○内閣総理大臣(石破茂君) 浜地雅一議員の御質問にお答え申し上げます。
これまでの年金制度改革の評価と制度改正案の影響についてのお尋ねです。
公的年金制度につきましては、平成十六年以降の累次の改正で、制度の持続可能性を確保し、将来世代への過重な負担を抑制するとともに、自ら望む働き方を選択しやすい制度としつつ給付水準を確保するなど、老後の所得保障の柱としての役割を担ってきているものと考えております。
その上で、今回の制度改正案を実施した場合、財政検証に基づく試算では、将来の所得代替率は、実質一%成長のケースでは二〇三七年度以降五七・六%から五八・九%に、実質ゼロ%成長のケースでは二〇五七年度以降五〇・四%から五一・八%に改善することが見込まれております。
第三号被保険者の在り方についてでございますが、第三号被保険者につきましては、いわゆる専業主婦の方々のみならず、病気や育児、介護などの理由で働けない方々など、様々な属性の方々が混在される中で、今般の年金制度改正では、将来的な見直しの方向性について意見がまとまらなかったところでございます。
引き続き、被用者保険の適用拡大を進めることで第三号被保険者の対象者を縮小していくことを基本といたしました上で、今後、第三号被保険者の実態も精緻に分析をしながら、制度に関する様々な論点や国会での御指摘も踏まえ、議論を進めてまいります。
基礎年金の底上げ措置の取扱いについてでございます。
基礎年金のマクロ経済スライドを早期に終了させる措置につきましては、全国民共通の基礎年金について、将来にわたって一定の給付水準を確保する重要性がある一方で、保険料、拠出金、積立金の関係が分かりづらいことなどから、国民の御理解が得られるのかという賛成、慎重両方の御意見があり、社会保障の専門家の間でも意見が分かれていたところでございます。
今回の年金改正法案の前提として行われました財政検証の結果、年金財政は前回改正時よりも好転が見込まれており、過去三十年投影の低いケースでも所得代替率が最終的に五〇・四%となり、二〇一九年の同水準のケースの四四・五%と比べて上昇している状況でございます。
この措置は、今後も経済が好調であれば発動の必要性がないものであるとともに、次の財政検証の結果により適切に検討し必要な対応を講ずることなどから、具体的な仕組みにつきましては今回の法案に規定しないことといたしたものでございます。
厚生年金のマクロ経済スライドを延長する意義でございます。
今回の法案では、基礎年金の底上げなどについての検討を引き続き行うに際し、今後の社会経済情勢の変化を見極めるため、次期財政検証の翌年度である二〇三〇年度まで、厚生年金のマクロ経済スライド調整を継続することといたしております。これにより、二〇二九年に行われる次の財政検証の結果を踏まえ、年金制度における対応が必要な場合には、適切に検討し、必要な措置を講じます。
その上で、マクロ経済スライド調整の継続措置により、給付水準が低下し、厚生年金受給者が不利にならないよう、配慮措置を講じております。
年金給付水準の引上げについてのお尋ねです。
年金は老後生活の柱の一つであり、給付と負担のバランスを保ちつつ、年金の給付水準を保つことは重要な課題でございます。給付水準は今後の経済状況によって変わり得るものであり、政府として、賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指し、将来の年金の給付水準の向上につなげてまいります。
就職氷河期世代を含む将来の年金給付水準の充実につながる被用者保険の適用拡大などに加え、年金生活者支援給付金などの低年金者対策を活用しつつ、今後とも、社会や経済の変化に合わせ、五年に一度の財政検証の結果を踏まえた年金制度の不断の見直しに取り組んでまいります。
在職老齢年金制度の見直しについてでございます。
在職老齢年金制度は、社会保険においては例外的な仕組みでございます。この仕組みは、高所得者であっても高齢者の就業意欲を阻害するといった指摘もあったことなどから、現役世代の収入水準や高齢者の就労実態等に照らし、今回、年金の減額を行う基準を五十万円から六十二万円に緩和する見直しを行うことといたしております。
今後の在職老齢年金制度の在り方につきましては、今回の改正の結果なども踏まえて、引き続き議論をいたしてまいります。
残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣福岡資麿君登壇〕
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=石破茂
MCP: search_diet_speeches(speaker="石破茂")