○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、日本学術会議法案について質問します。(拍手)
先ほど、学術会議に対する全く事実無根の誹謗中傷の中で、我が党に対する言及がありました。しかし、我が党は、学術会議に対し、不当な介入、干渉を行った事実は一切ありません。我が党の党史には指摘のような記述はありません。断固抗議し、撤回を求めるものであります。
その上で、まず、任命拒否問題です。
二〇二〇年十月、学術会議会員の改選に当たり、菅総理が六名の任命を拒否したことは、学術会議の推薦に基づき内閣総理大臣が形式的に任命するという確定した法解釈を覆すもので、到底許されるものではありません。
しかも、二〇年六月、学術会議が候補選考中の段階で、官邸側が学術会議事務局に六人を選考対象から外すよう求めていた文書が明らかになりました。極めて重大です。
政府は、任命拒否の理由、事前介入の経緯を全て明らかにし、任命拒否を撤回すべきであります。任命拒否問題を棚上げにしたまま、学術会議の在り方の問題にすり替えた政府に、法案を提出する資格はありません。
本法案は、現行の日本学術会議を廃止し、別組織に変えようというものです。
現行法は、戦前の日本が学術を政治に従属させ、学術の側も戦争遂行に加担する役割を果たしたとの痛苦の反省の上に、学問の自由を保障する日本国憲法を具体化したものです。現行法の前文は、科学が文化国家の基礎であり、平和的復興、人類社会の福祉に貢献すると学術会議の使命をうたっています。しかし、本法案は、この前文を削除して、学術を経済社会の健全な発展の基礎、社会課題の解決に寄与するものと置き換えています。
本法案は、憲法に立脚する学術会議の理念を真っ向から否定するものではありませんか。
日本学術会議はナショナルアカデミーです。その組織が満たすべき五つの要件は、学術的に国を代表する機関としての地位、そのための公的資格の付与、国家財政支出による安定した財政基盤、活動面での政府からの独立、会員選考における自主性、独立性です。
現行の学術会議は、政府からの独立を保障するルールを厳格に定め、学術の立場から政府の政策に反する提言や勧告も行ってきました。法案は、現行法の独立して職務を行うを削除し、法人とすると定め、学術会議の組織、運営に関する事務を内閣府の所掌事務に位置づけています。
学術会議を政府の監督の下に置かれる組織へと変えるものではありませんか。独立性の担保はどこにあるのですか。
さらに、学術会議の運営、財務に、政府や学術会議以外の者が介入できる仕組みを設けています。本法案は、外部者で構成される監事、日本学術会議評価委員会、運営助言委員会を新設し、学術会議の中期的な活動計画は評価委員会が意見を述べることとしています。
これらの規定は、学術会議の運営、活動における政府からの独立性、自主性、自律性を剥奪するものではありませんか。政府からの独立が確保されなければ、学術会議の勧告権は失われるのではありませんか。
会員選考においても、法案は、会員以外の者で構成される選定助言委員会を設置し、外部の意向が反映可能な仕組みを設けています。さらに、新たな組織の設立時、新会員候補者は、内閣総理大臣が関与する候補者選考委員会が推薦するとし、三年の任期が残っている会員は三年後の再任を認めないとしています。
これまでの会員自身による選考方法を投げ捨て、会員をリセットしようというものではありませんか。会員選考における自主性、独立性を著しく毀損すると言わざるを得ません。
今週開かれた日本学術会議の総会は、本法案がナショナルアカデミーの要件を充足しておらず、懸念を払拭していないと厳しく批判しています。このことを重く受け止めるべきです。金を出すから従えという政府などの言い分は、国際的に見ても、全く道理がありません。
本法案は、科学の成果を軍事に利用し、目先の経済的利益追求に貢献させるため、現行法の理念を全面的に否定し、学術会議から独立性、自主性、自律性を奪い、政府の意向に従う組織へと変質させる憲法違反の立法です。
断固廃案を求め、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇〕
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