険料負担が大きな課題となっていることを踏まえ、今回の見直しを提案したところでございます。  日本が世界に誇るべき医療保険制度の大切なセーフティーネットであります高額療養費制度を将来にわたって堅持しつつ、保険料負担の抑制につなげることが必要であると考えております。その上で、さらに、当事者の方々のお声も真摯に受け止めつつ、可能な限り幅広い合意形成が図られますよう、提案の修正を含め、対応いたしてまいります。  政府備蓄米の放出についてのお尋ねであります。  消費者の皆様方に主食である米を安定的に供給できますよう、一定期間後に買い戻すことを条件といたしますが、現時点で二十一万トンの政府備蓄米を売り渡すことといたしました。売り渡す量は必要に応じちゅうちょなく拡大をいたしますが、まずは、初回十五万トンの入札の実施に向け準備を急いでまいります。こうした措置により、米流通の目詰まりが解消し、上昇した価格が落ち着くことを期待いたしております。  いわゆるガソリンの暫定税率についてお尋ねがございました。  昨年十二月、自民、公明、国民民主の三党ではありますが、幹事長間におきまして、いわゆるガソリンの暫定税率を廃止する、具体的な実施方法について、引き続き関係者間で誠実に協議を進めるとの合意がなされており、政府といたしましては、その結果を踏まえた上で、適切に対応いたしてまいります。  御指摘の財源につきましては、仮に、揮発油税、地方揮発油税、軽油引取税の全ての暫定税率が廃止されました場合、国、地方合わせて年間一・五兆円の税収が恒久的に失われると見込まれております。そのため、地方財政に与える影響も踏まえれば、これらに代わる安定的な財源の確保は大変重要な論点であると考えております。  省庁別審査等において御党からいただきました財源に係る様々な御指摘につきましては、真摯に政策議論を行ってまいりますが、安定的な財源となり得るかといった点も含めて検討する必要があると考えております。  防衛力強化に係る財源確保のための税制措置についてお尋ねをいただきました。  戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、国家安全保障戦略等に基づき抜本的に強化される防衛力は、将来にわたって維持強化していく必要があり、これを安定的に支えるための財源を確保していく必要がございます。  具体的には、安定財源の約四分の三は、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保など、あらゆる工夫を行うことにより賄うこととし、それでも足りない約四分の一につきましては、今を生きる我々の将来世代への責任として、税制措置での御協力をお願いすることといたしております。  令和七年度税制改正におきましては、こうした考え方に基づき、法人税、たばこ税における措置を盛り込んだ税制改正法案を提出させていただいております。所得税につきましては、令和五年度税制改正大綱等の基本的方向性を踏まえ、引き続き検討することとしたところであり、実施時期も含めまして、与党税制調査会で検討されるものと考えております。  引き続き、こうした防衛力の抜本的強化及び安定的な財源確保の必要性について、丁寧な説明に努めてまいります。  食事手当の非課税限度額についてでございます。  食事に限らず、企業から従業員に対して経済的な利益が与えられたときは、原則、給与所得として課税対象となりますが、食事につきましては、福利厚生的な性格があるとともに、少額なものには課税しないという観点から、企業の負担額が月額三千五百円以下など、一定の要件の下で、非課税とする取扱いがなされているものと承知いたしております。  この非課税限度額につきましては、議員御指摘の物価動向だけではなく、金銭で食事手当が支給され、給与課税されている方々もいらっしゃること、社員食堂のある企業が大企業を中心とした一部に限られていることなど、非課税の適用を受ける機会がない方々との公平性にも留意しつつ、対応の必要性について見極める必要があるものと考えております。  災害損失控除についてお尋ねをいただきました。  災害による損失を翌年度以降に繰り越せる繰越控除期間につきましては、令和五年度税制改正において、特定非常災害の場合には最長で五年に延長する措置を講じたところでございます。更なる延長は、同じ損失額であっても所得の多寡による納税者間の不公平を広げかねないことから、慎重に検討すべきものと考えております。  所得税の計算に当たりましては、まずは収入から必要経費を差し引き、納税者が自由に処分できる所得を求め、その後に、世帯の事情に応じて担税力を調整するため人的控除を適用する仕組みとなっておるのは御承知のとおりでございます。災害による損失は、必要経費に類似した性質を有するものとして取り扱われておりますことから、人的控除よりも先に控除することとなります。御指摘のように、人的控除より後に控除することといたしました場合、同じ収入額、同じ損失額の納税者の間で、世帯構成によって損失の繰越額が異なり、不公平が生じますことから、現行の取扱いをいたしておるものでございます。  災害による損失を前年の所得と相殺する恒久的な繰戻し還付制度の創設につきましては、繰越しが可能であること、一旦完結した前年の課税関係を事後的に変更するものであり、法律関係の安定性を損ないかねないこと等から、慎重に検討すべきものと考えております。  租税特別措置の実名公表についてでございますが、平成二十二年の租税特別措置透明化法の制定時に、適用実態調査の報告書におきまして、個別法人名まで公表する必要はない、そのような整理がなされた経緯がございます。  国が個別企業の税務情報を公表することにつきましては、一般論として申し上げれば、財務情報が類推されることで価格交渉への影響といった競争上の不利益を生じかねないため、そうしたデメリットを上回る公益上の必要性があるかどうかを考えていく必要がある、このように考えております。  補助金との比較について申し上げますと、補助金の場合には、一般に、国からの交付の決定を受けて個別法人名が公表されても、それによって個別企業の財務情報等が類推されるという事態は想定されない、このような違いがございまして、租税特別措置と同様に扱いますことは必ずしも適当ではございません。  納税者権利憲章についてでございますが、一般に、納税者の権利義務を分かりやすい言葉で説明し、より多くの納税者に周知しようとする試みである、このように承知をいたしておりまして、御指摘のような納税者権利憲章を定めることも一つの方法であります。  しかしながら、そのような形にかかわらず、実際に納税者の皆様方の視点に立った利益の保護、利便性の向上に向けました措置を手厚くいたしますとともに、その内容を適切に説明していくことが重要であると考えております。  政府といたしましては、引き続き、適正かつ円滑な税務行政に取り組んでまいります。  中小企業の社会保険料の負担軽減についてでございます。  御党の法案が提出されました場合の取扱いにつきましては、国会で御議論いただくべきことと考えておりますが、中小企業に対して社会保険料の事業主負担を公費で助成すべき、このような御提案につきましては、社会保険料が医療や年金等の給付に充てられ、労働者を支えるための事業主の責任であることなどから、慎重な検討が必要であると考えております。  非正規雇用労働者を正社員に転換した事業主には、キャリアアップ助成金による支援など、中小企業への支援を行っております。  中小企業に対しましては、賃上げが実現できますよう、利益を上げていただくための適切な価格転嫁や生産性向上を支援しながら、社会保険については、年齢にかかわらず適切に支え合うことを目指す改革を進めることが重要であり、これらを着実に実行いたしてまいります。  税制改正法案の修正についてお尋ねをいただきました。  令和七年度税制改正法案は、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を確実なものとするとともに、経済社会の構造変化等に対応するために必要なものでございます。政府といたしましては、多くの御賛同がいただけますよう、法案の内容について丁寧に説明を尽くしてまいります。  党派を超えました合意形成を図るためには、与党、野党共に責任ある立場で熟議をし、国民の皆様の納得と共感が得られますように努めることが必要であります。各党の御主張も十分に拝聴し、今後とも真摯に議論をいたしてまいります。  以上でございます。(拍手)     ―――――――――――――

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