○内閣総理大臣(石破茂君) 福田徹議員の御質問にお答えを申し上げます。
冒頭、先般発生をいたしました航空自衛隊T4練習機の事故につきまして、言及を頂戴をいたしました。
私どもといたしまして、航空自衛隊のみならず、防衛省・自衛隊、政府全体といたしまして、搭乗員の発見、原因の究明、事故防止策の確立について全力で取り組んでまいります。農業用水の安全で安定的な供給にも努めてまいります。御指摘、誠に恐縮に存じます。
今回の年金改革法案の目的について、お尋ねを頂戴をいたしました。
今回の年金改革法案は、いわゆる百六万円の壁を撤廃し、より手厚い年金を受けられるようにする被用者保険の適用拡大、就労収入を得ながら年金をより多く受け取れるようにする在職老齢年金制度の見直し、iDeCoの加入可能年齢を七十歳まで拡大する措置などを盛り込んでおりまして、すなわち、年金制度の持続可能性を確保するとともに、将来の受給者の給付も充実させつつ、現在の受給者の年金を増額させるもの、このようなものであり、目的はそのようなものであると理解をいたしておるところでございます。
将来の年金額についてでございますが、二〇五七年の年金額について目標を示すべきとの御指摘ですが、そのとおりでございますが、二〇五七年時点での年金額は経済前提等によって大きく異なり、加えて名目額と実質額とでは大きく異なることから、これをお示しすることは困難でございます。こうしたことを踏まえまして、公的年金制度におきましては、法律上、給付水準は、現役世代の平均的な手取りの五〇%を維持するという所得代替率を目標として規定しております。
二〇二四年の財政検証におきまして、過去三十年投影ケースで今回の年金改正法案の効果を織り込んで試算をいたしますと、最終的な二〇五二年度以降の所得代替率は五一・八%と推計されております。さらに、政府といたしましては、賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指し、年金の給付水準が将来も維持できるように努めてまいります。
年金の財政検証についてでございます。
公的年金の財政検証における出生率等の前提につきましては、これまでの実績に基づきながら専門家による検討を経た上で幅広い複数のケースを設定した、適切なものであると考えております。
具体的に、財政検証に用いている中位推計の合計特殊出生率は、二〇二三年まではコロナ禍による結婚、出生の落ち込みを反映することにより、二〇二〇年の一・三三から二〇二三年に一・二三まで低下し、二〇二四年以降は緩やかに上昇して二〇七〇年に一・三六になると推計されていると承知をしております。
その上で、こうした前提は、今後も財政検証を実施するたびに、そのときの最新の実績を踏まえ設定していきます。なお、政府といたしましては、こども未来戦略等に基づく少子化対策を着実に進めてまいります。
基礎年金の底上げ措置についてでございますが、年金の給付水準は、今後の経済状況によって変わり得るものでございます。政府の目指す成長型経済では、基礎年金の底上げ措置がなくとも、将来の給付水準がおおむね維持されるものと考えております。こうしたことも踏まえ、賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指すのが政権の考え方でございます。
他方、仮に経済が好調に推移しない場合には、基礎年金の将来的な給付水準の低下のおそれがあります。ただし、就職氷河期世代以降の方が年金を受けるのは二〇三〇年代半ば以降でありますことから、それまでにも様々な支援策を講じつつ、二〇二九年に行われる次期財政検証の結果を踏まえ、年金制度における対応が必要な場合には、適切に検討し、必要な措置を講じます。
さらに、被用者保険の適用拡大は、就職氷河期世代を含め、より手厚い年金が受けられるようにするとともに、将来の基礎年金水準の改善にもつながるものであり、政府といたしましては、この法案の意義や内容について、今後とも更に丁寧に説明を尽くしてまいります。
基礎年金の底上げ措置が法案に盛り込まれなかった経緯についてでございます。
基礎年金のマクロ経済スライドを早期に終了させる措置につきましては、全国民共通の基礎年金について、将来にわたって一定の給付水準を確保する重要性がある一方で、保険料、拠出金、積立金の関係が分かりづらいことなどから、国民の御理解が得られるのかという賛成、慎重両方の御意見があり、社会保障の専門家の間でも意見が分かれていたところでございます。
その上で、与党における議論において、例えば、自民党では十五回にわたって丁寧に議論を行い、その中で、政府からは、この措置を行う場合の目的や効果などについて説明をさせていただきました。
こうした中、厚生年金の積立金を活用してこの措置を行うことなどについて慎重な御意見があったことを踏まえ、基礎年金のマクロ経済スライドを早期に終了させる措置の具体的な仕組みについては規定しないことといたしたものでございます。
所得代替率の見込みと対応についてでございます。
現在の所得代替率は、デフレ等の影響により、平成十六年に導入したマクロ経済スライドが発動しない年があり、結果として、当時の見込みよりも高い状態にございます。他方で、将来の所得代替率につきましては、平成十六年当時は五〇・二%と見込んでおりましたところ、今回の財政検証におきましては、過去三十年投影ケースでも五〇・四%になることが見込まれており、当時の想定に比べ低くなっているものではございません。
今後とも、成長型経済を目指した経済運営を行っていくことが重要であり、その上で、経済が好調に推移しない場合におきましては、二〇二九年に行われる次期財政検証の結果を踏まえ、年金制度における対応を適切に検討し、必要な措置を講じるものといたします。
以上でございます。(拍手)
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=石破茂
MCP: search_diet_speeches(speaker="石破茂")